情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「四谷様参り」の情熱

2011-06-20 23:38:26 | Weblog
天幕旅団♯2 「天幕版 東海道四谷怪談」稽古真っただ中。
本番まで一ヶ月。
稽古は、ちょっとづつちょっとづつ進んでおります。

歌舞伎をやる時は、大抵、その演目の所縁の土地に行って場所の空気を感じて来ます。
忠臣蔵の時は、泉岳寺や両国の吉良邸跡、赤穂にも旅行してきたし、
将門を題材にした時は、首塚や神田明神に、と言った具合。
もちろん、登場人物達が生きていた時代とは街並みも全く違うのですが、
やっぱりどこか、痕跡が残されている気がするのです。

さて、今回の演目は四谷怪談。
色々曰く付きの演目でございますし、
キャストみんなで御祓いも兼ねた成功祈願に行ってきました。
色んな説があるんですが、伊右衛門をやる役者が行くとお岩さんに嫉妬されるという話もあり、
菊川先輩はお留守番。他のキャストと演助で行ってきました。


まずは、お岩さんのお墓がある、西巣鴨の妙行寺へ。
この辺りの都電が通ってるエリアって、なんか時間の流れが緩やかで不思議な感じがします。
いつ行っても、なんだか濃いめの空気が全体を被ってるみたいな気がするのです。


四谷怪談なのに、なんで西巣鴨なのかな、と思うのですが、
元々このお寺も四谷にあったらしいです。
紆余曲折あって明治時代にここに移転して来たそうな。
お墓の前でしっかり手を合わせて成功祈願。
お岩さん役の加藤晃子、お岩さんにご挨拶の図です。


ちなみに、すぐ隣に浅野家遥泉院供養塔もございまして。
要するに、浅野内匠頭の奥さん、阿久里のことですね。
ヤマト魂でやった時には、みっきぃが演じた役。
お墓は、泉岳寺にありますので、供養塔ですけれど。
四谷怪談と忠臣蔵が地続きである証しだなあ、と思ったのでした。

さて、西巣鴨を後にし、四谷へ移動。お岩稲荷を目指します。
そう、四谷怪談をやる時は、もう一箇所お参りが必要なのでございまして。
田宮神社と陽運寺です。

信濃町の駅を出て、外苑東通りを歩いて行くと信号に、「左門町」と。
これぞまさしく、お岩さんの父、伊右衛門の義父の四谷左門のこと。
大通りから一本脇道に入ると、赤い幟が見えてきました。

細い道の両側に、二つの幟が向かい合って立ってまして。
片側には田宮神社、もう片側には陽運寺。
どうやら、元々は田宮神社がお岩稲荷としてお岩さんの霊を祀っていたんだそうですが、
一度消失してしまい、隅田川の方に移転したんだそうな。
で、その折に、向かいにあった陽運寺がお岩稲荷を引き継いでくれたとか。
現在は、田宮神社が元の場所に戻ってきて、
二つのお岩稲荷が向かい合う形で残ったんだとか。



こちらもしっかり手をあわせて成功祈願。
あと一ヶ月、稽古に励む所存でございます。

ご予約はこちらから!
PC→https://ticket.corich.jp/apply/27752/003/
携帯→http://ticket.corich.jp/apply/27752/003/

「医者嫌い」の情熱

2011-06-18 13:31:52 | Weblog
「天幕版 東海道四谷怪談」絶賛稽古中でございます。

稽古場でああだこうだ言いながら、みんなでアイデアを出しながら、
ゆっくりゆっくり作っております。

さて、天幕旅団のHPに、「天幕版 東海道四谷怪談」の特設ページができましたよ。
お祭りの雰囲気に溢れた、素敵なページです。
要チェック!
http://www3.to/tenmaku-ryodan/

稽古場ブログも持ち回りで書いてますよ。
http://tenmakuryodan.jugem.jp/

写真は、先日稽古場の近くのラーメン屋に行った時。
稽古前なのにニンニクをどっさり入れる8と、先に食べ終わって手持ち無沙汰なみっきぃ。



僕はと言えば、最近、急な腰痛に襲われまして。
多分、人生初ですよ。
ホント、道を歩いていて急に「ピキッ」と。
その場で動けなくなりかけたのですが、なんとか危ういバランスを保ちつつ稽古場へ行き。
それからしばらくは、そろりそろりとしか動けない状態で。

で、数日してやっと時間を作って病院に。
僕、ホントに病院が嫌いでございまして。
なんというか、普段から行く習慣がないので慣れないんですね。
風邪でもなんでも、大体自然治癒で治ってしまう事がほとんどなので、
二三日したらなんとかなるんぢゃないかと思って様子を見る事が多く。

でもまあ、急な腰痛も初めてで、心配だったので病院行ったんですけど。
その時は既になんともないわけですよ。
普通に歩けてるし、なんなら、走れてるし。

先生に「どうしました?」と聞かれて、
「ええと、腰痛で。。。あ、今はだいぶましになったんですけどちょっと前まですごく痛くて」と。
ベッドに寝て、腰を押されたり足をあちこち動かされたり。
「これは痛いですか?これは?」と聞かれるも、「今は、大丈夫ですね。」と・・・
前はかなり痛かったんです、と必死で説明している自分がなんだかアホらしくて。

