謹賀新年
ブログを始めてからすでに148日、我ながらよく続いている方であると思う。昨日、NHKの「ナノレボリューション」を見た。3夜連続の第1夜であるが、さすがに動画には迫力があって説得力がある。NHKがナノテクノロジーを取り上げたのは大変好ましいことで、こんな番組がしばしば放映されると、このブログも意味がなくなる。残念ながら、日本のテレビ局は、ほとんどなのテクノロジーを取り上げない。NHKと朝日テレビとでサーチして見たが1、2年前のものしか出てこない。ちなみに、アメリカの代表的テレビ局の一つABCでサーチすると、2011年に放映されたものが32件あった。今回NHKで放送されたものも、オーストラリアとフランスとの共同製作である。
日本メディアの科学技術記事のレベルが低いようだ。報道されるのは、ヒグス粒子などのように国際通信社が取り上げたものと、国内の比較的一般向きのニュースに限定されているようだ。世界中を飛び交っている英文の情報に見向きもしないのではないかと思われる。優秀な科学技術記者を養成するためには、理学または工学のポスドクを採用するべきであろう。学部を卒業してから博士号を取得するまでの4、5年間の進歩は著しい。研究の意義、手法を理解し、また英文の読み書きも出来る。ポスドクの興味が、博士論文を目指して研究した分野に限られているというのは間違いである。また間違いであってほしい。広い分野に、鋭い洞察力を発揮出来るはずである。
科学技術の進展にメディアの役割は重要である(9/3,4参照)。科学技術は、研究者だけのものではない。その成果を開発し製品化することが経済発展と雇用促進につながるはずである。それには、政治家、官僚、企業家や投資家の支援が必要である。また、高校生、中学生の興味を喚起し、人材を育てることも必要だろう。メディアが取り上げなければ、これらの人々に情報が伝わらない。
メディアはしばしば日本は技術力の高い国であるという。しかしながら技術は日進月歩である。かつて日本が誇っていた電気製品製造技術は、すでに韓国、台湾などに奪われている。技術’先進国’の生きる路は、開発途上国が直ちに追随出来ない新製品を開発することである。2015年にまでに予想されるナノテクノロジーの市場規模1兆ドルをめぐって(9/21参照)、各国とも必死である。しかもその市場規模はその後も急速に広がると予測されている。
微力ながら、今年もナノテクノロジーの新しいニュースを記載し続けよう。
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