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石垣市が生食用パインアップルの拠点産地に認定されました

2007年08月19日 | パインアップル


 2007年8月10日(金)に石垣市が沖縄県県農林水産部により戦略的な農水産物の産地育成を目指す「拠点産地」に認定されました(八重山毎日新聞.07/08/11)。

 記事の内容は以下の通りです。

石垣市がパインの拠点産地に 県が県内2カ所目の認定

 【那覇】県農林水産部(護得久友子部長)は10日、戦略的な農水産物の産地育成を目指す「拠点産地」(果樹)に、パインアップル(生食用)を生産する石垣市(大浜長照市長)を認定した。県は2000年から拠点産地制度に野菜・果樹・花き園芸など産地を認定。

 (中略)

 パインの認定は東村に次いで県内2カ所目となる。護得久部長から認定証を受けた大浜市長は「大変うれしく思う。これからも拠点産地として、ブランド化に向けて生産体制の確立に力を入れたい」と抱負を話した。

 同認定は県農林水産業振興計画に基づき、農水部調整会議で選定された戦略品目の拠点産地形成を促進するもの。石垣市では07年6月にパインアップル産地協議会を設立し、今後の取り組みについて協議している。

 (中略)

 05年度の石垣市パイン生産農家は109戸、作付面積は73ヘクタールで出荷量は1600トン(生食用)と県内では東村に次いで2番目の出荷量となっており、05年度産出額も4億2000万円と石垣市の農業産出額の12%を占めている。
 年々増産傾向にあり、2012年度には作付面積75ヘクタール、出荷量1700トンを目標にしている。今回の拠点産地認定を受けて県は同目標達成に向け、機械化の促進やハウスパインの支援、種苗対策や品種開発などの支援を行っていく方針。



 今回、東村に続いて沖縄県内2番目の生食用パインアップルの拠点産地となった石垣市のパインアップルの生産状況について調べてみました。

 まず、石垣市の場所ですが、沖縄県の県庁所在地である那覇市の南西約410km強(東京-大阪間位離れています)の位置にあります(図1)。



 次に、石垣島のパインアップル産業についてですが、沖縄島のパインアップルとの最大の違いは、缶詰加工場がないことです。

 平成2年(1990年)のパインアップル缶詰輸入自由化に伴い、沖縄県内ではパインアップル缶詰加工場が次々と閉鎖し、石垣島を含む八重山地域では平成8年(1996年)にパインアップル缶詰加工場(宮原食品)が閉鎖しました。

 そのため、パインアップルの収穫面積、出荷量は落ち込みましたが、近年では美味しい生食用パインアップルの需要が伸び、再び出荷量が増加傾向にあります。
 また、パインアップルの出荷も以前の加工用が中心から生食用が中心へと変遷を遂げています(図2)。


図2:石垣市のパインアップル出荷量と収穫面積の推移
(「園芸・工芸農作物市町村別統計書」より抜粋・加工)


これからも石垣市が美味しい生食用パインアップルの産地として発展することを願っています。

○参考サイト
 ・「八重山毎日新聞」:2007/08/11.石垣市がパインの拠点産地に 県が県内2カ所目の認定
 ・「沖縄タイムス」:1996/07/22.社説.パイン振興対策を見直せ

○参考資料
 ・「八重山の農林水産業 平成18年度」.2007.沖縄県 八重山農政・農業改良普及センター.
 ・「園芸・工芸農作物市町村別統計書」.沖縄総合事務局統計調査課.





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