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動物の麻酔について(前編)

2013年11月14日 | 診療科目

皆さんは動物の麻酔はどのように行われていると思いますか?

 

 

 

今回は、あまりよく知られていない動物の麻酔について、お話しようと思います。 

 

麻酔は手術などを行う場合、切っても切り離せないものです。

 

手術では、多くの場合身体にメスを入れるケースがあり、動物達には大きなストレスと痛みを伴います。

 

麻酔をすることの大きな目的は、そのストレスや痛みを感じさせないようにし、安全に医療処置を受けていただく為と言ってよいでしょう。

 

 

 

また、動物では人のようにじっとしている事ができません。

 

確実な処置を行うためにも、局所麻酔ではなく全身麻酔が必要な場合が、人と比較して多いと思われます。

そのため、手術だけではなく内視鏡検査、スケーリング(歯石除去)など各種処置も全身麻酔により動かないようにして処置を行います。

このような理由で、動物では麻酔処置を行うことが多いのですが、それ故に、日々安全な麻酔処置を意識しております。

 

 

 

では実際にどのように麻酔を行っているかを説明して行こうと思います。

 

 

 

1 まず当院では、麻酔前には必ず術前検査を受けて頂いております。

 

 

 

  a 血液検査:全身臓器の一般状態を確認します。麻酔前には全ての動物で実施しております。

 

 

 

        ↑ 全血球計算:白血球や赤血球などの細胞成分の濃度を測定します

 

 

    ↑ 血液生化学検査:血液中の肝酵素や血糖値など様々な成分を調べることができます。

 

 

 

 b レントゲン検査:特に胸部レントゲンで呼吸器系(肺・気管など)や循環器系(心臓や血管など)を確認します。外見上健康でも中高齢の動物達には、必ずお勧めしております。

 

      

 

    ↑このようにレントゲンをモニターで見て評価します

 

 

 

c エコー検査:心臓に問題を抱えている動物は心エコー検査で心臓の確認を、腹部臓器に問題を抱えている動物は腹部エコー検査で腹部の臓器全てについて確認をしております。 

 

 

 

 

 

 

 

 これらの各種検査から得られた情報を基に、動物達にあった麻酔の方法を選択し安全性を高める他、その時に麻酔処置自体を行うかどうかの判断も行います

 

(動物達の状態が悪く、危険性が高いと判断されれば麻酔処置自体の中止もあり得ます)。

 

 この様に、厳しい目で麻酔前にチェックすることによって初めて安全な麻酔処置が行えると考えています。

 

 

 

 また、上記以外にも異なる検査が必要になる場合もあります。

 

 どのような検査を行うにしても、最も大切なことは検査を評価する獣医師の評価が一番のポイントと言えるでしょう。

 

 

 

2、血管確保: 点滴や薬剤を直接血管内に投与するために血管の中に管を入れます。

 

       これにより緊急時などもすぐに対応することができます。

 

 

 

 

 

ここまでが麻酔をかける前に行う処置になります。

 

このように麻酔処置を行う前には様々な検査や準備を行い、ここまでを確実に行うことによって麻酔の安全性が大きく異なってきます。

 

また、動物それぞれの年齢や行う麻酔処置などの違いによって適切な検査だけを行うことで、動物への負担を少なくし、一つ一つの処置を丁寧に行うことで麻酔のリスク自体を少なくする事ができると考えています。

 

少し長くなりましたので、この先の麻酔をかけるお話はまた次の機会にしたいと思います。

 

 


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