今回は、おへその所に大きな腫瘤が出来た柴犬リンちゃんのお話しです。
リンちゃんは生まれながらに左手に障害を持っていて、日常は3本足で生活しています。
ご家族の愛情ですくすくと育ち、そのせいもあってお家ではちょっとわがままな性格らしいですが、気が付くともう12才のりっぱな高齢犬の仲間になっています。
↑お家では勝ち気なリンちゃん(何故か病院では我慢出来る子です)
↑おへその場所に大きなしこりがありました。
このしこり、今は生活に支障がないそうですが、大きくなっていることを考えると、いつ破れてもおかしくありません。飼い主の方と相談して切除する事になりました。
切除は特に問題なく実施でき、同時にしこりの直下にあった臍ヘルニアの整復と病気の予防を考えて去勢手術も行いました。
しこりの病理組織検査の結果は「漏斗部角化棘細胞腫」という名前の腫瘍でした。
今回の病理組織診断は「住化テクノ株式会社」にお願いしました。
初めて聞く名前の腫瘍ですが、以前は「皮内角化上皮腫」と呼ばれていたもので、新しく動物のWHO分類で名称が変わったとのことでした。
もちろんこの腫瘍は良性腫瘍で、切除後再発等の問題はないです。
↑抜糸の時の様子(今日もちゃんと我慢しているリンちゃん)
↑解放されたりんちゃん(表情がほっとしてます)