情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「パラレル」の情熱

2020-05-15 19:49:50 | つれづれに
2020年の5月15日。金曜日。
開け放した窓からは心地よい風が入って来る。
いい天気な一日だった。
日中は、近所の公園で遊ぶ子供達の声も聞こえていた。

我ら天幕旅団、久しぶりの本公演が初日を迎えるはずだった。
「天幕旅団の遊園地」という作品で、初演は3年前。
満を持して今回再び、と思っていたのだが、再演は成らなかった。

3月の末には、メンバーと演出助手とで集まって、チラシ作成のためのビジュアル撮影をした。その段階ではまだ、上演を行うことに一縷の望みを持っていたのだ。台本も配って、4月から始まる稽古日程も共有して、駅で手を振ってそれぞれの帰路についた。下北沢だった。

この数か月で、ぐるん、と色んな事がひっくり返った。
驚くのは、状況の変化というよりは、その変化に慣れてしまっている自分だという気がする。
始めのうちは慌てて、狼狽えたりするのだけれど、徐々に、繰り返せばそれは日常になっていく。
今年の、外でまだマフラー巻いてたような時期は、「こんなことあるんだねぇ」「びっくりするねぇ」というのが口癖になっていたのだが、最近は全く言わなくなった。

なんというか、
今日、初日の幕を開けている世界と、
いまこうしてステイホームでキーボードを叩いている世界と、
パラレルワールドのような感じがする。
どこからか分岐して、別の現実が進んでいるような。

なんだか取り留めもないのだけれど、
この感じを書き留めておいた方がいいような気がして筆を執った。
(全くの比喩表現だ。PCの電源を入れた、が正しい。)

あと、普段からやはり、なにかしら文章を書いているべきだな、
と最近思ったりしたので、ながらくほったらかしていたここに綴っている。

そんなわけで、元気です。
簡易ですが、ぬか床、はじめました。
おいしい。

「回顧・2015」の情熱

2015-12-31 23:27:21 | つれづれに


気がついたら、大晦日。
毎年思うけど、今年もホント、あっと言う間でした。
特に下半期はバタバタしてたこともあり、なんだか秋口から一気にタイムスリップしたかのような。

今年を、思い出してみる。
終わったそばからどんどん興味を失っていってしまう性分なので、
忘れっぽい自分のための備忘録。


今年の春は、ドラマCDの収録から。
オフィス櫻華 Soundscape Vol.1 『大空の恋人へ Farewell my SKYGIRL』に参加しました。
声だけの芝居なんてやったことなかったので、色々と試行錯誤した気がします。
声に全てを乗せることのなんと難しいことか。いつも如何に仕草や表情に頼って演技しているかと思い知りました。

普段はお客さんの前で何ステージか本番をやるために稽古をするわけで。
本番終わったらもう、跡形もなく消えるものを作っているわけで。
でも、ドラマCDは収録に向けて稽古をして、んで、そこで録音したものはずっと残り続けることになる。
録音したテイクにOKが出たらもうそれがCDになってしまうのです。
その、消えていかないことの怖さというか。

改めて演劇というものの儚さと魅力に気づいた、いい経験でした。


★7月 天幕旅団「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」(再演)★

天幕旅団の2015年夏興行は、紅い雪の再演。
初演が2012年でしたから、あまり時間が経っていないうちでの再演。
メンバーが今の4人になって初めて作った作品。SPACE雑遊で初めて作った作品でもあり、今の僕たちの方向性を決めた、思い出深い芝居でした。

この作品を、初演のままの演出でもう一度作るモノクロ版と、演出を全く変えて新しく作り直すカラフル版、キャストは同じで台本も同じ、演出の違う2つの芝居を交互上演するという企画でした。

モノクロ版は、3年前のものをより深く掘り下げていった感じ。カラフル版の方は、3年前に掘った穴を一度全部埋めて、違う穴を掘ってみた感じ。

自分が書いた作品でありながら、時間が経って改めて読んでみたら発見がホントにたくさんあって。
同じ作品を作り直すことの意義を、すごく感じました。

再演にあたって改めて稽古したというよりは、初演から3年間かけて稽古してきた、という感じ。
役者たちも、出来るようになったこととまだ苦手なことと、色んな収穫があった公演でした。

あと、珍しくおまけイベントをやりました。
15分くらいの小さな作品を作ったのですが、これはホントに楽しかった。
幻のように跡形もなく消えていく奇跡のような時間。こういう瞬間を作りたくて、僕らは演劇をやっているんだなぁと、実感したのでした。


★10月 S4U「バイク屋タケちゃん~だって俺らの青春じゃん~」★

昨年に引き続き、S4Uに参加しました。
ここの公演に出ると、演劇というのは祝祭なのだなぁ、と実感します。
年に一度のお祭りです。
お客さんも、観に来る、というより、参加しに来る、みたいな感じ。
素敵な雰囲気の客席にいつも嬉しくなるのです。

