明日のカープ

広島東洋カープの昨日・今日・明日を見つめます

ルーキーコンビ

2014-04-03 19:32:56 | 2014年
4月3日(木) マツダ
広島  -  ヤクルト (中止)


 18時プレイボール。先発マエケンは初回を3人で片づけると、その裏カープは2点を先制。2回表が始まる前から雨脚が強まりそのまま中止。


 さて、何かと注目の大瀬良と九里。九里は初登板初勝利をあげると大瀬良も勝ち星こそつかなかったが7回2失点の好投で2人とも株をあげた。何かと「大竹の抜けた穴」と叫ばれているようだが果たしてそのような存在になりえるのか?
 昨年のドラフトで大瀬良ばかりでなく九里の獲得に喜んだ。大学時代から九里の投球には目を見張るものがあったからだ。2人は前評判通り初登板でそれなりの投球をしたが、2人を見て不安を感じたのは九里の方。開幕第2戦で中日打線を手元で揺らぐ球で翻弄。しかし、これは中日側にあまりにデータがなかったのと球威がない分「いつでも打ち崩せる」という感覚もあったに違いないから。気迫は認めるが、これから研究されてくるとかなり厳しい気がする。
 大瀬良に関しては昨日の登板で好投したが5、6回に多少バテたのか球が明らかにストライクゾーンに集まった。初登板なので予想以上の疲労は確かにあるだろうがスタミナ面が課題になりそう。

 
 そして、「大竹の抜けた穴になるか」というと答えはノー。カープのエースはマエケンというのは今や誰もが認めるところかもしれないが、昨年までの投手陣の精神的支柱だったのは大竹と言って間違いない。怪我を乗り越えかつてのふて腐れた態度も一新、見方がエラーしても笑顔で迎える姿や降板後にもベンチの前列で率先してして声を出しているその姿に好感を抱いたカープファンも多かったはず。文字通り背中でチームを引っ張っていた。数字上では10勝投手かもしれないがその数字以上の存在であったはず。 

 
 その存在には足元にも及ばない。そう考えればルーキー2人に過度の期待はNG。戦力としてはまだまだ未知数。だからこそ、今井、篠田、福井、戸田あたりの今2軍にいる選手はしっかり準備しておいてほしいし、シーズンの中で必ず彼らの戦力が必要になる時がくるはず。
 

 ついでに大竹に関して。巷ではまた「裏切り者」の声が聞こえてきた。先にも書いた通りかつての大竹は打たれてはふて腐れ、また打たれてはふて腐れるの繰り返し。大竹の登板にため息をつくファンも多かったし、自分もそのうちの1人だった。
 2010年、11年の2シーズンをほぼ棒に振ったがその後見事にカムバック。カープ投手陣の精神的柱となっていった。大竹が怪我で苦しんでいる時、「もう大竹はいらんじゃろ!」と口にしたファンも多かったはず。また、球団の大竹に対する評価も低かった。これは黒田のFA引きとめの時や内川の獲得参戦した時と比べれば明らか。FAするか否かの決断を迫られる最中のドラフト会議でカープは大瀬良と九里の交渉権を獲得。この瞬間「大竹はFA宣言する」と確信した。
 このままカープに残れば球団の常套手段で「コーチ手形」はあったかもしれないが、いつまた肩を痛めるかもわからない中で自分の野球人生を見つめなおした時、将来の安定よりも「挑戦」を選択したことに拍手を送りたい。かつて大竹に罵声を浴びせた1人として反省の意味も込めて大竹を応援したいし、とても罵る気にはなれない。

 なんだかんだで自己最多で11勝しかしてないではないかとも思うかもしれないが、あのピッチングで巨人の強力打線を味方につければ脅威だ。カープの貧打とボロボロの内野陣ではどうしても投球が小さくなってしまう中で10勝は見事の一言。巨人で大胆な投球ができれば大竹の力なら15勝してもおかしくない。