日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 固山宗次 Munetsugu Katana

2017-11-09 | 
刀 固山宗次


刀 固山宗次天保十二年

備前兼光を手本としたものであろうか、穏やかな小互の目の刃文構成。焼を高めない小互の目にしている。地鉄は良く詰んだ小板目肌で、所々に板目、杢目が綺麗に現れている。刃文こそ独創的。互の目の頭が穏やかに高低変化し、その先端から地中に淡く足状の働きが延び、淡い映りに感応し合っているようだ。南北朝時代の備前物、その後の応永備前などによく見られる働きだ。小互の目の刃文は一定にならず、匂が冴えて小沸が加わり、匂足が射して所々に金線が流れる。綺麗だが凄みのある刃文だ。