(5)2009.10.5(ブログを立ち上げた日)
母の絵をたくさんの人に見てもらいたい。そして励ましをもらえたら母も喜ぶにちがいない。そんな思いでブログを立ち上げた。
絵など描いたこともない母、デッサンなどまったく出来ない母、そんな母でも線を引くことは出来る。そう信じて二人で始めたお絵かき教室。それが10ヶ月を越えた。
母は気付いていないけれど、画力は随分上達 . . . 本文を読む
(4)2009.3.31 (だっしゃないのぅ)
母の線引きは少しずつなめらかになってくる。たどたどしい硬い線が消えていく。
「おばあちゃん、線上手になったなぁ」
「そうかの」
「ほら、みてみいな。前の絵と比べたらようわかるやろ」私は最初の頃の母の絵を並べて見せた。
「迷わんと、まっすぐす描けとるやろ。気持ちええなぁ。のんびり絵が描けるようになってきたんやろ?」
「なにょ . . . 本文を読む
(3)2009.2.7(私の好きな絵)
洗濯物を済ませ、乾いたものをたたんでゆく。
下着を一枚たたむのに10分もかかる、端と端をそろえても、次の動作で手が離れていつまで経ってもたためないのだ。
「はがいい(歯がゆい)よぉ」 母はそういって洗濯物を投げ出す。
「ほいたら、こい(これ)頼むわ」
私はタオルを渡した。やっと納得したように、たたんだ . . . 本文を読む
(2)2009.1.30(しっかりサインも書けた日)
朝、家を出て車で高速を走る。Wの里に着くとちょうどお昼時になる。
母は食堂にいた。トレーに乗せられた皿やお椀は半分空になっている。
なぜか私が幼少の頃、虚弱で入院した病院の食事を思い出した。
付き添いの母が、私と一緒に病院食を食べていた。私の椀は白粥なのに、母のは白いご飯だった。それが羨ましかった。
母 . . . 本文を読む
母が亡くなる前の3年間、病室で線と色塗りの絵を描き続けました。生涯絵など描いたことのない母でした。リハビリに絵をと思いつき、始めたものですが、それが私に「心のデッサン」を開眼させてくれたのでした。
その感謝の気持ちを込めて、母の3回忌に残してくれた「心のデッサン」を私の文を添えて冊子を作りました。
心のデッサンをより深く知っていただくために、この本を掲載していきます。参考にしていた . . . 本文を読む
筆触法(ものと遊ぶ)の最後に実践例をお示しして、最終回といたします。過去の記事は次の(一)~(九)です。
(一)(二)(三)(四)(五)(六)(七)(八)(九)
実践例はいくつか用意していますが、その中で初歩として分かりやすい玉ねぎを紹介します。
他の実践例をご覧になりたい方は (4)デッサン実践 (のしてんてんHP)
からご覧ください。
. . . 本文を読む
ものをデッサンするということは、その存在を体験するということでした。
言葉でいうと大層な、七難しいことのように思えますが、
ようはそのものを単に写真のように写し取るということではなく、心の中で触り、全身で触れ合って体験するというものです。
つまり、そのものと遊ぶという、ただこれだけのことを長々と書いてきました。目的は遊ぶということです。
ですから、遊ぶ心さえ . . . 本文を読む
南禅寺界隈の疎水 (きれいな一点透視図)
先週は空気遠近法の考え方を学びました。
空気の重なりが遠近の見え方を変えているということを理解していただいたと思います。
今回は目が作る遠近法をお伝えします。
というより、あまりに常識的で見たままのことですけれど、こんなことを考えたことはあるでしょうか。
「なぜ近いものは大きく、遠いものは小 . . . 本文を読む
哲学の小路 そして白いコップ
2枚の写真を眺めていただいて、感じて頂きたいことがあります。
そこに、絶対的に共通するあることが隠されています。分かるでしょうか。
たとえば、手前のコップの縁と奥の縁の風景は、水路の手前の枯葉や流れのせせらぎが見える風景から一番奥の山なみの風景の見え方と同じだということです。
それは今までの筆触法で、理解していただいたと思います。コップを眺めるとき、その . . . 本文を読む
鉛筆と紙と力の関係=心(筆圧)
筆圧を意識するとデッサンは質的に変わります。その意識が心のデッサンとあなたを結びつけるのです
筆触法(5/31) 筆触法(第二週)(6/9) 筆触法(第三週)(6/16) 筆触法(第四週)(6/23) 筆触法(第五週)(6/30)
の続きです。初めての方は、最初からお試しくだ . . . 本文を読む