白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―今年のレッドシャロットの収穫ー

2018年05月30日 | シャロット

今年の5月の気温は例年よりも高めで推移して各地で真夏日が伝えられ、昨日は早くも九州、四国の梅雨入りが発表されたのですが、季節の移ろいが何か例年よりも早いように感じられてなりません。

この分では関東地方の梅雨入りも早まるではと思われ、これから堀上げる晩生種玉ネギの乾燥処理作業が一寸心配になります。

先日は外房菜園のソラマメの「陵西1寸」の収穫を一寸遅れましたが無事に済ませ、合わせて収穫したのが昨年は大失敗の「レッドシャロット」であり、堀上げて見ると見事に玉が肥大していたので玉切り仮干して、15㎏程を東京に持ち帰りました。

 

―収穫量は10㎏ネット袋 2袋で約15kgありました!-

その「レッドシャロット」ですが、高温多湿な南方アジアの日本よりも低緯度地方で栽培される南方種と言う事で 「トロピカル レッド シャロット」と勝手に名を付けてそう呼んでいたのですが、今般の良好な玉の肥大結果から見て、これならば充分商品価値のある本格的な栽培が外房でも可能と確信しましたので、敢えて「トロピカル」と呼ぶのをやめて唯のレットシャロットと呼ぶことにしました。

元よりシャロットと言えば、フレンチエシャロットに代表される栄養繁殖する西洋種であり、上下に一寸細長い形状で外皮が赤銅色した種類が古くから中心的な品種でありました。其の後エシャリオンと呼ばれる玉ネギとの交配種?から育成されたより大型で細長い形状の品種が加わって品種が色々と増え、今ではオランダやベルギーでの種子繁殖専用の新興シャロットが多くなり商業生産性は著しく向上し、比較的に廉価な新シャロットの市場出荷が多くなって居ります。

一方ではホビー栽培用にもなるF1シャロット種子が何種か園芸店に並ぶ時代になって、日本にも亦、其の種子が入ってきています。

 

― Red Legion and F1 Bastion varieties

それなのに遠い昔から、相変わらずに今尚延々と栄養繁殖で育てられて居るのが、その形がずんぐりとした分球型の外皮が濃い赤紫色の「レッドシャロット」であり、品種分化は殆ど進まず、呼び方のローカル名はそれぞれ異なっていながら形態的には殆ど変わらずに、アジア一帯で今日まで栽培続けられているのであり、その背景の長い歴史に想いを馳せると、これこそが正しく東洋で生き残っている伝統種シャロット、学名、Allium Cepa L. Aggregatum.そのものずばりでは無いかと、何か感慨を覚えずには居られません。

 

―天日干しされたレッドシャロットを整理するアジア女性達―Web画像より

それは亦、発祥の地を同じくしながら洋の東西で別れて発達した夫々の食文化の下で、様々にその利用法が異なる結果になっているのですが、その優れた形質の持つ香味野菜としての「分球小玉ネギ」であるシャロット、その遺伝子は今後も守られて廃ることなく引き継がれて行くべきと思います。

其の伝統東洋種シャロットの真価をどのように捉えて皆さんに発信したら良いのか、其の園芸栽培法を含めて、この香味野菜としての日本人向きの利用法をネット上から探してはそのレシピを様々に試みて、その結果を広く伝えて行くことが自分に課せられた課題となるのではとの想いがあって、早くも来期の種球根の植え付け準備にいろいろと考えを巡らせて居ります。

 

ー外房菜園で今年収穫したレッドシャロットー

話は一寸前後しますが、西洋種エシャロットの原点はと言えば、中世に十字軍が聖地エルサレム遠征先からヨーロッパに持ち帰ったのが始まりと言われ10世紀頃の事です。

其の原産地と言われる中央アジアからは、それ以前に東アジアに掛けて伝わって居たと充分に想像できるのですが、食の必要度に影響する地域環境の相違からでしょうか、今日まで品種分化することなく延々と守られて来たのが、この赤い分球小玉ネギであります。東南アジア諸国では、滋味豊かな伝統香味野菜食材と言うだけあって、今も其の幅広い用途の需要に応える為の膨大な生産量を誇っています。

海外から流入する諸文化の終焉の地となる極東の島国の日本に其れが伝わってこなかった!それで日本人は≪分球赤小玉ネギ≫のレッドシャロットを今日までも知らなかった!とは、誠に不思議に思えてなりません。

尤も日本に玉ネギが入って来て本格的に栽培されるようになったのは明治以降であり、元より現代玉ネギが分球する事は、作物生産上からすれば品種としての欠陥事項であり、今尚玉ネギの分球は好ましくないと、はじめから極めて掛かって居り、玉ネギのそんな遺伝的形質は認め難いとする日本人は今も居られるでしょう。

その遠い昔にその姿を日本に現したかも知れない≪分球赤小玉ネギ≫のレッドシャロットも亦、其の奇妙な?赤彩色で分球する形状に不気味さを感じた日本人が門前払いしたのが、日本に入ってこなかった理由であるかも知れません。

 

―今や輸入レッドシャロットの通販も盛んです!-Amazon より

話は亦飛びますが、前述の種子繁殖を可能にするシャロットの育種に成功したのは1992年の事であり、其の狙いは東洋種のレッドシャロットの栄養繁殖から種子栽培種に切替えさせる試みであり、東南アジアのレッドシャロットの農業生産の一大変革が目的で有ったと言います。しかしながら、今のところ其の目論見通りに進んでいないようであります。

多分、フレンチエシャロットでも昔から変わらない伝統種の味覚が、今尚高く評価されて居り、喩え手数が掛かっても頑なにその品種が守られているように、未だに栄養繁殖で育てられる伝統東洋種レッドシャロットの持つ香味野菜としての微妙な味覚には、新しい種子栽培品種では決してまねの出来ない違いがあって、其れが切り替えの普及を妨げている理由かも知れません。

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