日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 助宗

2018-03-01 | 太刀
上杉家伝来の名刀から

太刀 助宗

 鎌倉初期の美しい太刀姿がまず目にとまる。腰反り高く、先幅はしっかりと遺っており、区も深いところから研ぎ減りが少ないのだろう、このような健全な姿は記憶にとどめておきたい。板目肌が良く詰んでいる地鉄は、無垢鍛えからであろう、刀身下半に映りが立っており、思いもよらぬ美しさ。地中に穏やかな景色が窺え、古人もこのような鋼の美観に気付いていたのであろうか、思いは鎌倉時代へと広がる。これに古調な直刃調子の小乱の刃文が焼かれている。刃中は小模様な乱れに小互の目、小丁子がまじり、時代の上がる一文字派の特徴が窺える。
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刀 和泉守國貞 Kunisada Katana

2018-03-01 | 
刀 和泉守國貞


刀 和泉守國貞

 國貞は堀川國廣の門流で、國助と共に大坂に出て大成した刀工。國廣のザングリとした肌よりも、小杢の肌目に沿った網目のような地景によって地鉄が躍動感に満ち、本作のように綺麗に起って見える特徴がある。刃文は互の目湾れと、このような直刃がある。本作は、特に直刃の綺麗な出来。単調な直刃ではなく、過ぎることのない小足が上品に入っており、この刃境から刃中向かって、地中から連続する肌目に沿った金線、稲妻を伴うほつれが入る。特に下半が顕著で濃密。地鉄と焼刃の美しさが際立つ作である。




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