結果、「全く異常なしですね」との診断を頂いたのでした。
やっぱり、病院は苦手だわね。

と言いつつ、そう言えば今回僕は、原作にも登場する、あの按摩の役なんですよね。
全く、何の因果でございましょうか。


チケットのご予約はこちらから!
PC→https://ticket.corich.jp/apply/27752/003/
携帯→http://ticket.corich.jp/apply/27752/003/

「盟三五大切」の情熱

2011-06-18 01:22:32 | Weblog
コクーン歌舞伎を見に行ってきました。

毎回楽しみにしているのに、
いつも夏興行の稽古時期と重なってなかなか見に行けていなかったのですが。
今回は、「盟三五大切」の再演。
まさに今、自分のカンパニーで「四谷怪談」を稽古中なものですから、
大南北先生の筆による謂わば「四谷怪談」の続編であるこの作品は是非見て置かねばなあと、
時間を遣り繰りして劇場に滑り込んだ次第。



休憩挟んで三時間ちょっと。
ただひたすらに物語の渦に巻き込まれて、あっぷあっぷしていました。
源五兵衛を演じる橋之助さんが、ストイックに役に立ち向かっていて。
その姿が、息苦しくなるぐらいに切なくて、胸の辺りがざわざわとしました。

橋之助親子の別れのシーン辺りから、もう涙腺が緩んでしまって。
後半は、ホントに泣きっぱなしでした。

僕が今まで見たコクーン歌舞伎は、なんというか祝祭的な作品が多かった気がしていて、
ロビーも場内も、お祭りみたいな活気があったような記憶があります。
だけども、今回は、作品の内容の事もあるのでしょうが、常に冷たい水をかけられているような、
少しでも熱しそうになるとすぐに冷や水をかけられるような、
かなり暴力的な緊張感と迫力が劇場を支配している、
そんな印象がありました。(演出的にも実際に冷やされておりましたが。)
それは多分、橋之助さんの触れれば切れるような静かな狂気のお陰かと。
殺しの場面なんか、どうなるかわかってるのにやっぱりはらはらしちゃうんだもんなあ。

改めて、鶴屋南北先生の物語の紡ぎ方は、すごいなと。
張り巡らした伏線が、忠臣蔵というラストに収束していく妙は、見事なのです。

さて、「天幕版 東海道四谷怪談」。
こちらは、稽古場で試行錯誤の真っ最中。
南北先生の物語を本歌にして、新たな物語を紡いでいます。
義士と不義士の、忠臣蔵外伝。
さて、初日まで一ヶ月ちょっと。

ご予約、どしどし受付中です。

PC→https://ticket.corich.jp/apply/27752/003/
携帯→http://ticket.corich.jp/apply/27752/003/

「Mrs.Rock」の情熱

2011-06-12 09:19:18 | Weblog
寝ても覚めても、四谷怪談。
ああでもない、こうでもない、とぐるぐる考えを廻らせる。

稽古場で色んな可能性を試して、掬い上げられるモノを拾っていく。
手を受け皿に水を飲むみたいな感じで、口に運ぶまでにいっぱい零れる。
時には、飲もうとしたときにはもう全部零れてしまってることもある。
けれど、少しづつほんのわずかづつ、水を飲んでいくのだ。
むしろ、たくさん零したいと思うのだ。
零せば零すだけ、いいものが残る可能性がある。

そういえば、つい先日の稽古場で、「おっ」と思うアイデアがちらりと見えた。
役者達が考えてくれたこと。
「それはいいね」と掬い取って、形を整えていく。
見たこともないシーンが生まれていく。
後から考えればその日は、6/9(Rockの日)だった。
Mrs.Rockの、プレゼントだろうか。
なんて。


それにしても、鶴屋南北先生はとんでもない物語を書き残したものだ。
筋が、ホントに巧妙に入り組んでいて、複雑だ。
色んな要素が、きちんと絡まり合って全体の物語を紡いでいる。
それを、一筋づつ解きほぐして、編み直す作業。
「怖くない、四谷怪談」に仕立て上げる。
「愛の物語」に、紡ぎ直す。


チケットはどしどし予約受付中。
ご予約はこちらから!
PC→https://ticket.corich.jp/apply/27752/003/
携帯→http://ticket.corich.jp/apply/27752/003/


演出のアイデア出しの参考に、最近はこんなのばっかり見ている。
ホント、ほれぼれする。
面白いなあ。

桂枝雀 - 時うどん(Part1 of 3)

「好きなもの50」の情熱

2011-06-07 01:17:51 | Weblog
とにもかくにも、「天幕版 東海道四谷怪談」のことで頭がいっぱい。
頭の中で、ああでもないこうでもない、とぐるぐるしております。
制作仕事もやっつけつつ、四六時中PCとにらめっこ。
なにかがハマればなあ、思いつつ、そのピースがなんなのかまだわからないのです。
稽古しながら、探していきます。

