今回は、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)を発症してしまったコロちゃんのお話しです。
みなさんは、「元気が出て、食欲が増えて、お水もよく飲んで、太る」こんな症状の病気があるって知ってますか?
実は副腎皮質機能亢進症の初期症状は、このような全く病気とは思えない症状なので、病気の初期に見つける事は、なかなか難しいものになります。
では、実際にはどうやって病気に気付くのかというと、病態がもう少し進行して「毛が薄くなってくる、お腹が張ってくる」などの見た目の変化に飼い主の方が気付いた時に分かる事が多いです。
↑このような状態になってから相談されることが多いです
さらにこの病気の恐い所は、この状態から進行すると様々な症状を引き起こし、数ヶ月でお迎えになってしまうところです。
詳細は省きますが、原因によって外科治療や内科治療が選択されます。
概ね、外科治療を適応する場合は完治を目指して行い、内科治療を適応する場合は病状を改善させてあげて生活の質を保ちながら1年くらいの延命を当初の目標において治療を開始します。
コロちゃんは、外科適応外でしたので、内科療法を始めることになりました。
↑治療開始4週間目で、少しお腹の張りと脱毛が改善
↑8週間目でさらにお腹が引っ込み、被毛も増えてきました
↑10週間目で、更に被毛が増加中
1日の飲水量と定期的なホルモン濃度の測定では、まだ治療維持期には入れてませんが、概ね順調に進んでます。
このまま、飼い主の方と協力して、コロちゃんを支えて行きたいと思います。
最後に、「最近よく水を飲む」と思ったら、お家で1日の飲水量を測ってみて下さい。
1日量が、体重1kg当り100ccを超える場合(10kgの体重の子なら1L)は、病気のサインなので、早目にかかりつけの動物病院に相談してみて下さいね。