
「具体美術に於ては人間精神と物質とが対立したまま、握手している。物質は精神に同化しない。精神は物質を従属させない。物質は物質のままでその特質を露呈したとき物語りをはじめ、絶叫さえする。物質を生かし切ることは精神を生かす方法だ。精神を高めることは物質を高き精神の場に導き入れることだ。」
具体美術宣言のもっとも崇高な人としての本質を貫いたフレーズです。
芸術にいたる世界でも有数の指標ではないかと思っています。
そして指標とは道しるべのことであり、人はさらにその先へと進まなければならなのです。具体を越えて進むその先には何があるのでしょうか。
同化せずに手をつなぎあう物質と精神は、その厳しい門をくぐりぬけたあと
やがて融合する地点にやってくる。
妥協せず、同化せず、対立しない地点、対立は命そのものだと理解する地点。
人は具体を越えてそこまで進まなければなりません。
私はその地点を、人の心の姿だと信じるのです。
のしてんてん絵画はまさにこの心を目指すものなのです。


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