日本料理「宮本」ブログ

千葉市若葉区富田町で里山料理を提供する日本料理店「宮本」店主の日記

最近漬物を見直しております。

2011-09-29 22:21:23 | 日記

オープン以来漬物はぬか漬けだけでしたが、塩だけ乳酸発酵させた漬物も始めました。先週は芝漬けを漬けましたが、今週は蕪漬けです。

漬けてから二日目。水の上りが悪いので2%塩水を少し足しました。酸味はまだ出ておらず、仕上がりまであと一日か二日掛る模様です。木の漬け樽をつかって、何回か漬けると、樽に住み着いた菌で発酵が速くなるようですが、最近は木樽は売ってないのでホームセンターに良くあるプラスチックの黄色いバケツを使ってます。

野菜の中の乳酸菌が自然に増えるのを気長に待ちましょう。

エリンギです。200度のオーブンで60分じっくり焼きます。にじみ出てきた焼き汁と、エリンギを鍋に入れ、酒と薄口醤油をまわしかけ、火にかけて汁を煮詰め、エリンギに絡めて仕上げます。

完全に汁けを飛ばして絡めると良い照りがでて美味しそうです。オーブンでじっくり焼くことでエリンギの歯ごたえと、うまみを引き出します。味付けは最小限で茸自体を味わいます。

 

さていろいろな美味しい食材が出てくる秋ですが、今年は東電のおかげで食べられないものがたくさん出てきそうです。そのひとつがマダラ。これから冬にかけて、昆布〆やタラチリに毎年楽しみにしているのですが、どうやら三陸沖に限らず、北海道産のものにもセシウムが入ってそうです。暫定基準値こそ超えていませんが、原発事故前の基準値ははるかに超えているレベル。

冷静に考えれば(考えなくても)今年は、いや今後何年もタラは食べられないかもしれません。もちろんタラの白子もダメでしょう。こんなことになるなら去年もっと食べておくんだった・・・しかし他の飲食店では使うんでしょうね。これからの季節にタラがメニューに載っていない日本料理店なんて・・・みなさんどうなんでしょう?


我孫子のシイタケに基準値超えるセシウム。

2011-09-28 21:06:04 | 日記

千葉県の我孫子で栽培されたシイタケに基準値越えのセシウムが検出され、出荷停止。

茸類は危ないんです。くれぐれも屋外で原木栽培された茸類は出荷しないよう注意してもらいたいです。これから数年は東北、関東の天然茸類は要注意です。また東北、関東の栽培用原木は移動禁止にするべきです。

基準を緩くして出荷OKにしても、生産者を守ることにはなりません。一時しのぎです。厳格な基準のもと、厳しく検査されたものだけ出荷する姿勢を貫くことが苦しい時だからこそ必要でしょう。

さて今日の仕込みです。

沖縄産の太もずく。しょうがの千切りと一緒に水で薄めた米酢につけてした味付けをします。このあと一度汁をすっかり切ってから、出し、薄口醤油、味醂、米酢を合わせた調味酢に漬けなおします。

もずくは一般的には細い方が上等とされ、市場での値段も細い方が高いのですが、宮本は値段以上の違いを見いだせないので(そんなに味、食感に違いが無いように思います。)迷わず安い方(太い方)を選びます。値段の違いがそのまま品質の差になっていないものって良くありますよね。そういう時は迷わず安い方を選びます。みえ張ってもしょうがないですから。

千葉の小蕪が出始めたので葉っぱも一緒に漬物にしてみます。2%の塩を振りかけて重しをして2~3日して水があがり、乳酸発酵して酸っぱくなった頃が食べごろ。

葉っぱは細かく刻んで酢飯にまぜていなり寿司にしても美味しいものです。


エノキこんにゃく、さつまいも、えびだんご

2011-09-27 22:11:28 | レシピ

エノキとこんにゃく、水菜、ニンジンの煮びたし。エノキ、こんにゃく、ニンジンを油でいためてだし汁をひたひ具材が半分くらい浸るくらいまで注ぎ、薄口醤油とみりん少々で味付け。煮汁が沸いてきたら水菜を入れてさっと加熱し、火を止めてなべ底を流水にあてて急冷します。具材から染みでた水分で煮汁がひたひたになるくらいがちょうどよいです。エノキからでるとろみが何ともいえない美味しいおかずになります。

