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コロナ禍における草加市の予算編成と財政見通し

2020年10月15日 | 市政・議会・活動など
コロナ禍における草加市の今後の予算編成や財政見通しについて、9月議会で一般質問しました。その主な質問と答弁内容です。
なお、文書は佐藤が質問の要点をまとめたもので正式な議事録ではありません。

「Q」は佐藤の発言。「A」は執行部の答弁。


Q.新型コロナウイルス感染症の長期化により、今後の経済見通しは先行き不透明な状況にあります。今後の厳しい財政状況を踏まえれば、これまでの予算編成の組み立て方や、そのものを見直す作業と同時に、どんなに厳しい見通しでも、市民の命などに直結する重要な施策をどう守っていくのかの議論が重要となります。そこで、新型コロナの影響を踏まえた財政の現状と今後の対応についての市の考えを伺います。

A.現在、新型コロナの影響により人々の生活様式が一変するとともに、経済状況の悪化に伴う市税等の大幅な減収が見込まれるなど、本市の財政状況は極めて厳しく、これまでにない大きな危機であると認識しております。
今後は、市民の皆様の安全を守るとともに、新しい生活様式に対応した市民生活や市政運営の対応など、収束までの継続的な取組を行い、さらに、経済動向、感染状況を見極めた上で、新型コロナの影響から市民生活や地域経済を一日も早く回復するため、社会変化を的確に捉え、迅速かつ積極的な施策の立案、実施も必要と考えています。


Q.予算編成に当たっては、次年度の歳入見込みを立て、各部局からの歳出見込みを積み上げ、その歳入と歳出の概算フレームの差をどう埋めていくかの作業が毎年行われています。今後は、新型コロナの影響や不測の事態なども想定した予算編成を進めていかなければなりません。予算編成のスケジュールやプロセスを現状に合った形で組み直していく必要です。歳入歳出予算の概算フレーム作成時点における財源不足の状況も踏まえて、新型コロナの影響による予算編成のスケジュールやプロセスにおける変更点を伺います。

A.例年、当初予算編成におきましては、市税等財源の推計を行うとともに、各事務事業について前年度決算額など基礎となる数値を捕捉、精査を行い、歳入歳出予算の概算フレームを作成し、予算編成方針の策定後、本格的な編成作業を開始することとしております。
しかしながら、新型コロナがいまだ収束が見通せないという特殊な状況と併せまして、少子高齢化、労働力人口減少、社会保障費等の増大傾向なども勘案しますと、次年度の当初予算編成のみならず、予算の調整においては、当面の緊急対応に加え、将来の不測事態にも早期に備えることが重要と考えたところです。このことを受けまして、当面の緊急対応及び将来の不測事態に対応していくことを目的に、4月15日付け市長決裁により「緊急予算調整方針」(※)を策定し、財政情報やコスト意識を共有しつつ、全庁一丸となり取り組んでおります。
今後、令和3年度当初予算編成方針を作成しますが、内容は例年とは相違が出てくるものと考えております。
歳入歳出予算の概算フレームを作成する上で、本年は新型コロナウイルス感染症の影響により経済景気動向が流動的であることから、早期に市税等歳入の推計が困難であることに加え、歳出においても、経常経費では新たな生活様式に対応した事業形態の見直しが求められ、政策的経費では、新型コロナの影響から市民生活や地域経済を一日も早く回復するための一層の取組も必要となってまいります。
近年、歳入歳出予算の概算フレーム作成時点においては、政策的経費を考慮すると、一般財源ベースで約30億円程度の財源不足が生じています。さらに収支の差が開き財源不足の拡大が想定されますので、予算編成方針では的確に現状や課題を掲げるとともに、様々な財源確保の手法についても言及し、全庁的に危機意識を共有しながら予算編成を進めていかなければならないと考えております。


Q.今後の財政見通しと予算編成における重点について伺います。

A.現在、新庁舎建設事業や新田駅東西口の土地区画整理事業など、多額の経費を要する重要な大規模事業を推進しており、コロナ禍による一連の予算対応や経済状況の悪化に伴う市税等の減収などの新たなマイナス要因が加わることで、今後さらに厳しい財政状況が続く見通しです。
今まで以上に限られた財源を有効に活用していくことが求められることから、市単独事業については、必要性、効果性、効率性を踏まえ、真に必要な経費に絞り込むとともに、国庫・県支出金等を活用する事業についても、その補助金の対象経費、補助上限額での事業実施の可能性を検討します。
また、前例にとらわれず、歳入では、基金、国・県支出金等の積極的活用を図るとともに、歳出では、業務効率化の徹底などにより、必要とされる市民サービスの低下を招かないよう、考え得る手法を採用しながら財源確保に取り組みつつ、新型コロナの影響から市民生活や地域経済を一日も早く回復するための事業に対してはしっかりと重点を置きつつ、予算編成に取り組んでまいります。


