情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「毒気」の情熱

2009-09-17 21:30:01 | Weblog
とても気になっていた、「中国の不思議な役人」を見る。

ホント偶然に時間が空き、ラッキーな観劇。

これまた小野寺さんが振付。で、こちらは出演も。


幕開きから、超アングラワールドが展開し、「お?」と驚きつつ、見入ってしまう。
そのうち「そうだよなあ、テラヤマだもんなあ」と妙に納得する。

なんとなく、演出が白井さんだったり、振付が小野寺さんだったり、アングラとはまた違った化学変化があるのでは?と思っていたところがあったのだが、舞台上には、まさにアングラの世界が広がっていた。

とはいえ、僕のアングラに対するイメージも、とかくステレオタイプなもので、「白塗り」「スキンヘッド」「ふんどし」「上裸の女性」などなど。それらを見れば、アングラだと思い込んでしまうのだが。


「テラヤマを上演するには、白塗りであるべきなのか?」と徒然に思う。

思い起こすに、白塗りふんどしではないテラヤマ上演を見た事がない。
そこには何か、そうしないと打ち勝てないような、脚本のパワーみたいなものがあるのだろうか。

そういえば、キャラメルっぽくなくキャラメルのお芝居を演出してたり、唐っぽくなく唐のお芝居を演出してたりするのもみたことない。
同じ理論だろうか?


ともかくも、その毒気はあまりにも濃い。
テラヤマワールドにどっぷり浸かり、酔う。

「難敵」の情熱

2009-09-15 13:19:15 | Weblog
さてさて。

「ヤマト版仮名手本忠臣蔵」のことが頭の中でぐるぐるする。

来月の稽古開始までに色んな事をある程度形にしておかなくてはならない。


にしても、調べれば調べるほどに、この赤穂事件というのがなんなのかわからなくなる。
そもそもの発端である刃傷事件が、なぜ起こったのか、謎だらけなのだ。
今、忠臣蔵と聞いて誰もが思い浮かべる「仇討ち」の物語は、ほとんどが推測の作り話だ。

さて、
どれだけ冷静にこの物語を眺められるか。
先入観や思い入れを抜きにして、解釈の糸口を掴めるか。

手強い相手にぶつかる。

「部分」の情熱

2009-09-13 22:56:53 | Weblog
秋が、歩み寄り始めた中、久々に夏らしい陽気。

東京都現代美術館にて、「メアリー・ブレア展」を見る。

木場なんて、ほとんど行った事ない場所だが、相方は家が近いらしく、歩いてやって来る。


メアリーブレアという人自体、全く知らなかったのだが、七月の「Heavens」をやってる最中から、アリスの絵のポスターがとにかく気になっていた。
そんなわけで、特に予備知識なく、見に行く。


早い話、ディズニー映画の絵コンテ的なものを描いた人、というのが当たらずとも遠からずか。
ディズニーの「アリス」とか「ピーターパン」とか、見慣れた場面がイメージイラスト上では元々どうなっていたのか。
それはとても興味深かった。

つまり、映画として完成された時、画面は、メアリーブレアの描いた青写真通りというわけでは決してないのだ。
そういうテイストを取り入れて、あくまでベースとして、作品に仕上げる。
原案として、その絵は作品を立ち上げる段階にものすごく力を発揮するが、それはあくまでも原案として、「一部」なのだ。