けれど、創作の段階はとてもシビア。
笑い、というモノの難しさを実感する現場です。
ああでもないこうでもない、と試行錯誤しながら、みんなで頭を捻りながら作っていく稽古場。

出来上がった作品は、笑えて泣けて、みんなに愛される素敵な芝居でした。
役柄的に、ずっと舞台上に居る役だったので、みんなの演技を間近で見る事が出来て、楽しい作品でした。


★12月 天幕旅団「夢去りて、僕らはハーメルンの白夜に踊る」★

そして、冬興行。
久しぶりの新作は、とても難産でした。
ハーメルンの笛吹き、という、謎の多いモチーフを選んでしまったからか、脚本が遅々として進まずに、とても苦労した作品でした。

街から姿を消した子供たちと、ひとりだけ街に残された子供。
みんなが踊りながら街を出て行く姿を、見送るしかなかった子供の物語。
そんなイメージはあったのですが、それを具体的な物語に立ち上げていくのに悩んでしまい、何度も何度もプロットを書き直しました。

出来上がった作品は、とても不思議な手触りがして。
まだ終わってあまり時間が経っていないので、冷静に考えるにはもう少し時間がかかりそうではあるのですが。
今後なにをしていくか、どんな作品を作っていくのか。自らを見つめ直す種になるような気がしています。

対面客席の真ん中に置いた交差する2つのスチールデッキ。装置はとても面白く遊べる素敵な舞台でした。靴だけで小道具を全て処理する演出も、色んな場面が作れて楽しかったです。

ハーメルンの笛吹きのモチーフは、まだ、手を伸ばした先に何か潜んでいるような気がしてなりません。
またいつか、パラレルな作品として、改めて書く事が出来たらなぁと思っております。


そんなわけで、天幕2本、客演1本、その他1本、の2015年でした。

今年後半から、縁あって大好きなSPACE雑遊で、スタッフとして働かせて頂ける事になりまして。
自分の作品を作る時以外も、色んな劇団をお迎えする側としてお仕事しております。
改めて、素敵な空間だなぁと、思っているのです。


来年は、天幕旅団で春・夏・冬、3本やる予定です。
まずは3月。
雑遊の2階に新しくオープンしたSPACE梟門のオープニング企画に天幕旅団も参加させて頂ける事になりました。
演目は、「マッチ売りの少女」。
別役実さんの、名作戯曲です。
天幕旅団としては初めて、僕が書いたものではない作品を上演するのです。
いつもとちょっと違う天幕旅団、
でも、これぞ天幕旅団、
と思って頂けるような作品にしたいと思っております。

本年も、天幕旅団をご愛顧頂きありがとうございました。
来年も、どうぞよろしくお願い致します。

それでは、良いお年を。

「夢去りてのち」の情熱

2015-12-26 20:52:59 | つれづれに


気がつけば年の瀬。
クリスマスも終わって、2015年もあと僅かです。

ずいぶんとご無沙汰しております。
本来はここにこまめに近況を綴ったりして、
公演の宣伝もすればよいのでしょうが、中々上手いこといきません。
天幕旅団2015冬興行、終了いたしました。
ご来場下さったお客様、来れなかったけど気にかけて下さった方、
関わってくれたスタッフの皆様、ありがとうございました。

秋口からずっと、遠くハーメルンの街に思いを馳せておりました。
なんだか、現実感がなくなるぐらいにずっと。
公演が終わっても、戻ってきた実感がまだありません。

「らしさ」についてすごく考えた公演でした。
「天幕旅団らしさ」「僕らしさ」みたいなこと。
ぐるぐるとそんなことを考え続けて、作品を作っていました。

掴みたい何かに向かって、必死に手を伸ばす。
けれどそれはとても遠くて、儚くて。
伸ばした手の先にあるモノを、ちゃんと掴めていればよかったのですが、
それはとんでもなく遠くにあって。
必死に手を伸ばしたけれど、触れることすらできなくて。
物語の中の状況とリンクするように、
そんな、反省ばかりの公演でした。

でも、手を伸ばし続けることが、
僕が作品を作る意味なのだと思うのです。
だから、これからも、そうすると思うのです。


pillowsという大好きなバンドがあるのですが、
『New Animal』という曲の中にこんな歌詞があります。

「触れたらなくなりそうな夢を見て、それでも手を伸ばし続けてる」

この曲に、ずいぶんと励まされました。
奇しくも、この曲が収録されているアルバムが、「PIDE PIPER」。
妙な縁だなあと思うのです。


さて、天幕旅団次回は来年3月。
雑遊の2Fに新しくオープンしたSPACE 梟門という小屋で公演を打たせて頂けることになりました。
番外興行と銘打ちまして、別役実さんの「マッチ売りの少女」を上演します。
天幕旅団としては初めて、僕が書いたものではない戯曲。
どんな化学反応が起きるのか?今からわくわくしております。
どうぞ、ご期待下さいませ。

天幕旅団番外興行
「マッチ売りの少女」
脚本:別役実 演出:渡辺望
出演:加藤晃子 佐々木豊 渡辺実希 渡辺望

2016/3/9(水)~13(日) at:SPACE 梟門
3/9(水)19:30
3/10(木)15:00/19:30
3/11(金)19:30
3/12(土)15:00/19:00
3/13(日)15:00

