継続の法則 自助努力のススメ 公認会計士 内藤勝浩のブログ

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「良い」企業と「善い」企業は、同じでしょうか? あか~ん チン No28

2023-05-09 22:01:44 | 会計



 会計においては、決算書類を見て、この企業は、「よい」とか、悪いという判断をします。
 この場合の「よい」とは、「成績や資産の状況が好ましい状況にある」という意味に用いられることが多く、「良い」という漢字が充てられると考えます。
 要は、「利益が出ている」ということが、「良い」ということになります。
 一方、「よい」には、「道徳的に正しい、善(ぜん)である」と意味もあり、この場合は、「善い」という漢字が充てられると考えます。
 会計が表現するのは、「成績や資産の状況が好ましい状況にある」という「良い」か、悪いか、であって、「道徳的に正しい、善(ぜん)である」という「善い」か、悪いか、ではありません。
 では、企業の成績や資産の状況が「良い」というのと、企業が正しいという「善い」というのは、全く別のものなのでしょうか。
 私は、全く別のものではないと考えています。
 企業は、世の中の役に立つ、世の中に必要な、物やサービスを顧客に提供し、顧客から対価を得ます。
 そして、提供する物やサービスが、本当に世の中の役に立つ、世の中に必要であると、つまり、それほどの価値があると、顧客からの評価を受ければ、「成績や資産の状況を好ましい状況」にすることもできます。
 このような物やサービスを提供することで、世の中の発展や向上や繁栄に貢献しているということは、「道徳的に正しい、善(ぜん)である」であると思うのです。
 この場合、「良い」と「善い」は一致すると考えます。
 ところが、欠陥があったり、害があったりする物やサービスを提供して、短期的に、「成績や資産の状況が好ましい状況にあった」企業もありましたので、すべての場合、「良い」と「善い」は一致するわけではありません。
 残念ながら、決算書類を見ても、この「良い」と「善い」が一致している企業なのか、一致していない企業なのかを判断することは難しいと考えます。
 会計で表現するのは、企業が「良い」か、悪いかであって、「善い」か、悪いかではないからです。
 個人的には、「良い」企業は、「善い」企業であってもらいたいと考えています。



 会計に関連した私の考えについて、書こうと思います。
 できるだけ分かり易く書きたいのですが、難しくなるときもあるかもしれません。
 会計は分からないけど興味がある方、会計を勉強したいと思っている方、会計に携わっている方、何かのご縁で私のブログを読んでいただいた皆様のお役に立てれば幸いです。
 皆様に、神さま仏さまのご加護がありますように。
 61歳のオッサン公認会計士でした。
 では、また。