思考の踏み込み

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前田智徳13

2014-08-09 06:02:30 | 
前田智徳の所属した広島カープとはそういう球団である。

それは追い詰められた人間達だけがみせる "生きる力" そのものの発露であったといっても良い。

そのエネルギーはカープの "赤" に象徴されている。

そこで生きた選手達はみな、逞しく、男らしく、いぶし銀で、魅力に溢れた者たちばかりだった。みな、赤がよく似合った。


(帽子、ヘルメットにも赤を採用し、"赤ヘル" の席巻が始まる前夜、1975年頃。)


白石勝巳に始まり、古葉竹識、外木場、安仁屋、北別府、大野豊…あるいは江夏。

そして炎の男、津田恒美。




ミスター赤ヘル山本浩二。
鉄人衣笠。

鬼の様に練習に励む "広島イズム" を具現化した高橋慶彦。
広島黄金期の守備の要、立川光男。

緒方孝市、正田耕三、野村謙二郎、金本知憲、江藤智、佐々岡真司。男、黒田博樹。
…そして前田智徳。





もともと私がカープファンになったキッカケは江藤智の美しい放物線を描くホームランに魅了されたコトに始まるのだが、それにしてもこの時代のカープのメンバーの凄さは、優勝できなかった事が不思議な程である。



私は最後に前田智徳にもう一度、優勝という喜びを味わってもらいたかった。

その願いは叶うことなく、前田は引退してしまったが、赤ヘル軍団復活のきざしは少しずつ見え始めている。

それはドン底から這い上がってきた広島カープと広島市民の、執念という伝統を ー 前田智徳という修行僧の様な男が引継ぎ、次代の若手たちに伝えていった証でもある。


ジェット風船。もともと広島発祥。



現在、12球団で最も優勝から遠ざかっているこのチームに、再び栄光の美酒がもたらされるコトを願ってやまない。