前売2700円/当日3000円
高校生以下1500円(要学生証)/平日昼割2500円(前売・当日共)

2016/1/16(土)10:00~ チケット発売開始!
https://ticket.corich.jp/apply/70304/002

「思い出したように」の情熱

2015-04-20 00:12:17 | つれづれに


ええと、元気に過ごしております。

思い出したように更新。
近況など綴りつつ。

夏の天幕の準備を少しづつ少しづつ、進めております。
今夏は、再演です。
3年前に上演した、「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」をもう一度。
こんなに短いスパンで再演するのは初めての事。
なんでか、と言えば、理由はかなりシンプル。
とにかくもう一度やっておきたかった、のです。

稽古はもう、ちょっとづつ始めています。
一度やった作品のはずなのですが、まあ、やればやるほど発見がある。
噛めば噛むほど味が出てきます。
夏までには、ものすごい旨みになっていることでしょう。

諸々の詳しいことは5月頭にリリース予定。
どうぞ、宜しくお願いいたします。


個人の活動としては、年明けから少し作品作りに参加していました。
これはもうすぐ情報出るのでしょうか。
詳しいことはわからないのですが、そのうち。


今年は前半ゆるゆるとしている分、後半が怒涛のようになりそうな感じ。
なので今、時間があるうちに色々やっておこうと思いつつ。
映画をたくさん見漁ってたりします。
こんなに映画館やTSUTAYAに足繁く通うのは、おそらく高校生以来かと。
見逃してる面白い映画、いっぱいあるんですね。
いやはや。

「年頭のご挨拶」の情熱

2015-01-01 07:33:01 | つれづれに


あけました2015。

昨年中は、格別のお引き立てを賜り、ありがとうございました。
本年は、より一層精進し、芸に磨きをかけて参る所存でございます。
どうぞ、天幕旅団を末永くご贔屓くださいますよう、お願い申し上げます。

と、堅苦しくご挨拶しつつ。


静かな、朝です。
この静けさが、新年らしさという気がいたします。
さて。

2015年の天幕旅団は、また夏と冬。
毎度お世話になっているspace雑遊さんでの公演が決まっています。

<夏> 7/9(木)~13(月) @space雑遊
<冬>12/18(金)~21(月) @space雑遊


まずは、夏。
2010年の暮れに旗揚げした天幕旅団。
今年で5歳になります。
年2回のペースで公演を打ってきて、次回がちょうど10回め。
なんか、色々キリがいい。

そんなわけで、節目っぽさの夏興行。
旗揚げ5周年、10回め記念興行、と銘打ちまして、

「僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪」

を再演いたします。

2年前に初演した作品でして、まだあんまり時間が経っていないのですが、なんだか、新鮮なうちにもう一度まな板の上に載せておきたいなあ、と思う作品だったので、このタイミングでの再演を決めました。

題材は、白雪姫。
メンバー4人だけで綴る、サスペンスファンタジーです。

んで、今回は、2バージョンやります。
どちらも、台本・キャストは同じなのですが、演出が違います。
初演と同じ演出で贈るオリジナル版、
今回新たな演出で作るリニューアル版。
2つを交互上演いたします。
初演を見た人も見てない人も楽しめるように。
また、見比べたりして頂くと、もっと楽しいのではないでしょうか。
僕たちの、今と、これからと、がわかるようなそういう公演にしたいと思っています。

冬は、新作を書く予定。
こちらもどうぞ、お楽しみに。


僕自身としては、また外部への客演もしていきたいなあと思っております。
個人ユニットのヘッジホッグマジックサーカスも、ゆるゆると。

個人的な目標は、
恥ずかしがらずに色々やる。

なんのことやら、と思うでしょうが、ホント、なんのことやら。
でも、心がけていきます。

2015年も、よろしくお願い申し上げます。

「回顧・2014」の情熱

2014-12-31 14:52:07 | つれづれに


書こうかなと気が向いたら書こう、と思ってるとホントに書かない。
ええと、元気です。
先日の「夜よ、水際に揺らぐノートルダムの夜よ」無事終わりました。
なんだか今更です。


そんなわけで、大晦日。

今年は冬の公演の時期が早かったので、
12月をじっくり過ごしたような気がします。
年の瀬へと徐々に加速していく街並みをぼんやりと見ながら、
なんだか色々と考え事をして。

先の事については頭の中でぐるぐる考えてみたりしたので、
一年の終わりにあたって、ここでは今年の事を思い出しておこうと思います。
終わったことには急に興味がなくなってしまう性分なもので、
台本もチラシも、千秋楽を迎えたらすぐに捨ててしまう。
ホントに、終わったそばから忘れていってしまうので、
こういうところに記録しておかないといつか思い出せなくなってしまうのでは。
とか、そんなことを考えながら、回顧・2014。
忘れっぽい自分のための、備忘録。


