白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―雑草と野草の違いは?―

2012年02月09日 | 日記

先のブログで外来植物の「葛」の繁茂に手を焼く北米での話に触れましたが、その雑草と野草との違いを一般に尋ねると、多くの方が、畑や庭、居住区域等の人が管理している土地に侵入して発生し、邪魔となる草本類を雑草と云い、自然の山野に自生するものを野草と呼んでいる。」とか、又、「発生場所の違いで、人間が勝手に分けただけで、両者に違いは無い筈。」等と言います。

 

確かに植物分類上ではその違いは無く、人との掛かり合いからの発生場所で区別されているのですが、雑草は発生場所の環境に適応して侵略的な特異性を発揮する事から、山野に定着して自生する山野草とは区別されるべきです。

 

日本雑草学会HPの冒頭には雑草の制御と利用を科学するとあり、「雑草は、農耕地、芝生地、生活環境など、あらゆる場所に発生し、その制御がしばしば問題となり‥‥‥‥」、又、「作物生産の場面では、病害、虫害、雑草害など様々な減収要因があり、古来からそのような減収要因を取り除くため多くの創意工夫がなされてきましたが、中でも雑草の制御は、人力によって取り除く以外すべが無く極めて過酷な労働を農業従事者に科してきました。‥‥‥‥」とその目的や歩みの中で書いています。

 

―アスファルトも突き破って芽を出すイタドリー

その雑草の話、今、19世紀に観賞用として日本から持ち込まれ、英全土に広がって在来植物を駆逐しているタデ科の植物「イタドリ」、侵略的な特異性を発揮して繁茂する旺盛さに手を焼き、欧州やアメリカ合衆国では、駆除の対象となる特定侵略雑草とされ、Japanese Kontweed”の名で世界のワースト100の中にはいる問題の雑草となっています。

 

    ―日本なら何処でも良く見かけるイタドリー

その「いたどり」、日本では生でも食べられるので、子供の頃に若い茎を折っては皮をむいて齧った酸っぱい味を知っている方も居ると思います。昔から地方によっては、柔らかい若い茎を山菜として採取加工して食用とされて来たそうで、紛れもない野草です。

 

又、地上部が枯れた頃の根茎を採取して天日乾燥させたものが緩下作用や利尿作用があると民間薬として使われるとの事です。そのJapanese Kontweedが驚く勿れ、その抽出物のレスベラトロール(ポリフェノールの1種)が長寿遺伝子を活性化すると、健康長寿サプリメントとして北米で販路を広げているとの話があり、日本ではイタドリからの抽出成分は薬物扱いでサプリメントに出来ないそうで奇妙な話です。

 

―赤ワインポりフェノール製剤の原料はイタドリ?ー

 

ところで、皆さんは庭先の芝生地や家庭菜園内等に発生する雑草の駆除には大変な労力を費やして居られると思いますが、除草剤のお世話にならずに唯取り除くだけでは無く、何か他の対処の仕方を考えた事がおありですか。

 

庭先や畑地で発生する雑草には、1、2年生の種子繁殖するものと種子も出来る多年生とがあり、又在来種と帰化植物となった外来種とがあり、特に外来種は発生場所の環境への適応性に優れ、侵略的な旺盛さを発揮するケースが多く徹底した駆除が必要です。

  

 ―簡単に調べれるWeb図鑑-

日本でも「特定外来生物法」なる法律が平成16年6月に制定され、その中には要注意外来生物リストがあり、代表的な畑地雑草が何種類か含まれ、その侵略性が懸念されると言う事です。

雑草の駆除には先ず種子を作らせない様にする事であり、その労力から出来るだけ幼少のうちに周辺を含めて完全排除の除草が必要です。 それには先ずその種類を同定し、それぞれの対処の仕方を考えます。(都会住いで雑草の花でも可憐と愛でる方々には申し訳ありません。)

 

関東地方の4~5月に発生した畑雑草の種子生産量は、作物との競合が無いと、株当りカヤツリグサスベリヒユ50,000100,000シロザメヒシバイヌビユ10,00020,000、ヒメイヌビエ、オオイヌタデ、クワクサは2,0005,000粒、ツユクサ8001,000粒、エノキグサ150300粒との調査報告があり、放って置くと、雑草の種子の生産量は大変膨大であります。

 

一度落ちた雑草の種は、何年にもわたって毎年、少しずつ発芽し続けますから、毎年同じように生えて来ます。毎年同じように除草を続けるのは大変な根気を必要とし、何処かで手を抜くと発生量はだんだん少なくなっても、取っても、取っても一定量が後から後から生えるようになり、その分発生期間は長期にわたります。

 

菜園等では、発生生育している雑草を中耕によって切り取り、埋め込む事で除草処理できますが、それは新たな雑草の発生の機会となり、その後の除草に手を抜くと返って後の除草が大変です。

 

埋土種子からの発生量を減少させるには、新たな種子の増加を防止する事であり、次に新たに埋土種子となる外からの流入を防ぐ必要もあります。

 

そこで、生える雑草の種類から、外部からの飛来した種子か、尚も地中に生き残っている埋土種子かを判定し、その発生源まで徹底して追跡し、最後の一本も何処にも残さない覚悟の除草が、「雑草との戦い」に勝つ事なのです。

 

栃木県の鹿沼の「皐月園」で、過って育種家として有名であった青山某氏、「園芸家になるには、先ず雑草との戦いに勝つ事。」と言った話があります。

 

園地の雑草の発生を抑えるには、何かグランドカバーとなるものが必要であり、欧米では芝生をグランドカバーにする芝生文化が定着しました。日本には、残念乍ら芝生をグランドカバーにする文化が育たず、その意味では日本は雑草が生え放題となる雑草天国でもあるのです。

 

     ―菜園を囲む洋芝生の「リビエラ」-

外房の拙宅では、150㎡ほどの菜園のまわりをバミューダグラス「リビエラ」で囲った芝生地にして雑草との戦いを先ずは休戦に持ち込みました。

でも一部の埋土種子からの発生雑草には3年経っても手を焼いています。

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