白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―種から育てるエシャロット―

2015年06月15日 | シャロット

昨年の9月中旬に新プランター方式で種を蒔いたエシャロット、その苗を11月中旬に外房の玉葱の畝の隣に300本程移植して早くも7カ月近く経ちました。

先月5月末の玉葱の収穫時では、未だ葉が青々として居ましたが6月も中旬と成れば、そろそろ収穫期を迎える頃と思い、昨日ジャガイモの掘り上げもあって見て来ました。

 葉柄が倒伏して葉が枯れ始まっていると期待したのですが、不思議な事に外葉が枯れ始める中から、黄緑色の複数の新葉がもしゃもしゃと重なるように伸び出して居るでは有りませんか。

 

―新葉が伸び出している収穫前のエシャロットー

先日、関東地方は例年通りの梅雨入り宣言があり、此の時期の高多湿な天候で土壌水分が過剰になり、2次成長となって新葉が新たに伸び出したと言う事でしょうか。

此れと良く似た姿は分割して株状になる長ネギの「坊主知らず」」でも良く見かけるのですが、この種子から育てた「エシャロット」、果たしてこの先どうなれば順調な収穫が出来るのか待って見るしかありません。

とりあえず10株程を抜き取って見ましたが、株元はしっかり肥大して一部がピンク色の固く膨らんだ貫禄の或る姿をして居ます。

 

―試しに抜いて見たエシャロット、既に収穫期かも?ー

そのエシャロット、フランス名であり、英名ではシャロットですが、一般野菜として店頭で見掛ける事は殆ど無く、紛らわしい事に日本では、若取りしたラッキョウを「エシャレット」と呼んで居り、それが本来のエシャロットと混同されて、その名が知られ亘って良く耳にするようになったようです。

一方ではグルメ志向もあって、エシャロットはランス料理では欠かせない香味野菜と言う事が知られる様になり、それで関心が高まっているのも確かです。しかし、大方の人が手に取って、栽培されたエシャロットを見るのは未だ稀な様ではあります。

 

―手に持って見ると此の大きさです!-

日本での野菜としてのエシャロットの一般情報をネット検索しても、若採りラッキョウと混同された情報が依然として多く、エシャロットの品種や栽培法等は皆目見当たらず、当然とは言え、其の実体は未だはっきり日本に伝わって来ていないと申せます。

今年はじめて収穫する事になる外房の菜園で育てたエシャロット、フランスからの輸入種子のEshalion Cuisse de Poulet du Poitueであり、典型的な形のフレンチ バナナ エシャロットですが、何時頃から、日本でも種が販売されるようになったかは分かりません。唯、其のタネを買って、既に趣味栽培等で育てた事のある方が多々居られるようですが、ネット上で見る限り、栽培結果を発表した話で、これぞと言えるような情報は、残念乍ら見掛ける事が先ず有りません。

 

―フレンチエシャロットの輸入種子―

それで先日、エシャロットの品種情報を検索して居て、アメリカコーネル大学の家庭園芸情報の中に56種の野菜が紹介されて居るサイトを見つけました。

其の中に何と28種類のエシャロットの品種が紹介されて居ります。其の品種毎に検索を重ねて詳細情報を追い、前述のEshalion Cuisse de Poulet du Poitue”、どんな品種なのか或る程度知る事が出来ました。

 

      ―コーネルの園芸情報サイトロゴー

其のエシャロットの欧米での評価、最新の栄養学の観点から言うなれば、食品の持つ3つの機能に分けられます。

先ず揚げられるのが、玉葱の一種としてのエシャロットの持つ栄養面での優れた1次栄養機能、次にグルメ志向も有って、食通の方からの高い評価を受けている、嗜好面での優れた働きを持つ食材の2次栄養機能、そして三つ目は、今日の飽食の結果と問題にされて居る、日本で言う生活習慣病等の疾病予防面での高い効果をもたらす3次栄養機能であります。

 

―分球して立ち上がるエシャロット―コーネルサイトより

エシャロットには、そうした優れた特質を野菜として備えていると言う事であり、それを端的に申せば、エシャロットはネギ科野菜の中では最も栄養成分が多く、食べては食通を魅了する香味特性を持ち、且つ、生活習慣病等の発症を予防する多彩な植物栄養素のフィトケミカルスを含む事です。

 其の事は亦、今日の乱食が齎す栄養の偏りの中にあって、栄養機能食品等の様々な栄養サプルメント類が次々と売り出される時代となり、片や一般消費者は野菜の持つ本来の機能を益々強く求めるようになり、それに応える野菜類が模索されていると捉える事も出来ます。

 さて理屈っぽい話はそれまでにして、エシャロット栄養価ですが、日本では一般に若採りラッキョウのエシャレットと混同したような情報が多く、肝心なエシャロットの栄養に就いての情報等は殆ど有りません。

 

