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膿胸のアッシュちゃん

2015年11月06日 | 診療科目

今回はある日突然、呼吸が苦しくなり、一時は生死をさまよった5歳の猫のアッシュちゃんを紹介します。

ブリティッシュ・ショートヘアーのおとなしい猫さんです。

数日前から急に呼吸が苦しそうで元気がないとのことで、福岡夜間動物病院に来院されました。

そこで胸部のレントゲンを撮ってみると

  

肺が白くなって心臓の輪郭が見えなくなっている所見などから、液体が胸の中に溜まっていることが疑われます。そのため、呼吸困難になっているようです。

超音波検査などからも液体が溜まっていることが分かり、胸腔内にカテーテルを設置する緊急手術が行われました。

↑手術で設置された胸腔カテーテルです。ここから定期的に胸水を抜去して溜まらないようにします。

液体を抜いたところ、大量の膿が採取され、膿胸と診断されました。

翌日の朝より当院に来院され、それから数日間は意識はあるものの写真のように横になったまま全く動かず、また貧血や低アルブミン血症なども併発していたため、酸素室内での集中管理が必要な状態でした。

 

↑少し調子がよくなってきた頃の写真です。この頃にはたまに自分で寝返りを打つようになっていました。

その後、順調に胸腔内の膿も減っていった為、胸腔カテーテルを抜去し、今ではお家で元気に過ごしています。

↑退院前のアッシュちゃん。まだ点滴はつないでいますが、ゆっくり眠れるようになりました。

  

↑退院3週間後のレントゲンです。心臓の輪郭などもはっきりと見えるようになり、胸水がなくなっていることが分かります。

猫の膿胸は突発性に起こる事があり、急激に進行してしまう病気なので、猫ちゃんを飼っている方は呼吸がおかしいなと思ったら様子を見ずに相談してください。

獣医師 小芦


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