【22日にCOP10開催の名古屋でライブします*
詳細はコチラ】
ようやくマスメディアでも取り上げられ出したCOP10(コップテン)。
生物多様性に関する条約を締約した国が集まる、世界的な会議。
6月に祝島を訪れた際に出逢った虹のカヤック隊のメンバーから人を引き合わせてもらった縁で、22日に名古屋で行われるイベントで歌う。翌日の市内でのパレードにも参加する。キナ昌吉さんは20日、21日と滞在がズレて、今回はニアミスのようで残念だ。
始めは皆がいっている「コップテン、コップテン」という言葉の意味が解らなくて不思議だった。
生物多様性条約って何だろう?
条約の目的が公式のサイトに掲載されている。
http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/cop10/index.html
条約の3つの目的
・地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全すること
・生物資源を持続可能であるように利用すること
・遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分すること
一行目からいきなり、議長国の政府が掲げる「原子力立国政策」にも、「経済成長」にも反していることになる。
二つ目に出てくる「生物資源」という言葉が解らないので調べてみたら、
ー食料、衣料、薬品など人間の生活上に必要な資源として利用される生物のこと。通常、自然資源(または天然資源)(Natural Resources)と呼ばれることもあるが、厳密には自然資源には水資源や鉱物資源なども含まれるのに対して、生物資源は生物由来のもののみをさす。一般に生物資源は再生可能資源ではあるが、近年の過度な利用により、絶滅の危機(再生不可能)に瀕しているものも多い。このため、生物多様性条約などで、持続可能な利用が求められている。生物多様性条約(第2条)においては、現在または将来利用され、あるいは人類にとって潜在的な価値を有する遺伝資源、生物またはその部分、個体群その他生態系の生物的な構成要素を含むもの、と定義されている。ー
そして、最後がこう締めくくられていた。
ーバイオテクノロジーによる生物資源の開発を推進する立場の先進国・多国籍企業と、生物資源の盗賊行為(バイオパイラシー)を阻止してこれらの利益の還元を主張する生物資源原産国としての開発途上国とは、生物多様性条約制定・運用などをめぐって対立してきた。ー(EICネット)
なるほど、この条約そのものが、巨大資本によって綱引きの対象にされ、骨抜きにされかかっているわけだ。
条約の目的の三っつ目にある
「遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分すること」
のくだりなどは、モンサント社の遺伝子操作した種子に買い上げられている世界の農業情勢という現実がみえてくる。
世界の農産物が、世代を越えることの出来ない(毎年購入を必要とする!)遺伝子操作された種子と、ご丁寧にその種子にしか使えない農薬と肥料のセットによって占められる事態が起こりかねないのである。いや、例えばインドの綿栽培では既に、弊害が顕われている。アメリカ生まれのモンサント社製の種がインドに馴染まず、モンサント社への借金を払えない農家の自殺が増加しているという。手放した従来の農業のノウハウとそれに適した土壌は、簡単には戻ってこない。
そして、それらの遺伝子種子ビジネスを成り立たせているのは「安ければいい」と、遺伝子種子から出来た綿製品をこぞって買い求める先進国の消費者たちなのだ。だが、消費者たちにはどの綿が「遺伝子操作」されているかが、知らされていない。モノの「安さ」の裏には、常に地球の何処かで、しわ寄せを喰っている一次産業者や工場労働者が居ると思ったほうが良い。
【議長国の大いなる矛盾】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/3a/8f01a9e02404fde38eddde3310baeeff.jpg)
(15日早朝から、中電の埋め立て作業の強行を阻止しようと、建設予定地の浜に座り込む反対派住民たちー山口県上関町田の浦)
議長国たる日本政府は「原子力立国政策」を推進、官民一体となって海を越えたベトナムにまで原発を売ろうとしている。
気がつけば「CO2排出量規制」という言葉は、原発の最大の売り文句「CO2を出さない」にすり替わっていったのは皮肉か、それすらも謀(はかりごと)だったのか。少なくとも、そのスローガンは原発事業全体のフローを見渡せば、大嘘だったことになる。
懸念されるのは、放射能汚染や事故だけではない。近海の海水温度を上昇させ続ける「温排水」を大量に流す原発の新設を見直すには、今しかない。ましてや山口県・上関原発の場合、30年間暮らしを削って建設に反対してきた住民が500人以上居る。
町政、県政を巻き込んでの長い闘争は、常に大きな力による強権の発動でジワリジワリと事を推し進めてきた。
そして責任だけがノラリクラリと転嫁されてきた。
映画『祝の島』での島人が中電の作業員に向けた言葉が胸にささる。
「あんたらのやる事は、違法じゃ無いけぇー、余計タチが悪いんじゃわ」
金、権力、職、人。手を代え品を代え、経済の論理は「暮らす側」の論理を巧妙に絡めとり、多数決工作を施して「民主的な結論」「住民の総意」を選挙の度に、ねつ造してきた。映画の中の作業員を通り越して、膨大なエネルギーの浪費をむさぼる僕ら都会の市民に言葉は突き刺さる。
そしてまさにCOP10開催期間中の15日の朝から、原発建設許可の降りないまま、「埋め立て作業」は強行されている。
阻止活動をする漁船や住民が力尽きて倒れるまで、この執拗なやり方は繰り返されていくのだろうか。給料をもらって作業をする中電作業員や推進派住民、下請け業者、経産省、海上保安庁の面々と、漁を捨てて漁場を護ろうとしている漁民たちとの兵糧戦という明らかに公平を欠く図式に、日本という国の在り方を問う。
日本の開発事業には、常にこうした光景が伴ってきたのではないか。
そしてメディアはことごとく、それらを無視してきた。
国ってなんや?