★3月 THE TRICKTOPS『東 京〈reprise〉』★ 出演

一本目は客演から。
2014年始まってすぐぐらいで顔合わせがあって、そこから丸二ヶ月とちょっと、
この公演はずいぶん長いこと稽古していたなという印象があります。
本番近くなってもきちんとオフの日があったので、
実際の日数的はそこまで稽古回数が多いわけではなかったし、
自分のとこの芝居はもっと長い期間で作ることもあるのですが、
この作品はなんか、とにかく長かった印象。

昨年にsmokersで共演したご縁で誘って頂き、若いカンパニーに参加しました。
年下の演出家と作品作りをするのはあまりなかったので、新鮮でした。
そもそも、年下が多い稽古場では居方というか、ポジションをどうとるか、
なんかこっそり色々考えていたような気がします。

「マグノリア」とか「ラブ・アクチュアリー」とか、
群像劇というか、所謂グランドホテル形式の映画が大好きなので、
演劇でそういう作品に関われるというのは嬉しかったです。

駅を舞台にした芝居だったのですが、
ホームで電車をずっと待っているというシーンがあって、
それが結構長かったので、集中力を切らさないように、と、
客席を端から端まで観察していました。
お客さんはこういう時にこういう反応をするのか、とか、
じっくり見れて、すごく勉強になりました。


★5月 Hedgehog Magic Circus『凍てつく森のカノン』★ 脚本・演出

結構、急に決まった企画でした。
前々から、加藤晃子ひとり芝居をやりたい、とはずっと思っていたのですが、
スケジュール的なものとか色々考えていたら、
「今ぢゃないの?」みたいな話に急遽決まって。
んで、急いで場所を押さえて。
立ち上げから本番まで、一ヶ月ちょっとだったのではないでしょうか。

久しぶりのヘッジホッグマジックサーカス。
実に、5年ぶりに復活した僕の個人レーベル。
今回は、加藤晃子ひとり芝居。

歌を歌う芝居が作りたいなとずっと思っていたのです。
んで、作品の内容とかは一切考えずに、
劇中で歌ってもらうならこの曲がいいな、みたいな候補曲だけいくつかあって。
その中で、戸川純さんの「蛹化の女」という曲を、
前々からいつか劇中で使いたいと思っていたのです。
有名な、パッヘルベルのカノンに歌詞を載せて歌う、素敵な曲なのです。

お借りした、アンティークスタジオみのるという場所は、
ウチの近所にある喫茶店なのですが、
中に入ってみたらまあ、ホントに素敵な空間なのです。
少し軋む階段を上っていくと、洋館の一室、みたいな場所が広がっています。
世俗から切り離された場所というか、異世界というか、
空間がすごく雰囲気を持っていて。
この場所にはどんな作品、どんな音楽が合うだろう、と考えて、
やっぱりクラシック曲だろうと思ったのです。

だったら、「蛹化の女」だろうな、と。
空間と、音楽と、二つが結びついて、
『凍てつく森のカノン』という作品が立ち上がっていきました。

古い洋館にずっと住んでいるひとりの女。
加藤晃子には、子供から老人まで、
長い時間をぎゅっと60分で演じてもらいました。
ひとりきりでその間ずっと舞台上に存在し続ける彼女の姿、
喋り、歌い、笑い、泣き、演じ続ける集中力は、流石だなと思いました。
彼女の目線の先にいつも居る父親の存在。
人生の節目節目で、その父親を想って歌う、「蛹化の女」。
不思議な手触りのする、愛おしい作品でした。

客席数も少ないし、1日のみ、2回だけの公演でしたし、
記録映像も撮っていないし。
ホント僅かな人しか目撃できていない幻の公演でした。
まさに、見た人の心の中にだけ刻まれる、
幻の曲馬団、ヘッジホッグマジックサーカス。
次はいつあるのでしょうか。いずれ、また。


★7月 天幕旅団『Heavens~夜と夜と音楽~』★ 脚本・演出・出演

天幕旅団の夏興行は、「Heavens」。
笑劇ヤマト魂で2003年に初演、2009年に再演、初演から10年以上、
今回は、3演目でした。

再演をする作品には、その瞬間で再演をする意味があって。
この「Heavens」という作品に関しては、
再演を重ねるべき作品だなあとなんとなく思っておりまして。
んで、天幕旅団バージョンとして再演をするんだったら、
何ができるだろうかと考えました。

一番最初にこれを書いた時には、
ロードムービーみたいな芝居がやりたいと思っていたのです。
「トゥルーロマンス」とか、すごく好きで。
長い道のりを旅をしていく話、
道中、色んなところで色んな人が現れては去っていく、みたいな。
場面がどんどん変わっていって、
役者達が入れ代り立ち代り、何役も演じていく、そんな芝居。
初演の時は8人、再演の時は10人で上演したこの作品を、
今度はメンバー4人だけでやってみようと。
加藤が4役、実希が4役、豊が6役、んで僕は7役。
どうしたら混乱せずに見てもらえるか、知恵を絞りました。
実希デザインの小さな人形達を使って、
くるくると場面が変わっていく、
ロードムービーならぬロードシアターを作りました。

