(スミソニアン博物館の別館 スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センターに展示されているエノラゲイ)
この季節になると毎年、911事件の追悼モードが欧米メディアを中心に大演出される
その季節を迎える度に僕が
50年前にニューヨークで書かれた
アレン・ギンズバ-グの詩集『吠える』を読みたくなるのは何故だろう
5000人もの人々が一度に亡くなる
しかも大都市に飛行機が突っ込むという手法は
ショッキングな事件である
バビロンの中枢中の中枢
ワールドトレーディングセンターロックフェラー
ロイター通信から送られて来る
在りし日の娘の写真を掲げた父親の写真
恋人を亡くした女の虚ろな目
敬礼する元消防士の妻
献花する父親を亡くした少年
泣き崩れる母と娘
残された人たちに求められるのは
「武力で殺される側の痛み」を知ったからこそ
その無念を味わったからこそ
同じことをしないように自分の住んでいる国 USA を導いて欲しいということであって
人々の感情を怒りへと導く交通整理
大量殺戮を崇高な正義とスリ違えようと試みる
そういう風潮 そういう邪気 そういうモード
にハマった特定の人々
のノリに流されてはいけない
それでも
一発目に20万人が死に
数日後の二発目に10万人が消され
後遺症でさらに数十万人が亡くなった原子爆弾の罪を
彼らは認めない
復元された爆撃機エノラ・ゲイはスミソニアン博物館において
原爆被害や歴史背景の説明が一切なされないまま
英雄気取りでいまだに身を横たえている 彼女に罪はないのだが
アメリカ合衆国人の皆さん
頼むから一度ヒロシマの原爆資料館へ行ってみてくれ
どんなに頑な心も必ずこじ開けられてしまう真実が其処にはあるのだよ
アメリカ合衆国のナウなヤングたち
ものごころついているのなら
LSD喰わなくても ジョイント吸わなくても
此処に来てくれれば 変性意識が生まれて
世の中の見方がちょっと見えて来るはずさ
意識や脳みそにザグリが入って
一度完全にひっくり返った世界をみたら
自分のことなんかなんにも 信用しなくなって 世界と一体になれるんだ
そこから築かれるなんら定型のない 水のような価値観こそが
本当の人生の幕開けだ
そして南京虐殺が人数を水増ししていようといまいと
ネチネチと賠償金を要求され続けようと
日本が中国を侵略したことに変わりはなく
ヒロシマを語る時に僕らは中国と韓国にあがらないアタマがあることも忘れてはならない
東南アジアで何が在ったのかに至っては
もはや歴史の深い霧の向こうに消えようとしている
有史以来の戦争行為はほぼ全てが
経済の論理から巻き起こされて居り
それは政治の手段などではない
戦争が起きたら
誰が儲かったかをみればいい
そいつが下手人だ
だから
もはや現代の紛争は
国家単位での策謀など困難で
USA政府だけを責めること自体が的外れ かつ 死の商人たちの思うつぼだ
が その当人たちも壮大なパワーゲームの最中に酔っているから
フィールドのサッカー選手くらいの視野で必死にやっているから
何事も誰かの思い通りにはいかない
おまけにこのゲームには 審判がいない
本来ならば審判であるべき すべての人々 世論までもが
トトカルチョに夢中になって 観客席で大騒ぎしている有様だ
そこで余計 人道的にはあり得ない現実の油田に火が注がれる
誰もの想像を超えた凄惨な出来事が 天文学的な回数 繰り返される
誰も 自分がやったとはおもっていない
しかし大きな部分での共通するよこしまな目的は果たされる
自分たちの食い合うパイ を作ることだ
数十年単位で綿密に計画された「悪役造り」は
メディアも民衆の目も眩まして
ついつい目の前のことに反応してしまう
大概の人々の感情を巧みに操り
そして過去を振り返らない不勉強な者ほど
単純な情報のループに突き落とされる
