【ふりかえり】
今にして思うと、何だったのか。
ガイダンスに導かれて勢いに身を任せた。
7月に初めて祝島を訪れてから、10月末の辺野古に至るまでの4ヶ月間、今年は勢い任せに、まるで何かに手を引かれているように彼方此方を旅した。
原発のこと、基地のこと、政治のこと。
納得のいかない事が多い上に、メディア上に充分な形で情報が整理されていない。誰かが過剰に論理的な嘘を流し、そして誰かは過剰に感情的な誤報を広めていた。
ならば自分の目で観てみるしかない、と思い立って現地を観に行くことにした。人や大地と逢って、関わりを持たないと何も始まらない。
ANTA MEDIA 第2号 の制作も「粛々(しゅくしゅく)」と進んでいたので、素人ジャーナリスト気取りで、兎に角、隙間を見つけては「当事者」たちや活動家たちに触れた。
結果的にこの「大人の社会科見学」は、ほんの半年の間に、僕の中で知識と見聞のビッグバンを引き起こし、生きる上での明確な指針を与え、目指す方向性をより明らかにしてくれた。
【米軍基地】
米軍であろうと、自衛隊であろうと、
軍隊は本当に要るのか、要らないのか?
という問題に、行き着く。
基地を海外に、となった場合は、自衛隊を増やして多くの境界線上に新たな基地を作る必要があると主張する政治家も居る。日本軍のものなら、基地は増えても良いのか?
戦争ビジネスについて、一般市民がより関心を持つ必要がある。
非武装、は本当に荒唐無稽な「お花畑」的思想なのだろうか?
大方、世界の何処を見渡しても、紛争にある国は多いが、紛争を望む人は少ない。
「隣の家の父ちゃんが撃たれて死んだ。」
なんて話が当たり前になる社会は、まっぴら御免だ。
そして近ごろはどの紛争にも、それを仕掛けることで莫大な富や権力を得る者が居ることだけは、分かっている。
権力の持ち主たちは、戦争や経済破綻などの「国家の緊急事態」という名の下に法律をねじ曲げられることを、知っている。
「中国驚異論」や「ロシア脅威論」をことさらに煽り立てるタイプの政治家やメディアのことを、多少醒めた目で、引いて見る冷静さが求められると、思う。幼少から養って来た漫画チックな想像力を動員すれば、だいたいの真実の構図は、見えてくるはずだ。ブッシュの弟と江沢民の息子が合弁の石油会社を作っている事などは、隠されてすら居ない事実であったりする。尖閣諸島の問題と、海域の海底油田との関係を想像しないほうが、無理がある。例えば、そういう世界の話なのである。
【沖縄の政治意識】
沖縄の投票率が低いのは、政治に関心が無いのではなく、むしろ政治の本質を人々が知り過ぎて居るのだろう。
僕が出逢った同世代たちは一様に、政治への意識が高かった。酒を呑む席では、何かと車座になって「まつりごと」を語った。当然だが、政治への意識が低いはずはない。本土侵攻の最前線と化して「人の盾」にされた歴史を持ち、今もなお、米軍基地に差し出されている沖縄なのだ。
そこらへんに関する本土の意識が、圧倒的に低い。
原発のこともそうだが、基地のこともそうなのだ。重大な負担を僻地の人々に強いて、その事に対する認知がうすい。
だが市民メディアの発達が、人々と真実をつなげる可能性がある。
【市民メディア】
有料の情報よりも、無料の情報にこそ真実がある。
twitterやブログには事実が溢れているが、マスメディアは株主に不利な情報を流せない。
「テレビ」や「新聞」は、情報としては、もはや死語となりつつある。
精力的なフリージャーナリストたちが、メディアの中心で活躍する時代になる。
バックに資本のついた情報など、もう誰も買わなくなるだろう。
【PeaceMusicFesta2010】
非常に根性の入った実行委員たちなので、来年も確実に開催されると思って居る。
来年の辺野古に、より多くの人々が集うといいな。
俺は、コザロックの伝説であるコンディショングリーンの「ひげのかっちゃん」にぶっ飛ばされた。あれは凄いヴォーカリストだ。MCと唄のテンションの違いが、天と地で、それはもう神様領域だった。ありゃ凄い。何処までも笑えて、何処までも格好いい。
