松風Ⅱ

茅ケ崎の風日記Part2

辛い現実です

2017-02-02 11:23:26 | 高齢
信号が青に変わったので横断道路を渡り始めると
反対側から手押し車を押す老婦人に呼び止められた
「奥さん、これどうしたらいいのでしょう?」
葉書の裏側を見せながら差し出した
細かな字がびっしりと書かれている
”お手紙ですね
あそこにポストがありますよ、
信号が変わりますから車に気を付けていらっしゃい”

老女は不安そうな顏で立ち止まったまま
信号は変わっても
道の真ん中に立ち止まる老女に車は動けない
これはまずい、
私はポスト前まで手を引いて渡った
「お願いです、ポストに入れてくださいませんか」
受け取った葉書の表には宛先も差出人も書かれていない
”お家に戻って宛先を書いて来られた方がいいですよ”
「これでは駄目ですか?」
”そうですね、どなたに届けるのか配達人さんにわからないでしょう
お家は何処ですか”
私は老女を家まで送って行こうと覚悟を決めたが
返事はどうもはっきりしない
困った、最悪の時は交番へと考えていると
近くに住むという女性が声をかけて来てくれた 

言葉使いは丁寧、こざっぱりとした身なりで
外見はごく普通の高齢者に見える
聞けば昼間デイサービスに通うご主人と二人暮らしという
それ以上の事情は聞いてどうなるものでない
私自身が危なくなってきたのだから