そして、もうひとつ挑戦が、舞台の形。
近年の天幕旅団は、多面舞台をずっとやり続けておりまして、
これはまあ、色々と理由はあるのですが、
なんというか、客席と舞台の境目を曖昧にしたいという思いがあって。
んで、この「Heavens」再々演では、いままでずっとやってみたかった、
プロレスのリングみたいな、完全四方囲みの舞台を作りました。
どっちを向いてもお客さんが居るし、
お客さんのすぐ近くまで降りていって芝居をするし。
客席の反応をダイレクトに受け取れて、すごく楽しかったです。

この「Heavens」という作品は、
自分の中でもやっぱりちょっと特別な思いがあって。
上演するたびに、物語の中に色んな発見があるし、
演出としても、アイデアというか手法というか、
こういうこともできる、という発明が出てくる。
毎回ハードルを課してくるみたいな、不思議な作品です。
また、数年後に再演をしたいなと思うのです。
きっとその時には、全然別の演出になっているような気がします。


★10月 Performance Unit S4U『葬儀屋クミちゃん ~楽しいこの世の別れ方~』★ 出演

ヤマト魂の時代からお世話になっている、舞台監督:吉田さんのユニット。
その記念すべき旗揚げ公演に参加させて頂きました。

僕が演劇を見始めた頃、高校生の頃なのでもう、相当前ですけれど。
思い返せばその頃は、劇場に「笑いに」行っていたような気がするのです。
そういう劇団を好んで見に行っていたんだと思うのですが。
面白い=笑える、というような。とにかく、よく笑っていました。

んで、このS4Uの作品は、すごく懐かしい肌触りがして。
とにかく、面白いことを詰め込んでいくようなお芝居。
稽古中にずっと言っていたのですが、「チャンピオン祭り」みたいな、
面白いヤツが勝ち、という現場だった気がするのです。

とはいえ、近年の僕も天幕旅団も、
笑い、というモノからちょっと距離をとっていて。
苦手意識とまでは言わないのですが、笑いはとにかく難しい、と思っているのです。

そんなわけで、結構ドキドキしながら稽古していたような気がします。
とにかく台本の隙間を見つけて、そこを膨らましていく作業。
役者の自由にやらせてくれる分、責任は自分にあるわけだし、
ずーっと、大丈夫かなあ、と思いながらやっていました。

あ、そうだ、久々にダンスとかあって、それも緊張しました。
もう随分、踊りなんていうのもやっていなかったので。

なんだか、祭りみたいな、楽しい公演でした。


★12月 天幕旅団『夜よ、水際に揺らぐノートルダムの夜よ』 脚本・演出・出演

んで、冬興行は、新作。
ヴィクトル・ユーゴー「ノートルダム・ド・パリ」の本歌取りでした。

去年の冬にピノキオをやって、実希にセンターを任せたので、
今度は豊をセンターに据えて一本やろうと思っていました。
で、どんな作品があいつに合うか、と考えていて出てきたのがこの企画。
カジモド、という醜い鐘撞きの役でした。

原作の「ノートルダム・ド・パリ」は、
ディズニー映画の「ノートルダムの鐘」で有名ですが、
映画と原作は、かなり違います。
原作はホント、かなり暗くてドロドロとしていて。
登場人物もたくさん出てきて、長い物語なのですが、
隅の隅まで何度も読み返してみて、取り出して来た核は、
カジモドとエスメラルダ、どこにも居場所のない二人の、純愛の物語でした。
思えば、「純愛」なんてちゃんと銘打ってラブストーリーを書いたことなくて。
そういうの、どうしても照れてしまって、今までやってこなかったのですが、
一回ちゃんと向き合ってみようと思ったのです。

最近、公演を打たせてもらっているSPACE雑遊には、地下の部屋があって、
その機構を使った作品を作りたいなあ、とずっと思っていました。
今回、ノートルダム大聖堂を舞台にするならば、
長い階段を上に上に上ってくる必要がある、と。
それならば、地下から続く切り穴を使って、
大聖堂の上に上ってきたという雰囲気が作れるのではないか、と。
そういうわけで、舞台上に穴が二つもあいている、不思議な舞台装置になりました。
その周りで、喋ったり走り回ったりしていたのですから、結構危ない。
常に緊張感のある芝居でした。

久しぶりに客演さんを招いて6人芝居。
天幕旅団では3回目の出演、牧野ななわりさんと、
WSからの初参加、小田本亜莉紗嬢。
年齢も上手いことバラけていて、バランスのいい座組みだった気がします。

豊の演じるカジモドは、耳が聞こえないし喋れない、という役。
どう他者とコミニケーションをとるんだ、と頭を悩ませました。
でも、豊のピュアな部分というか、正直なところが舞台上にちゃんと載って、
当たり役だったなあと思うのです。

