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しまいびと

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成年後見人に同意権がないという意味

2018-01-08 | 後見
今回は、
エンディングノートを作ろうとしている一般の方へ向けた話ではなく、
介護や福祉の仕事をされている方に向けてお話ししますので、
少しややこしい話をしますが、ご了承くださいませ。

民法では、
【未成年者】及び、【成年被後見人】【被保佐人】【被補助人】を
「単独では完全な法律行為のできないもの」=『制限行為能力者』
として定めています。

つまり何らかの支援が必要な人です。

未成年者には、親や親戚などが、
成年被後見人には、成年後見人が、
被保佐人には、保佐人が、
被補助人には、補助人が、
それぞれその支援にあたるわけですが、

親や、保佐人、補助人には、
以前説明した、【同意権】【取消権】【代理権】が
与えられます。
(但し、保佐人、補助人は一定の限られた法律行為のみ)

一方、成年後見人には、
【取消権】と【代理権】は与えられますが、
【同意権】はありません。

【同意権】とは、
何らかの法律行為をしたい(例えば家を売りたい)、
という相談を事前に受けた場合に、
その内容に問題がなさそうであれば、
「それでいいですよ!」
と同意をするという権限です。

保護者の【同意】を得て行った契約は、
【取消】できません。

例えば、
・未成年の子が、親に承諾をもらってから買ったもの、や
・親に承諾をもらったと嘘をついて買ったもの、
については、返品ができないということになります。

その【同意権】が成年後見人にはないということは、
どういう意味か考えてみてください。

すなわち、成年被後見人には、
・成年後見人が同意をする、というような意思表示はほとんどできない。
・また意思表示ができたとしても、その法律行為を単独で行うことができない。
と想定されているからです。

成年後見制度は、申し立ての段階で、
その人が『成年後見』に該当するのか、
『保佐』なのか『補助』なのかを、
あらかじめ選択してから申し立てをします。

この段階で、
『成年後見』か『保佐』か、
を迷われる方がいらっしゃるのですが、
それは絶対にありえない話です。

『成年後見』と『保佐』では、全く状態が異なります。

また『保佐』と『補助』についても、
意味合いが大きく変わってきます。

『成年被後見人』と『被保佐人』には、
職業上の制限が多くみられます。

例えば、会社を経営している人が、被保佐人になれば、
「取締役」を続けることはできません。

例えば、我々介護業界では主となる仕事である
「介護福祉士」も、被保佐人は資格を取得することができません。

もし、今『保佐(補助)』で申し立てをしたとしても、
どうせすぐに認知症が進んでしまうのだからと、
『成年後見(保佐)』を選択して申し立てをされた場合、
それは、
ご本人へのとても不当な権利侵害になるということを、
強く意識しておきましょう。

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