情熱の薔薇

天幕旅団主宰:渡辺望が傾ける様々な情熱。

「ナショナルシアターライブ『宝島』」の情熱

2015-09-18 00:15:36 | 見たり・読んだり
National Theatre: Treasure Island on-stage trailer


演劇はナマで見てこそ、だと思っていたわけで。
そんな古い考えで敬遠していたナショナルシアターライブ。
ところが実際に見てみたらとんでもなく面白くて、春ぐらいからハマっているのですが。

先日見たのは、「宝島」。
今まで見たNTライブのラインナップの中ではちょっと異色な冒険活劇。
でも、僕の中ではいまのところベストワンの作品でした。

演劇に求めるモノは人それぞれで、だからこそ好みがあるのだけれど、
僕は演劇の中に、非日常を求めています。
折角態々劇場まで足を運ぶのだから、そこでまた超リアルな現実を見せられたりすると、
僕はどうにも辟易してしまう。
だから、日常からどこまで遠くに連れて行ってくれるか、が大事で。

なんと言っても装置がすごい。
満天の星空から始まって、上下する床が、
宿屋になったり船になったり、島になったり森になったり。
くるくる変わっていくセットを見てるだけでももう、心を鷲掴みにされている。
後半の島なんて、苔むした岩みたいのが呼吸してるみたいに大きくなったり小さくなったりしてて、
島全体が生きてる!みたいにワクワクしてしまう。
途中休憩の間、大きな海賊旗が掲げられてたのも心が躍りました。

NT版のジム・ホーキンスはなんと女の子。
そして、ジョン・シルバーはおっさんと言うよりはかっこいいお兄さんと言った感じ。
お父さん的な憧れ、というよりは、異性として意識してしまうみたいな。
原作のイメージからすると、そういう恋愛要素はちょっと余計なんだよなあ、と思いつつ、
でも、甲板で満天の星空の下で二人が寄り添って語り合うシーンは、
素敵だなぁと思って、なんだかきゅんとしてしまったり。

僕の宝島のビジュアルイメージはどうしても
ディズニーの「トレジャー・プラネット」なもので。
シルバーは薄汚いおっさんで、ずる賢い狡猾なヤツ、という感じなのですが。
すらっとしたイケメンの海賊さんも、見てるうちにどんどん好きになってしまい。

あと、島に残されたベン・ガンも、漫画みたいでいいキャラでした。


おいらこれ、大好きなのです。
再上映も、あるらしいですよ。
http://www.ntlive.jp/

「事件は会議室で」の情熱

2012-08-27 22:20:31 | 見たり・読んだり
三谷さんの、「清須会議」をやっと購入。
一気に読む。


信長亡き後の権力争い。
羽柴秀吉と柴田勝家の攻防を描く物語。
戦わせるのは、武力ではなくて、交渉術。
覇権争いは戦場ではなく、会議室で行われる。

面白いのは、全てがモノローグで、しかも現代語訳として語られること。
登場人物達が入れ替わり立ち替わり、心情吐露する一人称リレーで物語が紡がれる。

既に映画化が決まっているとの事だが、舞台化しても面白いのでは、と思う。
全編モノローグだから、一人芝居とかでも面白いと思うのだ。

因みに、時代小説の映画化といえば、いよいよ公開が迫った「のぼうの城」も待ち遠しい。
和田竜さん、新作書かないのかしら。


「ゲーム」の情熱

2012-08-25 23:49:21 | 見たり・読んだり
今日は、横浜に。


一口に横浜と言っても色々あるけれど、なんか、来る度にここに足を踏み入れている。

相方と待ち合わせていたが、ちょっと遅れて来るらしいので、うろうろと散策。



雑多で、とにかくなんでも詰め込んだみたいな感じのお店がひしめき合ってる中に、時々こういう小綺麗な感じが急に入ってくる。
不思議な街。



ゆっくりする時間はなかったので、相方と合流したら早速劇場へ。

今日見たのはこれ。


小野寺修二さんの新作。
最近、原作モノが続いていたのだけれど、久しぶりに、原作なしのオリジナル作品。
とはいえ、アリスだったり白雪姫だったり、童話のモチーフが散りばめられていて。
時間、というものに関する考察。
小野寺さんの手にかかると、時間は縮んだり引き伸ばされたり。自在に形を変えていく。
訓練された肉体が織り成す、コントロールされた身体表現が描くのは、言わば、明るい悪夢。
誰かの夢を追体験するような不思議な感覚。
憧れる。