-このような分球がエシャロトの特徴-WebImagesより

ユーラシア大陸を背にしての島国の日本の多くの野菜類は大陸側から伝わって来たのですが、日本の玉葱栽培は明治になってアメリカから入って来て始まったとは言え、それ以前の古くから、東南アジアを始め、中国でも作られて来たと言う小玉葱のエシャロット(シャロット)、日本にどうして入って来なかったのか不思議でなりません。

 平安時代に中国から伝わったとされ、江戸時代から盛んに作られて来たと言う 「ラッキョウ」、今ではそれを生で食べるようになって 「エシャレット」と呼び、其れとの区別がはっきりつかず、時には同じものように捉えられるのは奇妙と言うか情けない話です。

 

これが今流行りの生食のエシャレットです!WebPagesより

それでは此処で、先のブログ記事でも一寸触れました「エシャロット戦争」の話を致します。これは玉葱と同様に、種子繁殖で栽培品種が数十種にも広がったエシャロットF1種を相手にして、フランスで起こったのであり、昔からのセット球に依る栄養繁殖で伝統種のエシャロットを守って来たフランス農民の起こした法廷闘争です。

 日本産のエシャロットが日常的に、日本も店頭に並ぶようになる日が来るか如何かは、多分、玉葱との差別化が出来る事に掛かっていると申せますが、エシャロット伝統種栽培を守る保守派と新興勢力のオランダ産F1エシャロット栽培派との戦いであり、それは真実を尊ぶ正義の戦いでもあるとネット上に有りました。

 

―典型的なフレンチ バナナエシャロットーWebPagesより

フランスのエシャロット栽培農家は、2003年以来国内外のエシャロット市場で生き残る戦いを続けて居り、其の相手と言えば、神聖なるシャロットを名乗るメリットに値しないと彼らが唱える、新改良品種 “オランダエシャロット”であります。

 何故と云えば、フランス側が言う本物のエシャロットは昔から種が取れる花が決して咲かず、分球したエシャロットを再び植え戻して生産するしか無い作物と言う事です。

エシャロットはニンニクのリン茎と同じように、其の同じ形質の分割球で栄養繁殖するのであり、それが亦、分けつ球が根低部で繋がり、外側に開いて、即収穫出来る便利な特性を備えています。

 タネから育てるエシャロットに対する栄養繁殖エシャロット、その違いには味覚に関する拘りと伝統意識に裏打ちされた保守感覚が背景にあり、正に妥協なき戦いであり、本当のエシャロットの味を知らない消費者が其の生き残りのカギを握るとなれば、結論は大変難しく、何とも気の毒な事と申すしか有りません。

 エシャロット未開市場の日本では、縁の遠い話ではありますが、このエシャロット戦争の事の起こり、フランスがアメリカの成長ホルモン投与飼育の肉牛の輸入を禁止した報復措置で、アメリカ側がフランスからのエシャロットの輸入を止めたのが始まりと言い、其処で漁夫の利を得る形となったのが、低コストで量産可能な種子から生産するF1エシャロットの登場であったと言います。

 実は、前述の“Eshalion Cuisse de Poulet du Poitue”元は世界第二次大戦中にドイツ西部モーゼル地方からの難民家族によってフランスの或る一地域に持ち込まれ、自家菜園用にで作られてきた作物であって、長い間一部の生産者によってのみの限られた地域市場に出回っていて定評の有ったエシャリオン、バナナエシャロット品種とあります。

それがフランス伝統あのエシャロット栽培に支障を来す事が無い種子繁殖できるエシャロットと公式に認められ 「バナナエシャロット、ポワトゥーからの鶏の腿」の名の下に1990年代半ばになって、一般市場向けの種子が売り出される様になったとネット上にありました。

 

―種から育てて9カ月、どうやら収穫時期のようです!ー

尚、エシャロットの未開市場である日本にとっての耳よりな話を一つ見つけました。貯蔵期間の比較的短い玉葱に対して、長期保存の可能な性質を持つエシャロット、年間を通じて玉葱の優れた代役が務められる、玉葱より優れる高級食材と言う事です。

今年収穫した玉葱、その無くなる9月以降の代役に、フレンチ バナナ エシャロットが務まるか如何か、それにセット球繁殖が可能か如何か、拙宅では試練の年になるようです。

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4 コメント

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echalionは玉ネギです (ss)
2017-06-18 21:17:29
エシャリオンは,エシャロットと形も味も似ておりますが,エシャロットでなく,玉ネギです.