Q.草加市は財政力がある一方、収支は厳しく、さらに身動きが取りにくくなってきている状況にあります。今後は、市立病院で毎年億単位、10億円超えるような法定外の財政出動まで生じかねないという状況にあります。
答弁でも、歳入と歳出の概算フレーム作成時点において、一般財源ベースで約30億円もの財源不足が出て、それをどう埋めるか各部局と調整する中で予算が組まれています。新型コロナによって、今後は30億円の財源不足がさらに広がることが考えられます。
そこで、草加市の身動きがどう取れるかについて「経常収支比率」の推移を伺います。経常収支比率の推移から、今後の見通しと、実際に政策的経費として使える額がどの程度あるのか伺います。


A.経常収支比率につきましては、平成29年度が91.6%、平成30年度が94.8%、令和元年度が96.5%と年々上昇しており、財政の硬直化が進みつつあります。今後も扶助費等の義務的経費の増加により引き続き増加していく見込みとなりますので、経常収支比率を含め各種財政指標を注視しつつ、経常経費の抑制を図っていく必要があるものと考えております。
また、政策的経費につきましては、新規事業や年度ごとの特殊な事情を反映していることから増減が生じることとなりますが、毎年度、一般財源ベースではおおむね30億円から40億円程度となっております。当初予算編成においては、歳入総額を基に経常経費や人件費などの固定的な経費である枠外経費や繰出金を差し引いた分が政策的経費として調整を行い、所要額を確保しているところです。


Q.草加市の市債残高について、平成16年度末に過去最高額の約1,425億円まで過去膨れ上がりましたが、その後、毎年削減の取組が進められてきた結果、令和元年度末には1,005億円まで削減されてきております。引き続き、将来負担の削減に努めていく大方針を変えてはいけないと思います。
一方で、コロナ禍における市内経済や市民の生命を守っていくためには、一定程度の地方債の活用を進めていくことも重要です。草加市は、借金削減を着実に進めてきた分、市債を発行する余力があると考えます。草加市だからこそ、今できる施策の一つだと思いますが、地方債が減少した状況を踏まえ、地方債を活用し事業を進めることについて市の考えを伺います。

 
A.地方債の借り入れに当たりましては、全市的視点に立ち、一般会計、特別会計を合わせまして後年度に過大な負担を残さないよう、プライマリーバランスに留意することが重要となります。
一方で、現状の金利水準によるメリットを勘案しますと、本市の重要かつ有効な財源の一つであると考えており、予算編成においては可能な限り必要とされる多くの事業を実施できるよう、世代間の公平性の観点や適債性に留意しつつ、地方債を財源として最大限見込んでいます。
令和2年度以降も新庁舎建設事業をはじめとする普通建設事業の進捗により起債残高が増加する見込みとなっておりますが、プライマリーバランスに留意しつつ起債を適切、有効に活用し、健全かつ持続的な財政運営の維持に努めてまいります。


Q.同時に、全国の自治体で財政状況見通しが厳しい中で、ほかの自治体と連携して国の補助金についても必要なものはきちんといただく、さらに厳しい状況下で補助金の支援策の拡充などを国に求めていく姿勢も非常に重要です。国に対して補助金や交付金、有利な地方債等の支援を求めていく考えについて、市の見解を伺います。
 
A.公共の福祉の増進を図るため、多様な行政分野において各種事業を実施するためには、多くの財源が必要となります。このため、求められる多くの施策を実施し市民サービスを提供していくためには、国庫補助金や有利な地方債について積極的かつ有効に活用し可能な限り一般財源を減らすことは、健全かつ持続的な財政運営のためには大変重要であるものと認識しております。
現在、国の施策により地方自治体が実施すべき事業において、補助金の交付決定額について国の予算の定める範囲とする運用も見受けられることから、本来補助対象事業でありながら交付されないという事態も生じており、今後、全国市長会などの動向を注視するとともに他自治体と連携し、あらゆる機会を捉え国に対し新規制度の導入、改善等について意見提出や要望を行ってまいりたいと考えております。



(※)緊急予算調整方針の具体的な内容
・緊急対応
感染拡大対策の強化に向けた増額補正予算措置として、国の新型コロナ緊急経済対策等への対応、地域経済対策をはじめとする市独自の対応策の実施、既定予算、事業の調整による減額補正予算措置として、事業の取りやめや延期に伴う見直しなど。
・将来の不測事態の備え
経済状況の悪化に伴う市税等減収見込みの精査、地方消費税交付金、地方交付税、減収減税補填債、臨時財政対策債等、各種財源動向の注視、コスト意識の徹底化による予算の執行管理、新規事業の採択基準の見直しを含む新たな予算編成手法の採用、予定事業の見直しなど。

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