情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「ツレうつ」の情熱

2012-04-30 23:15:15 | Weblog
世間はGW。
5月に入ったら、天幕の稽古も始まるし、忙しくなるんだろうなあと想像し。
そう考えると、ここはちょっと一息入れて休んでおきたい、とか思いつつ。

昨日はものすごく天気がよくて、絶好の洗濯日和だった。
毛布とか、こたつのカバーとか、今だ、とばかりに洗濯機に。
気持ちよく乾いたので、梱包して押入れに。
来シーズンまで、しばしのお別れ。

今日は、執筆の合間に、借りてきたDVDを相方と。
「ツレがうつになりまして」を。

旦那に向かっての「ツレ」という呼称がどうにもしっくりこなかったのだけれど。
内容は、すごく愛にあふれていて。
だいぶ、泣いてしまったなあ。
なんだかすごく、照れくさくなってしまったのだけれど、
去年見るのと、今年見るのでは、自分の中の感じ方が、だいぶ違ったんだろうなあ、
という感じがしたのだった。

寝癖の描写とか、亀が水中でもがく描写とか、
なんだか、意味を持たせすぎるというか、的確すぎるというか。
もう少し、薄味で大丈夫なのに、とか思ったりしたけれど。


そんな、ドーナツ食べながらの、のんびりとした午後。
それも、今日までかなあ。

「もう寝なければ、と思いつつ」の情熱

2012-04-28 03:58:35 | Weblog
粛々と、PC作業。
すっかり夜更かしの習慣がついてしまった。

なのに、朝は朝で目が覚める。
もっと寝たいなあと思うのに目が覚めてしまう。
目覚ましが鳴る前なのに、と思うこともしばしば。

中学生・高校生の頃は、いつまででも寝ていられたのに、どんどん眠れなくなっていく。
寝るのも体力要るんだなあと、しみじみ。


風太郎さんに撮っていただいた過去の公演の写真達。
いまさらながらに、HPにアップするために掘り起こして選ぶ。
ああ、こんなことやってたなあ、とか。

昨年夏の、四谷怪談。
このシーン、好きだったなあ。


「ガラスの向こうへ」の情熱

2012-04-24 03:32:00 | Weblog
三月から関わっていた空想が全日程終了。

今回は、宮沢賢治。
どうやら演劇界的に、「銀河鉄道の夜」モチーフの作品が流行っているみたいで、
今年に入ってから、結構見た気がする。

原作モノって、その作品が好きで世界観を使いたい、というところから出発することが圧倒的に多いので、わりと、盲目的になってしまうことがよくある。
元々原作を好きな人には受け入れられるけど、さほど知らない人にとっては、どこまでが原文で、とこからがオリジナルかすらわからなくなってしまう。

けれど、毎回思うことだけれど、ほさか氏はそういう原典への愛情を感じさせない。多分、それを封じて、ドライに原典を枠組としてだけ使用する。
だから、見ている側に疎外感を与えることがないのだ。

今回は、星空を旅して、海の底に潜る物語。
多くの場合の演劇は、いかにして想像の世界を具現化するかに尽力する。
けれど、ほさか氏のそれは本物の夜空や深海ではなくて、プラネタリウムであり、水族館なのだ。
ガラス一枚隔てた向こう側の、作り物であり、結局のところ、それはとても遠い。
代わりに、体感するのはガラスのこちら側であり、つまりは、現実だ。
だからこそ、重くのしかかってくる。

作品作りに関わるのも三回目。
関わるたびに、「自分がやりたいこと」がクリアになっていくというか。
ファンタジーという冠はありつつ、ほさか氏が描くのは何処までも現実。
僕は、逆に、舞台上から現実を消したいと思っている。
ガラスの向こう側に、深海に、本当に潜っていきたいと思うのだ。

素敵な作品に関われて、今回も楽しかった。
さて、夏に向けて、準備準備。


キャストのとかげちゃんにもらった、プレゼント。
手作りの、ボタン。
離れている二つを繋ぎとめるモノ。
つまりこれが、「関係」そのものなのかもしれない。
まさに、作品のテーマではないか。
舞台に立つことを心から楽しんでいる感じがして、ホント、いい子だなあと思った。

