アフガニスタンからの難民「アリー」ことアリジャンの、難民不認定取り消し訴訟の判決発表が本日東京地裁で行われました。
児玉弁護士、アリジャン支援者グループ、島田紳助氏らをはじめとする各界の応援者たちの精一杯の支援行動が結実し、彼の難民不認定取り消しの訴えが「勝訴」という最高の結果を迎えることができました。
しかし、今後法務省、入国管理局側による「控訴」が予想されます。
強制収用、強制送還という最悪の状況は回避できたものの、控訴されれば長く辛いトンネルがまた続くことになります。
今日の昼間に、判決発表後から記者会見までのほんの一瞬にアリーと電話で話をすることができました。
「よかった。」「ちょっと疲れた。」という声には、小さな希望と大きな不安が入り混じって受話器の向こうに消え入りそうでした。
「裁判生活」が何年も続くような「答えの先延ばし」をさせないために、控訴の阻止を訴える署名運動が即日で開始されています。アリジャン応援サイトにてワンクリックで署名できるようになっていますので、ご賛同いただける方はぜひ一声、あげてください。
これは日本における人間の「自由」の問題です。
もしくは、日本という国家の「良心」が問われています。
若干23歳、どうしようもなく目のキラキラした青年は、もう十分に孤独な闘いを果たしてきました。タリバンによる民族弾圧、アメリカ合衆国による空爆で祖国の家族たちの安否すら分からない状態で、19歳からずっと不安と絶望に耐える日々を送ってきました。
僕は日本市民の良心と、日本行政の腐敗の両方を身体と心に刻み込んだ彼が日本で勉強を続ける夢を応援したいと思っています。
命からがら密入国ブローカーにつれてこられた成田空港から始まった苦難の日々は、映画でも小説でもない本当の話です(ブローカーは到着直後「ちょっと待ってろ」と言い残して、最後に「あなただけでも生き延びて」と母親から託された全財産とパスポートを持ち逃げ;呆然と成田空港内で立ち尽くす少年は「不審人物」として拘束され、通訳もつかないままに尋問を繰りかえされた挙句に「不法入国者」に)。
茨城県牛久市の強制収容所の中で二度は自ら命を断とうとするまで追いこめられていた彼は、粘り強い支援者たちのホットなバイブスに支えられて長い闘いの末に「仮釈放」の身分を得ました。「兎に角勉強がしたいんだ」という思いで墨田区立文花中学校夜間部では皆勤賞も獲得。(詳しいことはマガジンハウス刊の著書「母さん、ぼくは生きてます」を参照ください。ぜひ、ご一読いただけることを切に願います。)
将来はアフガンに帰って学校を建てたいそうです。5万円で、1000人の生徒を抱える学校の先生たちの年給が払えるそうです。
911テロ後、まんまとアフガニスタンにパイプラインをひいたアメリカ合衆国がまた「衛星国」という名の「植民地」を増やそうとしている中(日本もその例外ではない)、アリーのような心ある青年にがんばってもらいたいものです。
「自分は政治とかよく分からないし。。」と逡巡される方が多いこの国ですが、別に無責任でもいいと思います。兎に角今晩1時間だけでも彼のサイトを読んで何が起きているのかを把握してもらって、それで意思があれば署名したらいいと思います。署名して、あとは知らんでも、何もせんよりはいいと思います。あとを知りたいかたは、マスメディアが何も伝えていない歯がゆさと闘いながら今後の情報を仕入れたらいいと思います。
僕とて、毎日アリーのことだけ考えているわけじゃありません。余裕なんかぜんぜんありません。しかしながら、そういう問題じゃないんです。
自分と家族で生きていくのに必死だし、それはもしかしたらアリーと同じくらい苦難と苦境に満ちた人生だし(自由だけは守ってきたが)、皆さんとて同じだと思います。
でも、2分だけでも余力があるなら、是非ともよろしゅうです。
「俺の話をきけー 2分だけでもいいー♪」ってやつです。
ちなみに期限は14日です。
いそがな。
以下、アリーの応援サイトです。
頼む。
http://www.alijane.org/index.html