フランス語版wikipediaのEchalionの項目(https://fr.wikipedia.org/wiki/%C3%89chalion)を訳しておきます.「エシャリオン,別名「ニワトリのもものエシャロット」は玉ネギ(Allium cepa)の1品種で,エシャロットに似ていて,よくエシャロットと混同される.エシャロットと違い,エシャリオンは,細長いただ1個の球根をもつだけであり,種を蒔いて作られる.料理での使用法は非常によく似ているが,エシャロットより香りに乏しいと言われている」

エシャロットは,アサツキ同様,秋に球根を植え付けると,それが4,5個に分球して春に収穫されます.エシャリオンは,玉ネギですから,種を撒き,できた苗を植え替え,春に単一の球根で収穫します.かりに球根で植え付けても,いわゆる[ホームタマネギ」ですから,分球せず,1個の肥大した玉ネギになるだけです.(ホームタマネギ同様,なにかの事情で分球することもあるのかも知れません)

エシャロットにも花が咲き,種ができます.この種を撒いて栽培すると,まともな大きさのエシャロットになるのに,3年かかるそうです.したがって,種蒔きは,種業者が新品種を発見するために実験農場で行うくらいのもので,通常の栽培では,球根から栽培します.

日本では,エシャリオンの種が,エシャロットの種として売られていますが,ほぼ詐欺です.エシャロットを栽培しようと思えば,食品として輸入されたエシャロットを種球として植え付けるのが,もっとも簡単なやり方です.
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echalion (続き) 困った種売りサイト (ss)
2017-06-18 22:40:22
楽天のechalionの種売りサイトの例です.
http://item.rakuten.co.jp/mrsliving/154/?scid=af_pc_ich_link_urltxt_pc&sc2id=af_101_0_0

種袋にはechalionと書いてあるだけで,どこにもechaloteという記述はありません.ところが,このサイトは堂々と「エシャロット」と書いています.この種を買った人は,エシャロットを栽培していると信じ込むでしょう.

写真も問題です.種袋のすぐ下の写真で箱に入っているのは,本物のエシャロットです.さらにその下の写真では,前面にあるのが「灰色のエシャロット]と呼ばれるフランスの伝統的なエシャロットの品種で,真ん中の赤っぽいものは「フランスのエシャロット」という名の(多分,比較的新しい)品種で,1番後ろはエシャロットでなく,ニンニクです.

問題は,このサイトで売っている種を撒いても,種袋通りの玉ネギができるだけで,下の2つの写真にあるようなエシャロットになることは決してないということです.
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echalion(続き2)フランスの種の生産会社のサイト (ss)
2017-06-19 21:03:31
この種の生産会社 Les doignts vertsの Echalion cuisse de poulet du Poitou のサイトは,以下のものです.そこには,エシャリオンが玉ネギの1品種であると,はっきり書いてあります.
http://www.lesdoigtsverts.com/echalion-cuisse-de-poulet-du-poitou

公式名称
Allium cepa

商品の説明
エシャリオンは玉ネギの1品種で,エシャロットに似ており,非常に高品質の味をもつ.種を撒くと,その年のうちに,細長で,赤っぽく,極上で繊細な味の球根を収穫できる.

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ついで.この品種は public domainの固定種で,別のよく知られた名前は,Zebruneです.この名前で売り出している種生産業者 Ernest Turc(フランスのAnjouとBretagneの種会社)のサイトでは,商品名を Oignon Echalion Zebrune として,Zebruneという名前のエシャリオンは玉ネギであることを明示しており,説明文のなかでは,「エシャロット味の玉ネギ(Oignon au gout d'echalote)」と記述しています.

http://www.ernest-turc.com/catalogue/oignons/1742-oignon-echalion-zebrune-3262810089003.html

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以上から分かる通り,フランスの種の生産会社は,エシャリオンがエシャロットの1つの品種だなどとは言っておらず,はっきり,玉ネギだと書いています.結局のところ,日本の種販売会社が,日本人の無知につけ込んで,エシャリオンを,エシャロットの1種であるかのように思い込ませているわけです.ラッキョウを,エシャロットやエシャレットと呼んで消費者を混乱させるだけでも問題が多いところに,たとえエシャロットの味がするにしろ,エシャロットでない玉ネギをエシャロットと思い込ませるのは,さらに問題を複雑にするように思います.
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エエシャリオンとエシャロットの違い (管理人)
2017-06-20 14:12:18
ご丁寧な書き込み恐れ入ります。
唯、何を申したいのか良く理解できませんが、エシャリオンとエシャロットは確かに違います。
エシャリオンは英名ではスカリオンであり、エシャロットの英名のシャロットとは異なる事は明白であり、だからと言って、エシャリオンをエシャロットでは無くて、玉葱ですと言うのも一寸おかしな話になりますが、ご理解できますか?

尤も、”Allium cepa”とするなら、其の範疇は大変広くなり、シャロットも亦その中に入り意味は分かります。

唯、其の中でも大きな違いは、栄養繁殖での分球栽培が期待できない?(エシャリオン)はでありますが、その食味が大型のシャロットの様であって、評価が高いのかも知れません。

それを、日本の輸入種子販社がエシャリオンとエシャロットの違いが良く分からず、エシャロットと偽って販売しているかのような曲解ともとれる言動は申し方は慎むべきと思います。

尚、ご指摘のエアルーム種"zeburune"は"shallot"の一種として、先のコーネル大学の中の資料でも分類されています。それも、あまりにもシャロットに近いので
スカリオンとする訳に行かないのでしょう。
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