実希のエスメラルダは、ジプシーの娘。
優しさと、強さと、きちんと持っている女性。
強さ、という部分を表現できるようになってきたので、
成長したなあと思うのです。
あ、あと、歌も歌ってもらいました。
劇中で歌う、「ラストダンスは私に」。耳に残る歌でした。
歌は、今後も入れたいなあ。

さぶろうのヒューゴは、石像。
オープニングからラストまで、穴の中でじっと動かない。
天幕芝居では今までそんなキャラクターなかったので、すごく新鮮でした。
不安定な脚立の上にずっと立ってるので、体力的にはすごくキツい。
けどそれが、お客さんから見えないので、辛そうには見えないのでした。
しめるところをしっかりしめてくれるというか。
物語をきちんと支えてくれる、流石だなあと思ったのでした。

今までは、どれだけ詰め込めるか、どれだけ過剰にするか、
をずっと考えて芝居を作っていた気がするのですが、
近年は、どれだけ削ぎ落とせるか、どれだけシンプルにできるか、
を考えて作品を作っています。
物語を客席に渡すこと、それが大命題であって、
そのために何をするか、余計なモノと必要なモノを選別する作業。
そういう演出、そういう稽古をしているのです。
この、「ノートルダム」は、ある種その作り方の、
ひとつの形だという気がしています。

台本がとても遅れて周りにたくさん迷惑をかけましたが、
出来上がったモノはとても心地よい肌触りの、
素敵な作品だったような気がしました。



というわけで、2014年。
新作を2本、再演が1本、客演で2本、やりました。

来年は、天幕が7月と12月。
それ以外でも、春ごろに1本やりたいなあ、と考えていたりします。
そして、役者として客演もしていけたらなあと思っております。

本年も、天幕旅団をご贔屓頂きましてありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

「回顧・2013」の情熱

2013-12-31 23:58:04 | つれづれに


さて、ずいぶんとこのブログ、ほったらかしにしてしまいました。

今年は後半から公演が続き、気がつけば天幕旅団の冬の公演も終わり、あっという間の年の瀬です。
ここの更新をしてないと、なんだかもう、あいつ生きてるのか?みたいな感じになりますが、生きてます。
わりと元気です。

先日のピノキオのことも、全然書いてませんが、ひとまず、無事に終わりました。ご来場下さった皆様、来れなかったけど気にかけてくれた皆様、今更ながらありがとうございました。

ピノキオのことはまた、あとがき的に色々ここに綴ろうかとも思ったりしておりますが、今年ももう終わってしまいますし、とりあえず一年を振り返っておこうかと。
誰かに発信するというよりは、忘れっぽい自分のための、備忘録。


★7月 天幕旅団「波よせて、果てなき僕らの宝島(ネバーランド)」★ 脚本・演出・出演

一本めは夏でした。
今年の前半はかなりゆっくりとスタートしたわけで。
一昨年、少人数の作品が続いたので、ちょっと大人数でわいわいやりたいなという思いがあって。
年明けから数ヶ月、WSを重ねて新しい役者さんたちと出会う作業をしました。
で、総勢11人、近年の天幕にしてはかなり多めのキャストで作りました。
初参加も多かったり、久しぶりだったり、元劇団員だったり、色んな役者が集まって、近年の天幕芝居にはない感じの、わちゃわちゃした感じの勢いになったなあと、振り返っております。

前身劇団:笑劇ヤマト魂で作った作品の改訂再演。初演はなんと9年前。
昔の自分の言葉と向きあうのは、なんだか照れ臭かったり、でも、色々気付かされることもあったり。
初演当時と変わったことと変わらないことと。色んな思いを詰め込みました。

久しぶりの中野ザ・ポケットで、ずっとやりたいなと思っていたセンターステージに挑戦。
どうやら、ポケット史上初めてのことだったらしいです。
客席に囲まれた舞台、プロレスのリングのような見世物感。
今後も、この形式は追求していきたいなと思っています。

作りながら漠然と考えていたのは、「あこがれ」について。
海の向こうへのあこがれ、冒険へのあこがれ、大人へのあこがれ、そして、あこがれる思いが強いが故の、叶わなかった時の絶望。
宝島を目指す少年と、宝島で死んだ少年と。
二人の物語に、冒険を託しました。

エンタメ色の強い作品を久しぶりに作って、楽しかったです。
こういう雰囲気の作品、しばらくはやらないと思うのですが、機が熟したらいつかまた、と思っております。


★8月 LiveUpCapsules「空を飛ぶ」★ 出演

自分の劇団では出演もしますが、僕自身のポジションは脚本と演出だと思っていて。
なので、役者として舞台に立つことには、なんだかちょっと引け目を感じているというか、本来の仕事ではないことをしているというか、落ち着かない感じが多少なりともあります。
そんなわけでここ数年は、客演のお誘いは、ずっとお断りをしていたのです。
なのですが、最近少し、役者をすることへの意識がちょっと変わってきまして。演者としても機会があればなるべく舞台に立っていこうかなと。

