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公立保育園の0歳児保育は本当になくなっていいのか?

2021年09月07日 | 子育て・教育
草加市が今、0歳児保育をなくすなどの「これからの幼児教育・保育の提供体制に関する基本方針(案)」を策定しています。

この計画通りになれば、草加市立保育園(公立保育園)で実施している0歳児保育が全て無期限の休止(実質廃止)され、民間保育施設のみでの受け入れとなってしまいます。
公立保育園の0歳児保育は、本当になくなっても良い状況なのでしょうか?保育ニーズの面から考えてみます。


■待機児童の7割近くが公立保育園を第1希望に


草加市が公表している「令和3年度保育所等在籍児童数・保留(待機)児童数(令和3年8月1日時点)」をグラフにまとめました。
8月1日現在、認可保育所等の0歳児クラスに在園している人数は合計286人です。内訳は公立保育園が45人(15.7%)、私立保育園が128人(44.8%)、地域型保育が104人(36.4%)、認定こども園が9人(3.1%)です。
一方、認可保育所等の保留児童数(待機児童総数)は合計156人です。入園申請第1希望の内訳は、公立保育園が105人(67.3%)、私立保育園が40人(25.6%)、地域型保育が10人(6.4%)、認定こども園が1人(0.6%)です。
草加市では、田中和明前市長(2010年~2018年)が「子育てするなら草加市」を掲げ、公立保育園を守りながら民間認可保育園などの増設が進められました。その結果、グラフの通り多様な受け皿により0歳児保育が提供されています。もちろん解決できなかった課題もありましたが、園舎の耐震化を進めることで公立保育園を維持・存続する流れが方向付けられ、また公立と民間それぞれの良さを生かした保育サービスの提供が進められてきました。今回の0歳児保育休止は、こうした流れを180度転換する問題です。
そして、保留児童数(待機児童総数)が示しているように、待機となっているご家庭の7割近くが公立保育園の入園を希望しています。これほどのニーズを市民からすべて奪ってしまうものです。


■駅周辺の待機児童が多い


各施設ごとの0歳児保育の在籍園児数と保留児童数(待機児童総数)をまとめました。
保留児童数(待機児童総数)が多い施設は、1位さかえ保育園(公立)55人、2位草加松原どろんこ保育園(民間認可)12人、3位きたうら保育園(公立9人)、あさひ保育園(公立)9人と続きます。さかえ保育園と草加松原どろんこ保育園は獨協大学前<草加松原>駅から徒歩圏内の施設です。きたうら保育園は、獨協大学前<草加松原>駅と草加駅の中間に位置する施設です。あさひ保育園は新田駅西口から徒歩圏内の施設です。いずれも送り迎えの利便性が高い施設です。


■市民の声に沿った市政運営を
草加市の保育ニーズの主な特徴は…
・公立保育園のニーズが非常に高い
・保育ニーズは保護者の通勤ルートや生活圏と密接にかかわっている
・保育ニーズは地域差があり、それも住宅開発などにより目まぐるしく変化する
・東京のベッドタウンであり、都内等に勤務する共働き等の親が非常に多く0歳児保育のニーズは高い
・駅周辺などの立地は保育ニーズが高い一方で施設整備などが難しい(特に獨協駅西口など)
などです。

こうしたニーズを無視して0歳児保育を一度休止すれば、いずれ再開させようと思っても、その分他のクラス定員や施設間のやりくりとなってしまい、意図しない保護者間の衝突などに繋がってしまいます。そもそも、0歳児をなくしていい保育ニーズの状況にはありません。
また、0歳児保育を休止させる草加市の理由は、「既存の地域型保育の0歳児枠を最大限活用」して「保育士配置を改編」させることにあります。一時的に休止せざるを得ない理由があるのではなく、市の一方的な職員配置の方針転換です。保育士不足は、草加市が正規保育士の採用に消極的だったかつての市政運営の責任によるものです。保育ニーズを無視して小手先で解決できる問題ではありません。

結局、いつか再開が期待できるかのような「休止」という言葉を使っても、実質「廃止」です。草加市が今年度から「待機児童総数」を名前だけ「保留児童数」に変えたのと同じく、ただの言葉遊びです。
そして、市民の保育ニーズが奪われてしまいます。
まさに市民の声無き市政運営ではないでしょうか。



⇓佐藤のりかず公式ブログ関連記事
・【緊急要望】草加市が0歳児保育や公立保育園分園を休止させようとしています!!(2021年08月30日付)
・市民共同議員団ニュース2021年9月号-保育特集(2021年09月13日付)
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