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前立腺膿瘍になった小次郎君

2016年04月21日 | 診療科目

「昨日の朝から元気と食欲がない」とのことで来院されたのは14才のダックスフンドの小次郎君です。

お話をお聞きすると、先日、お知り合いが飼育できなくなって引き取られたそうです。

診察をしてみると確かにぐったりしていたので、各種検査を実施してみると前立腺部が熱を持ち腫れ上がっていました。

前立腺の位置とエコー初見

 

前立腺はオス犬の膀胱後方に位置する副生殖腺で高齢になると前立腺の肥大を起こし、悪化するとのう胞の形成や化膿して膿瘍を引き起こします。

今回の初見から「前立腺膿瘍」と診断し、まずは応急処置として前立腺内に溜まっている膿の吸引処置を行い、入院療法で状態安定に努めました。

治療開始して5日目で状態が安定したので、治療及び再発予防のために去勢手術を行い、同時に上顎犬歯の場所で口鼻孔瘻を形成していたので抜歯を行いました。

 

↑抜歯後の口の状態と処置翌日の様子

その後は、継続してお薬を飲みながら状態の安定化に努めましたが、1.5ヶ月でのう胞もほぼ消失したので治療を終了しました。

↑前立腺内ののう胞の様子

 

小次郎君は、軽度の会陰ヘルニアと胆嚢も若干濁っているので、定期検診を続けながらサポートしていきたいと思っています。

 

獣医師 佐藤

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