草加市議・佐藤のりかず公式ブログ

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なぜ草加はベテラン保育士が不足しているのか-保育士採用の歴史

2021年09月22日 | 市政・議会・活動など
■15年間にわたる採用空白期間
草加市の公立保育園に勤務している正規保育士数と、各年度の採用・退職者数を1978年度からまとめました。

水色の棒グラフの採用人数を見ると、1983年度から1997年度までの15年間にわたり採用0人が続きます。この15年間で新規採用した保育士は1995年度の4人のみです。現在の40歳代、50歳代がこの空白期間にあたります。
草加市では、ベテラン保育士の不足を補うため2016年度から採用試験の受験資格(年齢上限)を34歳から45歳に引き上げ、さらに2018年度から55歳に引き上げ現在に至っています。
また、直近10年あたりで正規保育士の採用数が退職数を上回る流れに改善されてきています。

[グラフ①]各年度の正規保育士数と採用・退職人数の推移/ 1978年度~



■正規保育士の76%が20~30代
正規保育士について、受験資格(年齢上限)が引き上げられる前年度(2015年度)の年齢構成を円グラフにまとめました。
20歳代(48人)と30歳代(97人)をあわせると、30歳代以下が正規保育士の76%を占めています。園長先生などを担う年代であるベテラン保育士が圧倒的に不足しています。ちょうど、グラフ①の採用空白期間にあたる年齢層です。

[グラフ②]正規保育士の年齢構成/ 2015年4月1日時点



■非正規頼みの限界
過去10年間の臨時保育士(フルタイム保育士のみカウント)採用・退職人数の推移をまとめました。
採用数と退職者数の差を赤色の折線にしました。以前は退職者数を上回る採用実績となっていましたが、ここ数年は臨時保育士の採用が困難となり退職者数が上回る傾向にあります。
正規と臨時の賃金差や、保育需要の増加に伴う都市部での保育士確保競争などが背景にあります。さらに草加市では、安定的に保育士を確保してこなかった当時の政策判断のツケが、現在の保育士不足に追い打ちをかけています。

[グラフ③]各年度の臨時保育士採用・退職人数の推移/ 過去10年間
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