熱帯果樹写真館ブログ

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瑞々しく爽やかな香りの柑橘 カーブチー

2006年11月02日 | 柑橘類
 沖縄県で10~11月に美味しい果樹と言えば、沖縄県在来柑橘類のカーブチーが挙げられます。



 カーブチーの名称は園芸学会編集による「園芸学用語集 園芸作物名編」によれば「カブチー」ですが、現在沖縄県で口語的に使用されている通称は「カーブチー」ですので、ここでの記載はカーブチーとしたいと思います。

 カーブチーは果皮が厚いのが特徴で、「カー(皮の意)」、「ブチー(厚いの意)」に由来した名称の様です(写真1)。


写真1:カーブチーの果実


 カーブチーは、田中長三郎氏の分類によると、後生カンキツ亜属のミカン区のうちコミカン亜区・芳香類に分類されるケラジの一変種と位置づけられています。
 同じコミカン亜区・芳香類には、オートー、タロガヨと云った沖縄県の在来柑橘類が見られます。

 カーブチーは果皮が緑色のうちに収穫され食されます。
 果重は60g/果くらいですが、果皮が厚く、浮皮になりやすいことから果実の大きさに対して果肉歩合が低く、果皮を剥くと可食部が小さくて驚きます。
 カーブチーの魅力は、力強い香りと緑色の果皮からは想像できないは爽やかな甘味だと思います。

 特に香りについては、(株)オキネシアから販売されている「UTAKI」という香水の原料になる程ですから、一度は嗅いでみる価値があります。

 カーブチーは10・11月であれば那覇市内の果物屋さんや本島北部地域の道の駅、主産地である本部町を走る県道84号線沿いの露店等で入手できると思いますので、是非ご賞味ください。

○参考資料
 ・「平成17年 市場年報」.2006.沖縄県中央卸売市場.
 ・「園芸学用語集 園芸作物名編」.1979.園芸学会(編).(株)養賢堂.
 ・「花づくり・庭づくり 原色版 沖縄園芸百科」.1985.(株)新報出版.
 ・「特産果樹情報提供事業報告書(マンダリン類1)」.1995.(財)中央果実生産出荷安定基金協会.

○参考サイト
 ・「琉球玉手箱オキネシア


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