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子宮蓄膿症と乳腺癌のうらんちゃん

2014年07月13日 | 診療科目

今日は12才のミニチュア・ダックスの女の子「うらんちゃん」のお話しです。

*内容に手術中の写真があるので、苦手な方はご遠慮下さい

初めてリヴに来た「うらんちゃん」はとても元気が無く「5日前から呕吐と下痢が見られ、元気もいつもの2割程度しか無く、ご飯も食べなくなった」とのことで来院されました。

 

一見した所、「これは命に関わる問題が起きている」ように感じたので、飼い主の方に「まずはどうしてこんな状態になっているのかしっかり調べましょう」と説明をして各種検査を行いました。

 

血液検査では、白血球数とCRPの著名な上昇が認められました。

 

 

↑胸部レントゲン検査では特筆すべき異常はありませんでした。

 

↑腹部エコー検査にて、子宮と思われる臓器の拡張所見が認められました。

 

上記の検査結果と状況から「子宮蓄膿症」と診断して、一般状態を改善して麻酔リスクを下げる為に一晩点滴と抗生剤の投与で内科治療を行い、その後手術を実施しました。同時に乳腺部の腫瘤の切除を実施しました。

 

↑左:充血して拡張した子宮(摘出前)/右:乳腺部の腫瘤

 

一般状態が悪かったので、術後は状態が安定するまでに3日ほどかかりましたが、その後は順調に回復し、約10日ほどの入院を経て元気に退院して行きました。

 

乳腺部の腫瘤の病理検査結果は残念ながら「複合癌」という診断で、再発や転移を心配しないと行けない検査結果でした。この件については飼い主の方と相談してβグルカンによる免疫療法を補助療法に取り入れて継続治療をすることになりました。

今回の病理検査は「住化テクノサービス株式会社」で実施してもらいました。

 

退院後は一般状態も良好で、外見上は健康そのものと言える状態になりました。

↑表情が当初と全然違いますね

しかし、血液検査のCRPという項目がなかなか正常値まで戻らず苦慮しましたが、先日の検診にて無事正常値まで戻り、晴れて子宮蓄膿症の病気の治療は終了出来ました。

  

↑術後1ヶ月の傷口の様子とうらんちゃん

なんとか治療が間に合い助かった命です。今後も飼い主の方と相談しながら継続治療を行って行きたいと思います。

 

 

 


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