ナノテクノロジーを応用したコーティングについては、すでに成果が上がっているようだ。
英国航空は、同社のエアバスA318をTripleops社のコーティング塗料TripleOで塗装した結果、燃料費が節減できたと報じている。同社はさらにボーイング777-200に同様の塗装を試行し、10万ポンドが節減出来ると期待している。TripleOコーティングとは、ナノ粒子と高分子を組み合わせたコーティング材料で、ナノ粒子がコートされる材料表面の凹部に入り込み、塗装高分子材料を固定するもののようだ。
フォード社は、ウィンドシールドを車体に取り付けるのにナノテクノロジーを利用した新しい手法を開発した。これまでの方法では、揮発性有機化合物を用いる必要があったが、新しい方法では完全に自動化が可能である。まずセラミックスをコートしたウィンドシールドの接着部分にプラズマクリーニングを施す。すなわちガス中で放電させ、これによって表面をクリーンにし、かつセラミックスを活性化しナノ粒子を吸着しやすくする。これにPlasmaPlus社のナノコーティングを施す。これによって、ポリウレタンをウィンドウシールドに密着させることが出来る。これらの過程に要する時間が1分以内であるという。
Clear-tone社が発売する補聴器は、同様の方法でナノコーティングが施してある。湿度が高いときの水分の凝縮や汚染によって聴きにくくなることがないという。コーティングに用いるポリマーの厚さはナノスケールである。
Ecology Coating社は、化学会社大手のDuPont社の傘下にあるが、紫外線を照射することによって硬化する種々のコーティング剤を開発している。たとえばプラスチックのような紙、食品用包装紙などを発売している。
最新の画像[もっと見る]
- 海水の淡水化 I 10年前
- 持続可能な開発と ナノテクノロジー 10年前
- 再び"透明マント" 12年前
- 原子炉専門家よ 反省・奮起を: 日本の原子力産業が衰退する 12年前
- Janusナノ粒子の効用:光触媒作用の効率化 12年前
- 太陽光発電その後 12年前
- 新しいタイプのナノモーター 12年前
- 北大グループが次世代トランジスタへの第一歩を 12年前
- 電流測定の画期的進歩: 電子1個ずつの測定が可能に 12年前
- 大容量電気エネルギーストレージへの新しい道 12年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます