福岡県糟屋郡須恵町 リヴ動物病院           こちらで病院紹介を行っています。

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東日本大震災後の動物たちの現状

2012年10月09日 | コラム

H23.9 掲載  記: リヴスタッフ

 先日、院長不在の際に代診として当院に来てくださった船津先生から、福島原発20km圏内に残された動物たちのお話をお聞きすることが出来ました。

 船津先生は、福岡県中間市にあるハーレー動物病院の院長先生で、当院の院長の師匠でもある方です。そして、獣医師会でも幅広くご活躍なさってます。

 毎日、診察や会議、学会等でお忙しくされているその船津先生が西日本からたった1名、7月17日・18日にボランティアとして、福島で被災したイヌ・ネコの保護活動に行かれたそうです。そして、先日の8月5日には、2度目の訪問をされたそうです。

 

お話が長くなってしまうので、まずは私たちなりの受け取り方で結論から書かせてもらいます。

 震災が起きたことで、やむなく動物と飼主さんが離れ離れの生活を余儀なくされた。そうなることで、本当の飼い主が見つからずイヌネコの避難所には、イヌネコがあふれかえってしまい、避難所も手いっぱいの状態であること。

 きっと前例がないため、そうせざるを得なかったのが現状だと思います。ましてや、あんなに大きな津波がきてしまったら、平常心ではいられないですよね。

 ただ、もし飼い主さんと一緒に過ごせる避難所、もしくは、一緒に逃げることが出来ていれば、マイクロチップがもっと普及していれば、誰に飼われていた子なのかはっきりするので、途方に暮れるイヌネコは少なかったかも知れません。

 今後、またこのような事態が発生した時の対策を、今からしっかりと考えておくことが大切なんだ、、と感じました。

 

 下記に書くことは、私たちが船津先生に聞いた福島の現状でした。

お時間がある方は、読んでいただければ‥と思います。

 大地震から今月で5ヶ月が経ちます。いまだにテレビでは原発の話はよく聞きますが、被災した動物の話だったり原発20km圏内が今どのような状況か、などの話はあまり聞かなくなったし、よくわからないですよね。

 今現在の福島は、いまだに原発20km圏内には、野良化したイヌやネコがいるそうです。(頭数は定かではないそうです)

 ボランティアさんが交互に連絡を取り合いながら、毎日エサや水などを所定の位置に置いているそうで、そのおかげで、その野良イヌやネコは生き延びていられるのだろう。とおっしゃっていました。

 今は野良になってしまっている子も震災前はきっと飼いイヌや飼いネコとして生活していたはずです。

 今放浪している子たちも保護してあげたいのですが、なかなかうまくいかない事も多いようで、震災の影響からか警戒心が非常に強く、ボランティアさんが近づくことも出来ない子もたくさんいるそうです。

 それでも諦めずに、毎日動物のために暑い中ボランティア活動をされているそうです。

 また、倉庫のような建物を『シェルター(イヌ・ネコ避難所)』として、管理しているそうです。

 冷暖房完備のとても広い場所で、1匹1匹は大きめのケ-ジに入っており、どの子も怯える様子もなく、落ち着いた雰囲気でくつろいでいる写真も見せてもらいました。ここまで聞くとすべて順調にいっているように聞こえますが、

 実は、下記のような問題が起きているようです。

     ・イヌ・ネコの入るスペースがもう限界に近づいている。

     ・お世話をしてくださる方の人数が少ない。

 今、この施設でボランティア活動をされている方は約20名ほど。それに対して、預かっているイヌ・ネコは約200頭。

 ざっと計算しても、1人の方が10頭以上の子のお世話をしていることになります。

 毎日1匹ずつ、散歩・食餌のお世話・健康管理・犬舎の掃除などなど‥‥それを10頭こなしていたら、あっという間に夜になり‥‥1日が終わったらあっという間に朝が来て毎日その繰り返しだそうです。

 県外からもイヌ・ネコを預かります!!と名乗ってきてくださる方もいるそうですが、放射線を浴びているかもしれないイヌ・ネコを県外に出すのは、簡単ではないのが現状だそうです。

 このようなお話を聞いて、同じ日本でこんなにも違う毎日を過ごしていることを知り、また、被害にあった人々や動物たちがこれから先、いつになったら安心した生活ができるのかな?など考えさせられ、非常に胸が熱くなりました。

 5ヶ月たった今でも、震災当時とまだまだかわらないのだな‥と感じました。

 

 最後に船津先生は

 『私たちに出来ることがあるとしたら、このような福島の現状を1人でも多くの方に知ってもらうこと。』

 と、おっしゃっていました。

 1人でも多くの方に現状を知ってもらって、今もなお、このような現実と戦っている人々や動物がいるのだということを忘れてはいけないなと思いました。それと同時に、この先このような事態が起きたとき、どうしたら飼い主と動物が離れず非難生活を送ることができるか、考えておくことも必要だなと思いました。

 船津先生からこのお話を聞かなければ、今の福島の現状を知ることもできませんでした。このような貴重なお話をお聞きすることが出来たので、皆様にもお伝えしたく、長い文章になりましたが、ブログにアップしてみました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 追伸:現地での活動費用の多くは、全国からの義捐金でまかなわれているとの事です。動物関連の義捐金は動物病院などの窓口に限られてきます。当院で集まった義捐金は日本獣医師会を通して寄付いたしますので、今後もご協力頂けると幸いです。


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ボランティア活動(学校動物飼育学習)

2012年10月04日 | コラム

 小学校における「動物飼育学習」への協力

ある小学校より「モルモット」の継続的な飼育を通しての生活科学習への協力依頼を受け 当リヴ動物病院 全スタッフにて 積極的にご依頼に協力をしていく事が決まりました。

 

*主な協力内容

     ●モルモットの基本的な飼い方や気をつける事などについてのお話

     ●授業に参加して、専門的な視野からの助言

     ●動物に接する時に心がけている事や体験談のお話

     ●子ども達からの飼育についての疑問への返答

     ●定期健診や病気になった時の助言

*生活科学習での飼育活動の目的

 生活科の授業において小動物(モルモット)の飼育を通して成長の様子に感心を持ち 小動物が生命をもっていることや成長していることに気付き、生き物への親しみをもち 大切にすることがねらい。

 

*私たちリヴ動物病院スタッフにできる事

今回、この依頼をお受けするにあたって、全スタッフで考案し、話し合いを繰り返しながら、子ども達が積極的にかつ大切に育ててくれるよう、生命の尊さを 伝えていきたいと思っています。

そして 当院の医院理念 「動物と 共に生きる喜びを感じていただく事」 を念頭に

子ども達にも「動物と一緒に過ごす時間」の素晴らしさを感じてもらえるよう 飼育係を中心に、全ての子ども達がモルモットと関わったことで生まれる「感情」に 目をむけ、この学習の目的を果たせるよう取り組んでいきます。

子ども達との出会いの日に向けて、スタッフたちは勉強と準備を始めました。 その様子は、またブログにてご報告いたします。

 

子ども達 と リヴ動物病院との出会いで「素敵な感情」が育まれる事を願っています。             


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