COP10の議長国、ってなんや?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/4c/fabbaea5204c235381687432aa7741ab.jpg)
(反対派住民をマニュアル棒読みで「説得」する中電作業員、住民をカメラで撮影し続ける作業員らー山口県 上関町 田の浦)
中国電力側は工事の遅れを住民のせいだとして、50以上の損害賠償訴訟を起こし、裁判所の判決は全て中電の訴えを認めるものとなっている。
【ONE & ONE. CHOICE & CHOICE. EVERYTHING IS UP TO YOU. 】
祝島を訪れて確信したのは、厳しく豊かな自然の中で「日本の原風景」たる生活を営む島の人々のシンプルな暮らしと、その生活が存在する自然環境の全てが、真っ先に守られそして優先されるべき項目であるという事だ。これを守るのが、国という巨大単位の成すべき事業である。
万年かけて造成された浦を埋め立て、発破かけて山を吹き飛ばす作業は一夜で終わるが、失われた生態系は二度と戻らない。田の浦や祝島の海域が美しく透明なのは、浦から染み出す奇麗な水があるからだ。そしてそこにしか棲まない生物たちによって、生物環境のホットスポットが形成されている。ましてや此処に、海水の7度も高い温排水を大量に吐き出し続ければ、瀬戸内海の広域に渡って生態系は壊滅的な打撃を受ける。
どうひいき目にみたって、島の人々の暮らしより僕たち都会人の暮らしのほうが、たくさんの背伸びをしていて「譲れる」部分も「変えられる」部分もたくさんある。
エネルギー問題は、「成長し続ける経済観」を根本から反省しなければ解決しないし、「既存の需要を維持」するための原発はあまりに抱えるリスクが大きすぎる。そして、再生可能な自然エネルギーへのシフトが、日本は余りに遅れている現状がある。また、原発事業が官民一体となって行うメディアコントロールは、戦時中の大本営発表を思わせるほどの偏向報道を生み出している。自然エネルギーの知識が、圧倒的に不足している。
問題は国家や大企業の在り方をグルリと一回りして、それら全ての消費を司る無数の「個人」に委ねられてくる。
これだけ「オカネ」が重点を占める社会になっている以上、地球上の総意としてその使う向きと力を、自分たちの暮らす環境を守るほうにシフトさせる必要がある。そしてそれは、日常的な一人一人の選択の賢明さに、ゆだねられている。
具体的にいうなら、例えば小麦粉を求める時に、
・安くて量の多い小麦粉を買わずに、国産の有機の小麦を買うようにする
といった「こだわり」を少し持つようにするといい。そうした判断の積み重ねで、僕らは世界の在り方に関わっているのだ。
こうした行動をとると、正しく生産された食品には消費税をかけない、生産を国単位でサポートするなどの政策を、人々は支持し始めるだろう。なにより、人々は今よりも食料を大切に食べるようになるだろう。
或いは、携帯電話を買うときにサービスによって会社が選べるように、電力会社も自由化されて、消費者が選べるよう声をあげるべきである。嫌が応にも、原子力由来のエネルギーを買わされるよりは、仮に割高でもソーラーや風力や波力、潮力、或いは小規模水力発電などの自然エネルギーを、居住地と生活形態に相応しいものにコーディネートできるほうがいい。そして実はやってみると、自然エネルギーは原子力よりもコストが低い。スウェーデンなどは先進的に、こうした政策を取り入れている。決めたのは、国民投票だ。
何よりもこうして自分で選んだ電力を、やはり人は今よりも大切に使うようになるだろう。
人類の誰もが、宇宙の意味や、自然の有り難みを本質的に、経験的に、理解できるように努めなければならない時代がやってきている。ややもすると「人間」という薄っぺらい一枚の層にマインドを囚われていやしないだろうか。だが、地球の裏側で一匹のミツバチが起こした羽音は連鎖的に「私」を取り巻く全てに関与している。感性のレベルで、この事を思い出した時の喜び。これは実は誰にでもある経験だ。
僕ら一人一人が、この自分の中の直観を信用して行動していくことが出来れば地球は変わる。そしてそれは、大して難しいことでは無いように思う。別に絶食をしたり修行したりする必要もない。ただ、そうした「自然とあるべき」地球の姿を取り戻す気運を、より多くの人がポジティブに発し続けるだけだ。
まずは知り、そして動いていくしかない。
これは、チベットでもパレスチナでもなく、山口県の上関町で、今まさに起きていることなのだ。
いずれも、10月15日以降の緊迫した様子を伝えている。
島民の会 ブログ
http://blog.shimabito.net/
虹のカヤック隊 ブログ
http://ameblo.jp/nijinokayaker
また、祝島のことを伝える2つの優れたドキュメンタリー映画が今年に入って公開されたので、お近くで上映の機会があったら是非ご覧になっていただきたい。一人でも多くの方に、一刻も早く観てもらいたいと切に願っている次第であります。
『ミツバチの羽音と地球の回転』
http://888earth.net/index.html
『祝の島(ほうりのしま)』
http://www.hourinoshima.com/
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