日本料理「宮本」ブログ

千葉市若葉区富田町で里山料理を提供する日本料理店「宮本」店主の日記

ごま豆腐

2010-04-08 23:47:22 | レシピ

前菜の一品でお出ししているごま豆腐を作ってます。宮本で作るのは練りゴマと葛粉を合わせて練る濃厚タイプ。すりごまをさらしに包んで水の中で揉み、ゴマの香りを移したゴマ水に葛粉を合わせるさらっとタイプもありますが、前菜の中の一品なのでそれなりに主張を持たせたかったのと、何といっても濃厚タイプは作るのに手間がかからないので・・・料理本には弱火でじっくり30分練り上げるなどと書かれていますが、とろみが出るまでは泡立て器をつかって強火でガーとやり、とろっとなってきたら木べらに持ち替えて、弱火で5分も混ぜれば出来上がります。実際にはこのやり方で仕込んでいる料理店のほうが多いのでは?仕込み時間の短縮も料理店では重要です。料理本では難しいレシピや手間のかかるやり方を紹介したほうが、レシピを公開した料理店(料理人)の格が上がるとでも思っているのか、やたらと手の込んだわけのわからないレシピを公開している方々がいらっしゃいますが苦労してその通り作ってみてもいまいち・・・なんてこと結構あるんですね。それでも純粋な頃は自分の腕が未熟なせいと思い試行錯誤を繰り返したりもしましたが、結局のところ良い素材をシンプルに調理したものが一番なんです。だからと言って家庭でおいそれとまねできるようなものでは商品にならないので、シンプルな調理の中でも、丁寧な下ごしらえと微妙な火入れ、包丁仕事などプロにしか出来ない部分でご家庭では味わえない料理をお出ししたいですね。

話が横にそれました。ごま豆腐ですが、葛粉にしっかり火が入って滑らかなとろみになったら流し缶に流し、流水で冷まします。このとき流したごま豆腐の表面も水の中にどっぷりつかるようにします。こうしないと表面が乾いて膜が張ったようになり、食感が悪くなります。

完全に水の中に沈めます。冷めたら水を良く切ってラップで覆って冷蔵庫へ。一日たって硬くなってしまったら焼くか粉を付けて油で揚げるかするとまた柔らかくなります。椀物や鍋に入れても良いです。