チケットはどしどし予約受付中。
ご予約はこちらから!
PC→https://ticket.corich.jp/apply/27752/003/
携帯→http://ticket.corich.jp/apply/27752/003/


そういえば、天幕旅団HPがゆるりと新しくなりつつあります。
もうすぐ、次回興行の特設ページもできます。
http://www3.to/tenmaku-ryodan/

密かに、役者紹介ページが出来ておりますので、探してみてくださいませ。

そこに載せてあるんですが、「好きなもの50」というのがありまして。
要するに、僕の好きなものを50個書き出してみました。
文章で長々説明するよりも、僕の紹介になるかなあ、と思いまして。
以下の通りでございます。


「渡辺望の好きなもの50」

サーカス
サーカスのテント
空飛ぶ熱気球
映画の予告編
google map

夏の入道雲
ひと駅分歩く
歩きながら聞く音楽
深夜のラジオと孤独なDJ
iPODで曲を選ぶ時

ホットのカフェラテ
ラーメン食べ歩き(特に、とんこつ細麺)
グミのぎっしり詰まったビン
納豆たまごゴハン
なめらかプリンとホワイトチョコ

新宿のタワーレコード
阿佐谷のVictoryCafe
下北のヴィレッジヴァンガード
上野の国立科学博物館
「ウィンブルドン」という言葉の響き

サラダバーのあるレストラン
人が疎らな水族館
藤子不二雄と手塚治虫
ティムバートンとジャンピエールジュネ
U2とQueen

村上春樹
中島みゆき
松本人志
富田靖子
串田和美

ブルーハーツ
電気グルーヴ
ケミカルブラザーズのPV
バットマンとスパイダーマン
ピクサーのアニメを吹き替えで見る

演劇とダンスの中間のような作品
試行錯誤する稽古場
ロードムービーと群像劇
まるで詩のような耳触りのよい台詞
台本が書き上がった瞬間

分厚い折り込みチラシ
温かいシャワー
タモリ倶楽部
背の高いイケメン
豆知識

飛び出す絵本
おもちゃの模型飛行機
黒縁のメガネ
リストバンド
手をつなぐこと

「加藤晃子 客演中」の情熱

2011-06-04 12:03:51 | Weblog
梅雨のじめじめとした湿気と、合間に見える晴れ間の気持ちよさと。
あっという間に六月に入った空には、確実に夏の気配は潜んでいます。

いよいよ、天幕旅団♯2の稽古が始まりまして。
日々稽古場に通っております。
今年は年頭からほかの人の現場の手伝いでずっと稽古してたけど、自分の仕切りで稽古するのは半年ぶりだったりして。
稽古が始まってからそれに気づいて、ちょっとどきどきしたりしています。

その話は、おいおい綴ってまいります。


昨夜は、天幕旅団のマスコットキャラ、加藤晃子の客演舞台を見に新宿へ。
ホントに、滅多に外部に出ないヤツなので、外の舞台に立ってる加藤を見るのは、かなりレア。
ちゃんと出来てるかしら、とちょっと心配な親心などもありつつの観劇。

 

でもね、そんな心配は全然いらなかったのでございます。

本人は、意識しているかいないかわかりませんが、彼女の声は、一瞬で空間を支配できるのです。
言葉で、声で、台詞をお客さんに届ける役者という仕事においては、それはもうとてつもない武器なのです。
と、見ながら改めてそんなことを思いました。

ただし、否応なしに耳が彼女の声を聞いてしまうからこそ、
物語の進行においてはマイナスになってしまう瞬間もあるという諸刃の剣。
と、昨日はそんなことも感じたりしました。

それぞれの役者が、入れ替わり立ち替わり、複数の役を演じていくスタイルで、
加藤は、普段ウチでもやっている事なので、なんだか活き活きして見えました。


素敵な言葉が洪水のように流れてくる脚本で、
僕はうっとりと水浸しになったような気がします。

ただ、柔らかいシャワーのように少しづつ水を浴びせてくる感じの演出だったのが、なんだか残念。
あの戯曲ならば、もっと乱暴にバケツで大量の水をぶちまけてほしかったなあと思ったり。


明日まで、新宿のSPACE雑遊にて。
お時間あれば、是非。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
日曜機関社#2「給水塔」
【作】 小川拓哉
【演出】 澤唯(サマカト)
【場所】 SPACE雑遊 http://www.zatsuyu.com/about.html
【日時】 2011年6月1日(水)~5日(日)
【料金】 ¥2500(前売)/¥2800(当日)

【タイムテーブル】
4日(土)15:00~/19:30~
5日(日)14:00~/18:00~
※ 開場は開演の30分前・受付開始は45分前です。

∴ご予約は以下のURLから、またはメールでお知らせ下さい。∴
http://ticket.corich.jp/apply/27053/003/