日本料理「宮本」ブログ

千葉市若葉区富田町で里山料理を提供する日本料理店「宮本」店主の日記

蕨のあく抜き

2010-04-29 22:25:37 | レシピ

こちらあく抜き中の蕨(わらび)です。山菜のあくはポリフェノール化合物なので、溶けて流れ出ることは無く、ミネラル類と結合することで苦みを感じにくくなるとのこと。蕨のあく抜きには樫の木の灰を使います。樫の木の灰にミネラル分がたくさん入っているんですね。蕨をバットに並べて灰を並べたら、熱湯をどばどば注ぎ、自然にさめるまでほっておきます。完全にさめたら灰を洗い流し、水に漬けたまま冷蔵庫で保存します。こまめに水を変えれば、1週間は美味しくいただけます。だし汁に塩と淡口醤油で味付けした地でさっと炊いて、鍋底を水にあてて煮汁ごと冷まします。器に盛って、鰹節を乗せて食べる蕨のお浸しはサイコーに美味しいです。ご家庭でも是非お試しください。まちがっても本出しなど使わないでください。せっかくの蕨が台無しです。鰹節で出しを取るとこからこの料理は始まりますので、鰹節が家に無いという方は蕨に限らずお浸しなど作らない方が良いです。鰹節が無いのであれば、あく抜きした蕨を水でさっとゆでて、ポン酢(市販品でも可)をかけて食べる、食べ方がお勧め。あとスーパーに売っている水煮の蕨は美味しくないので買わない方が良いでしょう。これからの季節は直売所などに生の蕨が並ぶと思うので、是非生の蕨のあく抜きから挑戦してみて下さい。樫の灰が手に入らなければ、重層で代用出来ます。重層を使う場合は、お湯2リットルに小さじ一杯くらいです。重層を使いすぎると、蕨がずるずるになるので注意が必要です。
こちらはお土産わらび餅。注文頂いてから作るのでご来店の際はお早めに声をかけて下さい。ぷりぷりで美味しいですよ。もちろんその場でデザートとして食べて頂いても構いません。是非どうぞ!