なんだかそこに、感心した。

多分、メアリーブレアの絵そのものがすごく素敵な力を持っているからこそ、それをそのままは使わないすごさというか、ディズニーの作品力を思い知ったのだと思う。


ちなみに、一番心を動かされたのは、「イッツアスモールワールド」のコーナー。

あの世界観を作り出したのがまさに彼女で、ディズニーランドのあの建物の外観とかは、彼女から生み出されたものだと知る。

幼い頃にディズニーランドに行った記憶ともあいまって、なんだかきゅんとする。



そんな一日。

「虜」の情熱

2009-09-11 00:09:37 | Weblog
稽古が休みだったので、見たかった芝居を見に行く。

音楽劇「トリツカレ男」。

のんびりのんびり歩いて、天王洲まで。
途中で入ったラーメン屋が全くのハズレでがっかりしたけれど、作品は素晴らしかった。

振付が小野寺さん、という興味だけで行ったんだけど、それだけでなく。
ものすごく心を掴まれた感じ。

小野寺さんの振付はやっぱりすごくて、外部の作品でもちゃんと自分の色を出していて、しかも作品にちゃんとマッチしていた。

役者さん達も、皆、愛すべき人たちばかりで好感が持てた。


にしても。

終始笑顔と、そして涙とが付きまといながらの観劇。

作品世界がとにかく愛しくてたまらなくて。

原作を読んだ時は、特にあまり何の感慨もなく好きも嫌いもなく読み終えた気がする。

とすれば、自分がこんなにも心をわしづかみにされた理由は、やっぱり原田郁子さんだ。

冒頭、幕が上がると下手にピアノがあって、原田さんがちょこんと座って弾き始めるのだ。
その、歌声と、役者という職業の人にはない独特のたたずまいと。

のっけから、虜だ。

劇場空間で起こる事全てを、愛してしまうようになる。

すごくすごく素敵な作品だった。


空席がホントもったいない。
天王洲だからかなあ。。。
クラムボン・原田郁子好きは、間違なく楽しめる芝居だと思うけどな。


終演後、原田さんのミニライブ付き、という贅沢な内容。
「やわらかくてきもちいい風」をナマで聞けるなんて。

堪能しました。

「弱り目に祟り目」の情熱

2009-09-09 23:16:13 | Weblog
読みかけの本をなくす。

朝、電車の中で読んでいて、乗換え駅でポケットに入れたのが、その本を見かけた最後。
どこにも見当たらない。

もう一度買うのも馬鹿らしいし、そもそも、古本屋でたまたま見つけて買った古い本。
本屋で売ってるのはみたことない。


どうしても、今日一日読む本がないので、昼に本屋に入って、目についた本を買う。

読み始めたら、もう持ってる本だった。

ヘコむなあ。。。

「読む」の情熱

2009-09-07 23:15:16 | Weblog
今まで、稽古初日から台本が全部ある現場ってなかなか少なくて。

で、台本がある現場はまず、「本読み」からってことになる。

この「本読み」というのが、すごく苦手。

今まであまりやってなくて、慣れてないからなんだけど、難しい。

大体いつも「とりあえず立ってみよう」になるので、純粋に「本読み」の時間ってなく。
じっくり「本読み」に時間をかけると、なにをやっていいものか戸惑う。

まあ、「読めば」いいのだけど。
「読む」って難しいんだなと、とても思う。

頭使って芝居しなきゃなあ。

「ワンゲル・後記」の情熱

2009-09-05 23:46:44 | Weblog
先週の、HHMC(ヘッジホッグマジックサーカス)追想。徒然なるままに。


終始、リラックスした公演だったように思います。当日仕込み、ゲネやって2ステやってバラして。緊張する暇なんかない感じだったけど。

控え室がなかったので、開場から開演までの三十分間、加藤と二人で中野の街をぶらぶら歩いていました。BOOKOFFで漫画とか立ち読みして。
んで、開演直前に帰ってきたら「ばらの花」が流れてもう開演。
意図したわけではないけれど、実際に歩いて辿り着く、というのが何かいい影響を与えていたのかもしれないなと思ったり。

ヤマト魂の番外興行として以前上演した作品を再演。
アウトラインは変わってないけれど、初演時はコントの部分には台本がなくて毎回流れだけ決めてやってたので、それをきちんと文字に起こして上演しました。

「ノルウェイの森」に対するオマージュというか、憧れというか非難というか。
この設定の小説なら、もっとこういう物語だったら手放しに好きになれるのにな、みたいな。

天井から下がっていた靴は、映画「ビッグ・フィッシュ」からの引用。
歩き続けるためには靴が必要で、歩く事をやめるというのは靴を脱ぐ事なのだと。
今回の作品と、なんだかぴったりとハマった気がしたのでした。

「ワンダーフォーゲル」は、くるりの曲からもらってきたタイトル。
スポーツの方を想像してしまうけど、元々は「渡り鳥」という意味らしい。
「こんなにもすれ違ってそれぞれに、歩いて行く。」
そんなところから発想していった作品でした。

「地図」の情熱

2009-09-03 23:50:46 | Weblog
昨日は、池袋へ観劇に。

芸術劇場へ「ダイバー」を。
到着すると、当日券は長蛇の列。
危うく見れないかと思ったが、なんとかキャンセル待ちで滑り込む。

昨年見たロンドン版とどうにも比べてしまうが、ラストシーンの印象が全く異なっていた。
戯曲は同じなので、自分の感じ方なのだと思うのだけど。


知り合いがわりかしここで芝居やってて、よく来る劇場なのだけど、同じホールで野田さんが芝居してるなんて、なんだか演劇地図も変わるものなのだなと思ったり。

エントランスには大きな写真がかかげられ、展示室ではポスター展がやってたりして、なんだか野田さん一色になっていた。

壁から吊された布を見て、「あ。遊眠社のビデオに映ってた舞台美術の布だ!」とか思って興奮する。

さて、苦手な街:池袋。
これから、行く機会も増えそうな。
苦手ぢゃなくなるかなあ。

「尊敬の念」の情熱

2009-09-01 23:45:49 | Weblog
HHMC(ヘッジホッグマジックサーカス)から、中一日挟んで十月の客演の稽古開始。

顔合わせということで、都合でちょっと遅れて到着したら、台本読みをやっている。

パラパラと一番最後をめくったら、「完」の文字。

稽古初日に台本が完本しているのは、すごいことだなあとホントに思う。心から尊敬してしまう。

人見知りの僕は、まず周りと仲良くなることが出来るのかが心配。


そして、十二月の自分のとこの興行の事も本格的に考えなくては。

稽古初日に台本が完本してたら。。。