FUNKY MIC MC (ファンキィ・マイク:韻シスト)
韻シストの三人いるラッパーの髭係。
確か、俺と同じ年齢だから、27歳。
確か出身は岡山で、俺も血は全部岡山だから弱冠同郷気味と言える。
「タメ」な波長が合うから、
最初に会ったときから気楽につき合わさせてもらっている。
韻シストは頻繁に東京へライブに来るから、
近頃は大阪の人間だということを忘れそうなくらい良く会っている。
オールドスクールな「渋さ」と何しか笑かす「トンマ」が綺麗に混じって、
「ファンキー」になった。
ファンキーなドワーフ。
ラップする森の妖精。
スキルは一流。
ステージでラップするときは、
クラシカルでオールドスクール的なラップが
しかもほとんど日本語とか大阪弁なんだけど、
こいつがやってるのが妙にしっくりくる。
つまりそこには「オリジナル」な存在感があるのである。
クールだよ。
ステージのファンキーは(笑)。
あとはジャパニーズウエッサイ弁で軽妙にかます曲間のベシャリとか寸劇が、
ちょっとしたスタンダップコメディアンばりに面白い。
更にボイパの腕もなかなかである。
スクラッチとかリヴァースさせたりが得意。
多彩で、多才。
そこに、「芸人魂」を持った大阪のヒップホップ観が在るようにみてとれる。
ブラックミュージックにインスパイアされた音楽を奏でる人々の中でまま見受けられる所謂「ドシテ黒人ノ真似シテルノ!?」的感覚に陥らないのはそのためだ。スタイルに対するリスペクトはがっちり示しつつも、彼はあくまで「本能的」に優先される表現スタイルを探っているから故に面白い。
それが「ファンキー」。
突っ込みもボケも、自分のペースで繰り出したいタイプでイジられるのは苦手。
打たれ弱い。
私もであります。
陳情
「ファンキーも三宅洋平も、自分のペースで生きさせること。
それが、この二人にとって一番力を発揮する状況である。」
一回「今東京向かってるでー」というメールを返事し忘れたら、会ったときに「返信せんかいボケェ!!わしらそんなもんかいー!!」って涙目(に見えた)で怒鳴られた。寂しがり屋か。そこらへんは、Cro-magnonのシゲオヤジとも似ているところがある。
まあ要は、熱いのが好きな熱い野郎なわけです。
だから冷たいのが嫌いだし、実はナイーブだし、
だからクールぶったい行為とられるのが許せないタイプなんです。
大丈夫、ファンキー。俺もそんなようなもんだから。
タイプは違うけど。
nbsaは男も女も、そこは似てるんであります大概。
パーティという形態の一時的集合状態としての「気質」である。
nbsa来るような人は、少し日本社会では常軌を逸した熱さを
内包なり曝け出しなりしている人が多いってか、全部だと断言できる。
で、この熱いファンキー。
04年の渋谷での初代nbsaをうけて、05年春早々にnbsa大阪を開催。
絵描きのドラゴンと二人で仕切りをやって、犬式とクロマニオン、椎名純平を大阪に招いてくれた。エライ思いをして、課題もいっぱい残って、イベント終わった時のこの西の棟梁の点パリながらも「次見る」目が今でもいい思い出だ。
打っても鳴らない人間がやたらと増殖している今日の社会において、
打ったら響く鐘みたいな男は本当にありがたい。
現実の中の「リミット」を恐れるのではなく、
直感的に迫ってくる「ファンタジー」のほうに鼻が利いて
飛びついてしまう、
そういう習性こそは彼を今日の彼たらしめているのである。
それを簡単に、
「ノリがいい」つまり「ファンキー」と言うのである。
名前に偽りなしである。
写真:昨夜渋谷VUENOSで行われたnbsa+×÷2プレパーティでの韻シストのステージより。ファンキーの後光とファンキーのシュールレアリズモ。ボイパ名人「MC 太華」とのセッションも、イベントの空気を大きく上方修正するパワフルなものであった。nbsa本番でも、この二人の絡みは大いに予想できる。