こちらはさつまいものスダチ煮。下ゆでしたさつまいもを水、砂糖、塩で味付けして、一緒に皮をぐるっと剥いたスダチをいれてゆらゆらと煮含めます。冷蔵庫で一晩冷やしてスダチの酸味をさつまいもにしみこませます。レモンを使ったレシピは良くあるのですが、宮本では旬のスダチをぜいたくに使います。

お次はエビ団子。上品に言うとエビ真丈。エビのすり身(芝エビの殻をむいて作るのが一般的。ブラックタイガーでもいいです。)にすりおろしたヤマイモと片栗粉をつなぎにして、塩、砂糖少々で味付け。宮本では玉子は入れません。なぜかというと・・・なんででしょう?自分でもなぜこのレシピなのか良く分かりません。多分玉子に油を少しずつ入れながら作る、玉子の素を作るのがめんどうだからかな?普通料理屋さんではつなぎに玉子の素を使ったレシピで作るはずです。エビ真丈。だから手抜きレシピの宮本ではエビ団子。どっちが美味しいでしょうか?わかりません。人それぞれですから・・・

 


昨日の晩御飯

2011-09-26 21:27:21 | 日記

休日の晩御飯は宮本が作ります。家でも本格和食なんてつまらないので、たいてい遊びながら息子と二人で作ります。

昨日はコレ。たこ焼きです。

晩御飯にたこ焼きなんてちょっとおかしくて楽しそうではないですか?わざわざたこ焼きプレート付きのホットプレートを買ったのも息子とワイワイやりながら夕食にたこ焼きを焼くためなんです。

削り節と中濃ソースで出来上がり。キャベツたっぷりで意外とヘルシーだったりします。生地は米粉と小麦粉を半々に混ぜて、塩少々、水、鰹節の粉、干しエビを入れて作ります。刻んだ紅ショウガも入れたいところですが、五才の息子に反対され断念。米粉を入れたおかげでもっちりたこ焼きになりました~。おしまい


茄子の美味しい季節です。

2011-09-25 23:51:43 | レシピ

秋になって美味しいのが茄子。身が締まって煮崩れしにくいので、鍋で直接煮ものにします。天地を落とした茄子を塩で軽くもんで20分置き、水分がにじみ出てきたら流水で余分な塩を洗い流し、鍋にひたひたの水で火にかけます。このひと手間で茄子のアクが抜けます。

味付けは薄口しょうゆとみりん少々。しょうがのかけらを少し入れ、沸騰したら弱火にしてペーパータオルで落としぶたをし、その上から鰹節を落として30分ほど煮込みます。いったん茄子の色が抜けて茶色になりますが、煮込むと落ちた色が再び茄子に戻ります。

冷ましてからペーパータオルと鰹節を取り除いて出来上がりです。

照り焼きにした牛肉と合わせてみました。いろどりが悪いですね・・・みょうがの酢漬けや、青物を添えると見栄えもよいですね。

しめじの煮びたし。カツオだしと昆布、薄口醤油と一緒に火にかけて沸騰して10分くらい煮たらそのまま冷まして出来上がり。箸休めにちょうど良い一品です。

今年は天然茸は危険なので食べるのは避けましょう。チェルノブイリの時もヨーロッパじゅうでセシウム茸が検出された経緯もあります。

気温が下がってきたので、漬物も良い具合に乳酸発酵するようになりますた。夏だと温度が高すぎて、発酵しすぎてしまうのですが20度から25度くらいの今が一番漬物が美味しくなる気がします。

茄子、胡瓜、みょうがのなごり野菜三点でしば漬けを仕込みます。野菜1キロに対して塩20グラムを目安に重しをかけて漬けます。

二日目。ちょうどよい具合に乳酸発酵したら、付け汁をしぼり、薄口醤油と米酢、ちぎった梅干しの果肉、しょうがの千切りで味付け。このとき梅酢があれば少し加えると良いですね。冷蔵庫で保存して早めに食べ切りましょう。

 自家製の漬物は化学調味料の余計な味がしないので、慣れないと少し物足りないですが、自然な味で食べ飽きず、乳酸発酵してるので身体にも良いと思います。塩分の取りすぎに注意しつつ、毎日の食卓に欠かさず登場させたいものですね。