「銀河鉄道の思い出」の情熱

2012-04-21 12:47:50 | Weblog
個人的な思い入れのある特別な本っていくつかあるけれど、「銀河鉄道の夜」もそのひとつ。
決まって思い出すのは、おじいちゃんの顔だ。

幼い頃、毎年夏休みになると、新幹線に乗って、京都に住むおじいちゃんの家に行くのが恒例だった。
四つ上の、まだ小学校に上がったばかりの兄と二人、新幹線に乗って京都に向かった。子供二人だけの電車旅は、とにかくとてつもなく不安で、京都駅のホームに祖父母の姿を見つけた時の泣き出したいくらいの安堵感は、いまでも覚えている。

京都で過ごす夏休みの間は、引き伸ばされたみたいにゆったりとした時間が流れていた。
僕と兄は、朝から晩まで遊び、そしてよく眠った。

ある日、おじいちゃんが僕らを映画に連れて行ってくれた。
「銀河鉄道の夜」というアニメ映画だった。
薄暗い画面の中で、目だけが明るく光る猫がたくさん出てくる。静かに、列車の走行音だけが響くその映画は、幼い僕にはなんだかすごく怖い感じがしたことを覚えている。
見終わったあと、すごくふわふわして、足元がおぼつかない感じで、おじいちゃんに手を引かれて帰路についた。

その晩、僕は熱を出した。
なんのことはない、ふわふわしたのは、熱があったからだ。
おじいちゃんは、僕を自転車の荷台に乗せ、救急病院に連れて行ってくれた。

翌日には熱も下がり、東京に帰る日が来て、そして、夏休みも終わった。
その旅は終わり、僕は日常に戻った。

「銀河鉄道の夜」を読む度に、亡くなったおじいちゃんの顔が思い浮かぶ。
死者との旅、は僕にとって、大好きだったおじいちゃんとの旅なんだと思う。

宮沢賢治は、やっぱり特別な作家で、学生時代に「銀河鉄道」を題材に一本書いたし、前の劇団でも上演した。「グスコーブドリの伝記」もやった。
また、いつか再演したいなあ、とか思ったり。

「銀河鉄道の夜」の芝居に関わる時は、いつも、特別な気持ちになるのだ。

Amazon.co.jpでチェック: 銀河鉄道の夜 [DVD] http://amazon.co.jp/dp/B00005YWD5



「桜探訪」の情熱

2012-04-08 23:12:09 | Weblog
もう本番直前。

今日は稽古開始がちょっと遅くなったので、
この機を逃すまいと、桜探訪に出掛けることに。

お弁当作って、出発。
折角近所に引っ越したのだから、と、砧公園を目指して。

ぽかぽかと暖かな陽気。
行く道々にも桜の木が至る所に。
よく考えたら、歩いている場所は「世田谷区桜」だったり「世田谷区桜丘」だったり。
日本人は、やっぱり桜が好きで、この春の一瞬に愛でるために、
いっぱいいっぱい植えるんだなあと思ったのです。

辿りついた砧公園は、ものすごい人手。
まあ、行く道々で桜は結構発見したので、
むしろ、それを愛でに来ている人たちの賑わいを味わいに来た感じ。
広場にぎゅうぎゅうの景色は、なんだか圧巻でございました。



それにしても、お散歩にはとても適した陽気になってきた。
春だなあ。


あ、桜だけぢゃなく。
道端に、土筆も見つけました。

「Schwarzenegger」の情熱

2012-04-05 00:48:09 | Weblog
日本語を扱うこと、にとても気を遣う。

同じ意味の二つの単語でも、より伝わる方、だったりとか、
より耳障りのいい方、だったりとか。
美しい日本語、で言葉を紡ぎたいと常々思っている。

その昔、某有名な俳優の主宰する劇団が海外公演を行うという内容の
テレビのインタビューを見た。
日本語で上演された作品を、英語に翻訳して、日本人のキャストで英語を練習して、
海外に持ち出そうというドキュメントだった。
英語上演する理由を問われたその俳優は、
「英語ってかっこいいぢゃないですか」と真顔で言っていた。