ホロコーストとユダヤの虐殺に関して事象だけを知っても意味はなく
それをヒトラーだけに汚名かぶせても何も解決はしないだろう
原因はドイツ国民の集団ヒステリーにあったのか
それもそうだが
世界の富の90%を有するとすら噂されるユダヤ財閥の先祖たちは人間の世界に金融という概念を生み出し
或いはその多くが1000年の歴史にまたがって死の商人を生業としていた事実は否めず
そうした闇を司る一部の同胞のために
その他多くの一般のユダヤ人たちがとばっちりを喰ったとも言える
民族単位で恨みを 買っていたからこそ
一度火がついた時に アウシュビッツに代表される 狂気が舞い降りた
だが
今 米軍に収容されている
「テロリスト」名義の男たちが受けている苦しみが
歴史の名のもとに 白日の下にさらされるのはいつになるのだろうか
911事件の真相自体があまりに不明瞭で
自作自演すら騒がれている中で
「そんなバカな」と思ってしまう我々一般地球市民の感覚とは
遥かに異なった「事情」で
歴代のパワーエリートたちは世を動かしてきたのも事実だ
アフガンにしろイラクにしろ
最後に笑ったのは誰だろう
米英を中心とする経済界の
多国籍企業の形をとった
軍産複合体・製薬業界・そして金融業界
むろん日本の有名な大企業
さわやかなコマーシャル打って「社会貢献」を主張している
実に身近な色んな企業もそのお先棒担ぎをやっている ことになる
そもそもよこしまな魂胆が本当に無い奴には
イメージアップを計る必要すらないはずだが
民放で流されてるCMなど
ほとんど全部JAROに電話という ことになってしまう
「あーらタクの息子さんあの会社に?えらいわねー」
なんていう感覚でいる人々は簡単に洗脳されているし
実はそこで働く人々自身も、有意義を植え付けられてマインドコントロールされている
会社の不平不満たれながらも
マクロな視点でみた時にその経済活動が巻き起こしている
例えば地球の裏側にしわ寄せて起きる幾多の悲劇や矛盾に
気づかないふりをしている
ひどい奴になると、本当に気づいていない
その紙一枚 何処から来たのか
そのペン一本 誰の手になるものなのか
そのスーツの繊維は 誰が紡いだんだ
粗末に不機嫌そうに呑んでる眠気覚ましの缶珈琲は どの経路をたどって手の中にあるのか
そう考えるだけで
薄いベールの向こうに在る むせかえるくらい濃密な現実の香りがしないか
異国の地の生活の匂い 父親の息づかい 母親の汗 貧しい家計 子供の学校
工場の発動機の音 埃っぽい街の通り 繁華街から漏れる声 酒場に集まる男たち
路上でボールを蹴る子供たち 抜け出せるとしたら憧れのジダンになるしかない
マラドーナには二度と誰もなれない 近頃車が増えた 日本の企業が街にきてから景気が良くなった
畑がなくなった 山が立ち枯れた 井戸から水が出なくなり 寺の池も涸れた 来年水道が通るらしい
市場が伝統の場所から立ち退きを受けた 大きな市庁舎をたてるらしい これで仕事が増える
だが市場が消えた かわりにアメリカの大手スーパーがチェーンを展開するようだ
ついにマクドナルドが食べられるのか この町でも 若者たちは浮き足立っている
米国製のテレビドラマでみたハイパーでキラビやかな青春が さりげなくほお張るチーズバーガーと共にやってくる アイポッドまでは秒読み状態だ
日本の政府が
米国の議会から突き上げられて来る「年次改革要望書」に沿って政策を実行している事実や
子供すら騙せないそんな事実が全くニュースにのらない理由を考えれば
此の世のねじまがりのもとがみえるはずだというのに
それで
911の弔いをニュースでみていると
イラクの弔いやパレスチナの弔いや 深い霧の向こうで揉み消された陰惨で壮絶な規模の無念たちは
全然伝えられてこないのだということに
悶々とさせられる
不愉快になってラジヲをつけたが
どのチャンネルをひねっても巨人戦ばかりだった