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会陰ヘルニアのカゲトラちゃん

2016年04月17日 | 診療科目

3月の上旬にうんちがいつものように出なくなった事で来院したのは、M・ダックスフンドのカゲトラちゃんです。

お話しを聞くと、3月の頭はいつも通り過ごしていたけどうんちをする時に今まで聞いたことないような鳴き声で鳴いたそうです。

その次の日からは排便姿勢はとるけどうんちはほんの少ししか出ず、血も一緒に出るようになり、食欲もなくなったそうです。

その後血液検査、レントゲン検査、直腸検査のを行い「会陰ヘルニア」と診断しました。

会陰ヘルニアとは、お尻を覆っている膜(お尻の筋肉で構成されています)が脆弱化することによって、骨盤内や腹腔内の臓器が脱出した状態のことです。

主に5歳以上の去勢していない雄犬で発生頻度が高いと言われています。

カゲトラちゃんは13歳という高齢でしたので、数日点滴で体調を少し整えてからの外科処置となりました。

◎手術前の状態

手術前に造影剤を使用してのレントゲン検査を行うと、前立腺という部分が腹腔外に出ていることが確認されたのでその整復術も併せて行いました。

↑本当はお腹の中に位置しておかなければならない部分がお腹の外(お尻部分)に出てしまっています。

◎手術後

痛々しいですが、カゲトラちゃんも手術に耐えてくれました!!

退院時には散歩に行く時はしっぽフリフリして喜んでくれるほど体調も持ち直してくれました!

◎抜糸後の様子

表情も元気になって本当によかったです!これからもカゲちゃんをしっかりサポートしていきたいと思います。

 

また、会陰ヘルニアは男性ホルモンが関連しているものと考えられているので、雄犬では去勢がこの病気の発生率を抑えてくれるものと考えられています。

去勢をしていないワンちゃんがいたら、早めに去勢することを強くお勧めします。

 

獣医師 平湯

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