そんな時期に、たまたまお声かけ頂いて、ホントに久しぶりに外部の劇団に客演をすることになりました。
結構昔からお知り合いだった、LiveUpCapsulesさん。

零戦の発動機を作った設計士たちのお話。自分としては初めて、戦争を扱った作品に参加しました。
ちょうど、件のジブリの映画が公開されてたり、八月という季節もあったりして、かつて起こった「戦争」というものについてたくさん考えました。

生きること。
確かに、生きていた人々のこと。
きっと、あの夏も今年と同じくらい暑かったんだろうな、と思ったのです。

なんだかとても一途な役で、飛行機を飛ばすことにずっと情熱を注ぎ続ける熱い人物。とにかくキラキラすることを目指しました。


★10月 smorkers「スマイール」★ 出演

夏に引き続いての客演は、大人のコメディ劇団smorkers。
昔から観客として見ていて、ずっと憧れていた劇団に、念願叶って参加させて頂けることになりました。

ここは、とにかく脚本が面白くて。
数ある小劇場演劇の劇団の中で、ちゃんと笑えるコメディをやるところって、稀有だと思うのです。
そして、出ている役者さんがみんな上手い。達者な皆さんの足を引っ張らないように、稽古中はわりと気を張っていたような気がします。

出演者の人数が多くて、なおかつその中でも、チームで動くポジションだったので、とにかく周りと連携をとることを心がけました。

アパートに住み着いた地縛霊という役で、とにかくずーっと舞台上に居て。
本番中にも関わらず、皆さんの演技に素で笑そうになったり、物語に泣きそうになったり。
毎度毎度、飽きない舞台でした。


★12月 天幕旅団「星降る闇にピノキオは、青い天幕(サーカス)の夢を見る」★ 脚本・演出・出演

んで、12月。
一年半ぶりに、メンバーだけの四人芝居。
夏に大人数でエンタメ芝居を作った反動か、冬の作品は静かでシンプルな作品になりました。

昨年の「紅い雪」で白雪姫をやって、同じ劇場・同じメンバーで何を作るか。
悩んだ結果、「ピノキオ」を題材にすることにしました。
実は、ディズニーの長編映画第一作が「白雪姫」で、二作目が「ピノキオ」だったそうで。
それに擬えるという趣向もアリかしら、と思って、今作の俎上に乗せました。

「人間になりたい」と願うピノキオの物語。
では、その「人間」ってなんなのか。
原作を読んでも、映画を見ても、人間らしくて元気に走り回るピノキオの姿がそこにあって、これ以上彼は、なにを望むんだろう、と。
人間になって、彼はなにをしたかったのだろう、そこから紡いだ物語でした。

生きていること、と、生きていないこと、の決定的な違い。
彼には決して得ることのできない心臓の鼓動を、時計が時を刻む音に重ねて。
永遠に生き続ける彼にとって、時間とはどんな存在なのか、考えました。

脚本執筆に完全に行き詰まって切羽詰まっていた時、たまたまギルバート・オサリバンの「アローンアゲイン」を耳にして、なんだかラストシーンがすとんと、おりて来ました。

劇団員だけで紡ぐ稽古場は濃密で。
今後もまだまだ、色んな可能性が探れるな、と思ったのでした。


そんなわけで、今年ももう終わります。
劇団公演が二本、客演が二本、前半ゆったりしていた分、後半にバタバタと駆け足をした一年でした。

来年もまた、夏と冬に劇団の公演を。
そして、役者として客演もしていけたらなあと思っております。

本年も、天幕旅団をご贔屓頂きましてありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

「ずいぶんと遅い終演のご挨拶」の情熱

2013-08-02 04:10:17 | つれづれに


気がつけば、八月。
天幕の興行が終わってすぐ、次の作品の稽古が始まっております。

もう、だいぶ日が経ってしまいましたが、
天幕旅団♯6「波よせて、果てなき僕らの宝島」全日程無事終了いたしました。
ご来場頂いた全てのお客様、
来れなかったけど気にかけてくださった方、
関わって頂いたキャスト・スタッフの皆様、
本当にありがとうございました。

前身の笑劇ヤマト魂時代の作品の改定再演だったわけですが、
初演はもう9年も前のこと。
なんていうか、全く違う姿に生まれ変わりました。

初演のキャッチコピーは、
「ドキドキは海に浮かんでる。僕の心は羅針盤、ぐるっと回って未来をさす。」
海はキラキラしていて、冒険はワクワクするものでした。

再演のキャッチコピーは、
「海の向こうになにがある?」
その海は真っ暗で、向こう側には何があるかわからなくて。
でも、それを見ている自分の心は、ざわざわするのです。

多分それが、時を経るということ。
今の僕の、気持ちなのだと思うのです。

終わってすぐに、横浜に行く用事がありまして。
ちょっと時間が空いたので、山下公園に行ったんです。
折角だから、海が見たいなと思って。
そしたら、たまたまなんですけど急に雲行きが怪しくなってきて。
海は、こんな色をしていました。


