足におできができたと来院されたのはMIX犬のくぅちゃんです。
体は大きいですが、とっても怖がりさんなくぅちゃん。いつも診察台の上ではぶるぶるふるえています。でも、とってもおりこうさんなので噛みついたりはしません。この写真でも怖くてお耳が倒れてしまっています。
お話を聞くと、当日の朝、ご主人がおできに気づかれたそうです。みてみると右後肢の膝関節の裏側に直径8㎜ほどのドーム型の腫瘤が見られました。
↑ 赤くぷっくりとふくらんでいます。本人は気にしていないみたいでした。
細胞診をしてみると、炎症細胞とシート状の上皮系細胞がみられました。
ドーム状の形状と細胞診から皮膚組織球腫の可能性が高いと考え、炎症細胞がでていたので、抗炎症作用のある塗り薬を塗ってもらいました。
↑ 1週間後の様子です。腫れはだいぶ引いています。本人も気にしていないみたいでした。まだ少し赤みがあるのでもう1週間塗り薬を塗ってもらうことにしました。
↑ 2週間後の様子です。すっかりおできは小さくなり、赤みもなくなっています。お薬ももう塗っていないみたいだったので、これで治療終了となりました。
皮膚組織球腫は良性の腫瘍で、今回のように外科処置を行わなくても自然に治っていたということが多いですが、よく似た腫瘍で悪性のものもあるので、何か気になることがあれば、様子を見すぎずにご相談くださいね。
獣医師 酒井