白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

ブロッコリーの生理障害―ボトニング

2012年01月07日 | ブロッコリー

毎年続けて来た秋野菜の定番のブロッコリーの新プランター栽培、初めて原産地イタリヤの固定種ブロッコリー「ドジコ」を育てたのですが、低温による早期発蕾(ボトニング)が原因となったのか、例年と変わらぬ旺盛な栄養成長後にも花蕾は肥大せず、7年目にしてまったく収穫できませんでした。

 

作物の一生は、量的な変化の成長と芽や花が形成される分化に分けられ、私たち人間は、分化の開花、受精結実に至る質的な変化の過程で、栽培している作物の特徴に合わせ、その栄養機関や種子、果実等の生殖器官を利用するのですが、ブロッコリーでは、分化して肥大化する、花蕾を食用にしています。

    

816日に播種したブロッコリー「ドジコ」

作物は、同一名でも遺伝的に形や性質が異なり、栽培上の特性や利用目的合わせて選別されてきた結果、それを区別する為に「品種」という分類単位が作られ、ブロッコリーの場合も沢山の品種が作出されていますが、その特性は外見では中々判別できません。

 

作物は人との関わりの深さで、それだけ豊富な品種が生まれて来たと言われ、それだけ多くの品種改良が行われて、その意図や思惑で選別されて来た結果、様々な形質が生まれたとも申せます。

   

10月4日 新プランターに移植して1週間のブロッコリー「ドジコ」

それだけに、多くの作出される遺伝的特性を持つ変異種が、商業目的や、利害当事者の思惑等で、品種選別されて来たのでしょうが、本来その作物が持っている形質(遺伝子的特質)を失ってしまう様な選別はあってはならないと言われ、原種の大切な遺伝子を守る為の「シードバンク」が設立されている所以でもあります。

 

Millennium Seed Bank Building EnglandWikipediaより

今日の蔬菜類等では、多くがF1種等の改良品種ですが、その品種特性の選択に、生産農家やその受益者の恩恵がどのように考慮されたのか知る術もなく、何か一般消費者は唯「依らしむべし」とされている様な気も致します。

 

118 日移植から45日のブロッコリー「ドジコ」-

そんな事からでしょうか、今日の多くの品種が見た目の良さとは裏腹に、本来の味や風味の薄い、言い換えれば、「癖の無い」万人向けの個性の失われた野菜類が多くなり、品種名等も示されるのは稀で、本来の野菜特有の含まれている栄養分やミネラルが一般に少なくなったと良く云われます。  

ー11月20日 移植から58日目のブロッコリー「ドジコ」―

中には、その原因を化学肥料の多用のせいにして、有機肥料栽培なら、栄養豊な「本来の味」になる筈と本気で思っておられる方も居られるようです。

片や、昔から作られて来た伝統野菜のような固定種の野菜が注目され、個性豊かな「昔の味の復活」とばかりにその名前に惹かれて栽培を始めたりして、家庭菜園で育てるのが一寸したブームにもなっているようです。

 

―早期発蕾(ボトニング)のブロッコリー「ドジコ」―

しかし、その固定種等の在来種(エアールーム)は、その地の気候風土等の特有の栽培条件の下に固定された品種であり、播種時期、温度や日照量等の生育に適した気象条件や施肥管理に基く作型があり、栽培条件の異なる他地域での栽培にどの程度適応能力があるかは、実際に育てて見なくては分かりません。

 

   年開け14日の「ドジコ」のスチック状花蕾―

作物の生育の基本は光合成能にあり、それを高める手段は、先ずは品種の選択であり、次は栽培条件と言います。温度や日照量等、気象条件が自然まかせの露天栽培であれば、同一作物でもその品種の持つ遺伝子の特性に依るところ大となるのです。 

 

昨秋の東京では、異常とも思われる秋口からの大きな温度変化に、固定種のブロッコリー「ドジコ」には影響が大きかったと言う事のようでした。因みに、近くの区民農園でも、苗の植え付けが一寸遅かったと思われるブロッコリーが、大きく葉を展開するまでに生長して居ながら、花蕾が肥大しない姿が観察できました。

 

    ―年開け14日でも花蕾の肥大しない「ドジコ」―

日本で栽培されているブロッコリー品種の殆どが日本での改良品種であり、特に大切な事は早期出蕾(ボトニング)ですが、秋期栽培では、暑い7.8月となる種苗作りには気を使いますが、定植後の温度や日照条件等は先ず心配無いの常識です。それを、固定種のブロッコリーである事を忘れた油断が、失敗の原因であったようです。品種の大切さ、改めて思い知らされました。

 

―ブロッコリー早期出蕾(ボトニング)写真―タキイ種苗障害情報より

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
苗はうまくできた (大森 伯太)
2012-01-20 10:44:33
苗で買ったブロッコリはうまくできました。
駄々今年は売っているブロッコリの値段も安く、少しがっかり。
1月に入り値段が高くなりましたが、12月は比較的気温が暖かく、値段も安かったです。
現在ワタシノブロッコリわき芽を2回収穫。順調に生育。
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苗はうまくできた (管理人)
2012-01-23 09:32:23
大森さま
ブロッコリー上手く収穫できてよかった
ですね。東京と気候や温度の違いでしょう。

苗の植えた時期や品種の違いもあります。
生産者はそれを知って育てています。

収穫時期が重なって豊作なら市場価額が
安くなるですが、ご自分で育てて食べる価値は別です。
懲りずに、新プランター栽培続けてください。

東京の今年のブロッコリーは、脇芽どころの話ではありません。其の儘放置するか思案しています。






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