海は、真っ黒で。
真っ青でキラキラして優しくなんかないんだなと、思ったのです。
ざわざわしました。
こんなに怖い海の向こうを目指すことこそ、冒険なのだと。
やってやるぞ、と思ったのでした。

[Champagne]というバンドの、「Forever Young」という曲があるのですが、
稽古しながらずっとそれを聞いていて。
歌詞に、とても勇気付けられました。

久しぶりに、大人数の芝居を作りました。
こういうエンタメな作品も久々。
昔はこういう冒険活劇ばっかりやっていたなあ、と懐かしく思いつつ。
この手の芝居は、やってて楽しいモノなのですけれど、
やり納めかなあ、と思っていまして。
暫くまた、少人数で密なスペースで作る作品が続くのではないかと思っています。

天幕旅団、次回は12月。
新宿のSPACE雑遊で、「ピノキオ」をやります。
メンバー4人で紡ぐ、ダークファンタジー。
「嘘」と「願い」のお話です。

僕個人としては、ホントに久しぶりに外部に客演します。
役者だけをやるのは2年ぶりぐらい。
零戦のエンジンを作った、設計士のお話です。
そちらもよろしければ是非。
http://ticket.corich.jp/apply/47199/003/

夏興行の思い出など、またゆっくりとここに綴っていければなあと思いつつ。
今後とも天幕旅団をよろしくお願いいたします。


「果てなき僕らの」の情熱

2013-05-07 00:16:43 | つれづれに
さて、五月。
年に一度の大型連休は今年もPCの前で過ごす。

ずっといい天気だったので、シーツやらカーペットやら、
立て続けに洗濯をしては干し、を繰り返し。
後はずっと締め切りとの戦い。

今月から天幕の稽古も始まるし。
台本も、進めておきたい。
次回、「波よせて、果てなき僕らの宝島」は、
実は劇団時代の作品の再演なのだけど。
けれど、再演といっても当時とは興味もやりたいことも
だいぶ変わっている。
なのでまあ、完全に新作ぐらいのつもりで、
大幅に書き直しているのです。

んで、次回作の参考にするために、
海を見に行こうと思い立ち。
江ノ島に、行って来ました。

ホントは、水族館に行きたいなと思っていたのだけれど。
連休の真ん中で大変に混んでいる様子だったので、
浜辺で海を眺めて過ごすことに。

太陽に照らされた熱い砂のさらさらとした感触。
そして、寄せては返す波の音。
海は、遠く地平の彼方まで、きらきらしていた。


この、果てなき海の向こう側を見渡す感覚を、
舞台にどう乗せたらいいのだろうか。
あの、わくわくする気持ちを、お客さんと一緒に、
共有できたら素敵だなと思うのです。


そして、波のむこうに浮かぶ江ノ島は、
なんだか、冒険を予感させる感じがしたのだ。


折角だから、江ノ島まで渡ってみた。
流石に連休、江ノ島までの一本道に長い行列ができていた。


念願のエスカーにも乗って、ご満悦。
展望台はものすごく並んでいたので断念。


一日中天気がよくて、波の音は優しく響き続けていた。
やはり、海は、わくわくを湛えていた。

あのきらきらした海を思い浮かべながら、
PCのキーを叩く。

天幕旅団♯6
「波よせて、果てなき僕らの宝島(ネバーランド)」
チケット発売は、5/25から。
PC:https://ticket.corich.jp/apply/45300/002/
携帯:http://ticket.corich.jp/apply/45300/002/

「曇り空の徒然」の情熱

2013-04-21 09:47:12 | つれづれに
雨音で目が覚める。

なんだか肌寒さを感じて、布団の中でもぞもぞと過ごす。
出かける予定がなければ、こういう湿った朝も悪くはないと思うのだが。

布団の中で、村上春樹の新刊の残りを読み終える。
もやもや感の薄い、わりとクリアな中編小説。
近年の長編よりは、比較的好みではあるけれど。
なんだろう、村上春樹風に書かれた作品、というか。
いや、本人が書いてるんだけど。

部屋の中は、洗濯物がところ狭しとぶら下げてある。
コーヒーを淹れに行くにも、トイレに行くにも、
何度も腰をかがめて潜り抜けなくてはいけない。
その度に、あ、洗剤変えたんだ、となんとなく思う。
そんな朝。

で、隣室の相方はまだ寝ているようなので、PCを立ち上げる。
先日、やっと見つけた「トレジャープラネット」のサントラを聞きながら、
事務作業に粛々ととりかかる。

午前中の作業効率は、やはりとてもよい。
夜に比べて、進みが早い。
「トレジャープラネット」一枚聞きえて、今度は、サカナクションの新譜。
視聴した時は、なんだかなあと思ったけれど、
改めて聞くと悪くないかも、と思い始めた。


天幕旅団の夏の芝居が、いよいよ具体化してきた。
まもなく、情報を色々オープンする予定。

今夏は、暑い盛りにふさわしく、「宝島」の本歌取り。
海が舞台の海洋冒険ファンタジー。

タイトルは、
「波よせて、果てなき僕らの宝島(ネバーランド)」

お楽しみに。