


2018/09/18 忍者管理人:伊藤 仁 Ninja1000
吉野ツーリング。
本日は日本一の葛切り(くずきり)をいただいてきました。
奈良県吉野山。
『葛屋 中井春風堂』(くずや なかいしゅんぷうどう)さん。
桜で有名な吉野山にある、葛(くず)の名店中の名店です。
吉野本葛粉や葛菓子のお店ですが、こちらの店内でいただける葛切り(くずきり)は、訪れる人を魅了する葛切りです。
葛切りの注文を受けてから、葛菓子職人のご主人が目の前で実演しながら仕上げていきます。
ちなみに、撮影許可をいただきましたのでご紹介いたします。
原料は吉野本葛粉。
葛とは、マメ科の植物で、根から抽出されるデンプンのことを葛粉といいます。
ちなみに、高級吉野葛とよく聞いたりしますが、吉野では決まりごとがあり、
吉野葛は、葛根のデンプン50% + さつまいも等のデンプン50%
吉野本葛は、葛根のデンプン100%となります。
もちろんお値段も本葛の方がお高く高級品です。
画像は葛の根と葛粉。
葛の根っこから、葛粉に精製されるまで手作業で数ヶ月かかるそうです。


葛切りを作るのに必要なのは、もちろん葛根のデンプン100%の吉野本葛粉と水のみ。
必要な分量をあわせて型に流し込みます。


熱湯で湯せんし、さらに湯通します。
ご主人は解説しながら作って下さってますが、実は絶妙なタイミングで熱入れを行っています。

熱が入ったタイミングで引き上げて、お湯の中に浸けます。
水で冷やすと思いがちですが、これはお湯です。
本物の吉野本葛の葛切りを作るには、冷やすとデンプン質が変化して白くなり劣化するそうです。
(よく、わらびもちが白くなっているのと同じですね)

かぎりなく無色透明。
このステンレスの枠の中に葛があるのが、おわかりになりますでしょうか??

さらにお湯の中で枠から葛だけを取り出します。

ここからが、時間との戦い。
一番美味しいタイミングがこの瞬間です。
ここからが賞味期限10分の世界。
仕上がった瞬間から10分間が、葛切りの美味しい時間。
ここからどんどん劣化が始まるそうです。

葛切りが一番美味しく感じる幅に切って盛り付けて出来上がりです。
もちろん、葛切りは温かいんですよ。



黒みつをつけていただきましょう。


極め細やかな吉野本葛からできた葛切りは、まさしく技巧の極到。
口の中にまとわり付くような食感。
舌触り。
歯触り。
のどごし。
合わせる黒蜜も、こだわりの黒蜜。
一分の隙の無く仕上がった葛切りは、一切の雑みのない本物の味でございます。
ご主人の作る葛切りは、間違いなく日本一の葛切り。
久しぶりに身震いする逸品に出会いました。
吉野本葛切り 800円
吉野本葛もち 800円もありますが、こちらは作る手際と加える水の分量が違うそうで、きな粉でいただくそうです。

お店では他にも吉野本葛粉や各種、葛菓子などたくさん売られています。



せっかくなのでお土産に、吉野本葛粉と葛菓子を買って帰りますね。


場所は吉野山の『金峯山寺 蔵王堂』(きんぷせんじ ざおうどう)さまの前になりますので、いつもの吉野山の周遊道路をバイクで走るとわかると思います。
(*桜や紅葉シーズンの規制日は吉野山には進入できません)
バイクで行くなら数台なら駐車可能ですので、少人数でお出かけ下さい。
甘いスイーツが好きなライダーさん。
吉野本葛切り。
いっぺんぜひ。
葛屋 中井春風堂さんはこちら