他に、自腹で駆けつけたアーティストたちを覚えてる範囲で列記ー
北海道を代表するラッパーであるBOSS THE MC。BIG JOE。独創的な音楽スタイルで一躍時代の寵児となった七尾旅人。ジャパニーズレゲエ界の良心にして焼津の雄、PAPA U-GEE。「俺はヒダリや!」と公言してはばからない中川敬一率いる、社会派ロックの代表ソウルフラワーユニオン。意識の高い、地元沖縄のアーティストたち。
右とか左とか、なんなら同性愛とか宗教とか、そんなもん大して関係あらへんレベルで交わり合えるのが音楽の良いところで。さらにはジャンルとか本当に関係なくて、魂の部分で鳴らしてる人たちが集って居るわけです。
【最後に】
事実を確認するのは、自分でしかないので、これからも旅を続けて行こうと思う。
人は所属する環境を「全世界」と錯覚し易い生き物なので、やはりたくさんの立場を目の当たりにして、接していかなければ間違いやすいと実感した。例えば、サラリーマンがサラリーマンを指して「社会人」という時、その人はサラリーマン以外を社会から除外した社会に生きていることになる。広い意味での、異業種交流会。それは、地域の呑み会だったり、地元づきあいだったりご近所づきあいだったりするのかもしれないが、これは大切だね。
フェスカルチャーのフリーペーパー"LJ(エルジェイ)”の次号に、辺野古PMFのレポートを書いた。
その最後を以下のような文章で締めた。
備忘録を兼ねた、このツアー記の締めくくりに、やはりこの文章を置かせてもらいたい。
~ 祭りの最後は、辺野古の隣町の青年会によって演じ踊られる「エイサー」が締めた。沖縄では、区ごとの青年会による「エイサー」は一般的な風習である。太鼓を持ち、衣装に身を包んだ青年たちが威勢良く掛け声を合わせながら、エイサーを踊る。祭りの最後に相応しい勇姿に身を震わせていると、それをじぃーっと口惜しそうに観ている若者たちが居る。背中に「辺野古青年会」と書いたTシャツを着ている。推進派と反対派で割れる地元のしがらみから、地元である辺野古の青年会はこの祭りに参加していない。
口惜しくないのか、と声を掛けると「口惜しい。俺たちのエイサーのほうが凄い。」と言う。
来年は、地元・辺野古のエイサーを見せてくれよ、と言い残して僕は会場を後にした。 ~
(終わり)
その4
11日の三宅さん達のトークを聞いて自分の目で見たもの感じたものがリアルなんだって、本当そうだなって思いました。
いつも大事なこと教えてくれてありがとうございます。
リスペクト!
ミート―☆
トニー☆
アレン☆★☆
すかすかスカッシュ―☆★☆
沖縄からのお便り☆
楽しく拝見☆
ken-ken☆サプライズ★
大鉄鉄美★★★
間もなくですね★
関西では30日★
スターフェスティバル2010★
ハイファナ★
バク★
関西も負けてへんで★★★
エイサー★どっこいさー★★★
25日にはNOON★
SOIL&PIMP★
22日はZETTAIMU★
こだま和文★★★
19日★
こんがりおんがく@シャングリラ★
皆さんマルセイユルーレット★
マラドーナ―っっで★
れッチュ GO★
ミックちゅ 秋山
↑の問題はよく感じます。(互いの気持ちがわかるだけにもどかしいけども)
目的ありきの手段は ときに卑情となり、 かといって優しい手段を論じているほど物事は甘くなかったりしますよね。
洋平君の旅は多くの人たちにとって大きなメッセージとなり、背中を押しているのだといつも感じます。
そうして後押しされた人たちが自分の感じた恍惚も違和感も受けとめて それぞれが消化をして自分の言葉で人に伝えていけたら素晴らしいと思います。
5回にわたる素敵なレポートをありがとう。
ANTA MADIA楽しみにしてますね!!
http://www.youtube.com/watch?v=i_5g4XRuoPE
この対談見ましたか?(1~4まであり)