どの国もそれぞれにその国特有の問題がある。人種問題、宗教問題、領土問題などなど。独裁制ならともかく、民主主義を採用している国なら、その問題に対し選挙などを通して間接的に意思決定ができる。しかし、残念ながらその意思決定に成功している国は見当たらないと思う。民主主義の国、アメリカですらあまりお手本にならない。
インターネットの出現で、意思決定が容易になった側面もあるが、個人に対する誹謗中傷、根拠に基かないデマ、右傾化、左傾化など、意見がバラバラになる要因も増えた。
個人的にはインターネットのおかげで社会にはいろんな意見があり、ある問題についてそう簡単には結論がでないことを知った。当たり前のことだが、自分の凝り固まった頭を柔らかくするのはなかなか難しい。
日本人は素早く答えを出すことが頭のいいことだと思い易いが、答えのある問題はある共通の合意の成り立っている共同体の内側で、その合意に従っているゆえ答えが出るようになっている。だから、共同体に従わず自分でものを考えるタイプは、このシステムからはじかれてしまう。
人間の知性のレベルを上げるには、簡単に答えを出さず、宙ぶらりんにしておくことがいいらしい。たとえば、人間はなぜ存在しているのかなど、いくら考えても答えはでない。このような訳のわからないことを考えることが、人間の知性のレベルを上げるのである。話がそれた。
時間がなくなってきたが、これからの時代は、ある問題についてバラバラな意見を、建設的に戦わせ、とりあえず結論を出して進んでゆく。間違ったらすぐ修正する。そのような意見を収束していく技術が求められているように思う。誹謗中傷や合意を目的としない議論は、物事を前に進めない。