なんだそれは、と思った記憶がある。


J-POPでも、その傾向はかなりあると思う。
英語至上主義というか。日本語より英語、かっこいい、みたいな。
英単語のタイトルってすごく多いし。
サビになったら急に英語詞になったりとか。
そういうのを聞くと、どうにも残念に思ってしまうのだ。

アンジェラ・アキが、ちょっと前に出していたアルバムで、
Smashing Pumpkinsの「Today」をカバーしていた。
英語詞を日本語訳して、ピアノ弾き語りで、CDの視聴機で聞きながら、
結構いいなあ、と思っていた。
日本語にすると素敵ぢゃないか、と思って買いかけたのだけれど、
サビに入った途端、「Today is the greatest~」と歌い始めた。
そこはまんまか!と思わず突っ込みを入れてしまった。
途端にダサい感じに思えてしまったのだ。
その、サビこそ、素敵な日本語に置き換えるべきだったのではないのか。
なんとも残念な限りだ。

Angela Aki - Today / アンジェラ・アキ Today



んで。
それと全く逆のバンドが居て。
[Champagne]というのだけれど。
かなり流暢な英語詞で歌が始まるのだけれど、サビは日本語のことが多い。
英語かと思って聞いていたら急に日本語が飛び込んでくるので、
なんとなく耳に残るのだ。
日本語⇒英語パターンと間逆。かっこいいなあと思うのだ。
彼らのニューアルバムが、出たのです。
僕のipodは、しばらくこれ。

[Champagne]- 言え (MV)

「春の嵐がもたらしたのは」の情熱

2012-04-03 23:12:57 | Weblog
台風とか大雪とか、
外に居る時はなんとも困りものだけれど。
家の中からだと、なんか非常事態の感覚に思わず浮き足立ってしまう。
風、強すぎて家が揺れてるような気がするけれども。

ということで、帰れなくなったら困るので、稽古が早めにバラシになりまして。
夕方に帰宅。
春の嵐がもたらしたのは、のんびりとした、時間。

晩御飯はこんな感じに。


端っこに写ってる、塩麹豆腐。
水抜きした豆腐に塩麹まぶして、ラップで冷蔵庫に2晩くらい寝かせておくだけ。
よく味がしみて、美味しいのです。

夕食後は、PCの前で粛々と作業。
台本を少しづつ進めていくのでした。
ホント、少しづつ。

スタッフに入ってる現場もあと二週間弱で本番。
今日から固定稽古場で、がっつりお稽古。
やらねばならないことはたくさん。
同時進行で、じっくり進めていかねば。


壁にとりあえず貼ってある、見たい芝居のチラシ群。
きっと全部は無理だろうけど、平成中村座の法界坊は、なんとかして見たいなあ。



「いつの間にやら、春」の情熱

2012-04-01 23:15:49 | Weblog
なんとも間が空いてしまった。
とりあえず、元気ではあるのです。

徒然に文章は綴っているのだけれど、書いたものって、なんというか賞味期限があるような気がして。
後でPC立ち上げた時にアップしよう、と思って携帯に保存してると、後から見返したら、なんだか食べて大丈夫かな、みたいな臭いを放ってたりして。

昨年末の天幕の公演が終わってから、色んなことをぐるぐる考えていて。
でも、答えなんか出ないし、立ち止まったらそれまでだし、とか、結局思ったわけで。

今年は、天幕が二本と外部で一本。
全部新作をやるのです。
全部同時進行で脚本書いていたりして、わちゃわちゃしております。

スタッフで入ってる芝居も、後二週間。
あっという間の四月なのです。

天気もいいし、あったかいし、桜もほころび始めており。
新年度、気合いを入れ直そう。

とりあえず、元気です。


母が、桜餅をくれました。
熨斗紙も自作。
なんだか、春を感じたのでした。