椎名純平 vocal & kenbann(シイナジュンペイ:椎名純平&バイブレーションズ)

しばらくお待たせ致しました。
人物列伝第3回は、椎名純平-

30歳。
二児の父。

フェンダーローズを弾きながらヴェルヴェットな夜の唄を奏でる男。

エリートな音楽人生を歩んで来たように見られるが、
ストリートに足を踏み入れて、俺達と出逢った。

此処数年、試練というか、本当の自分を探す旅が続いていた。
近頃、この男の「濃さ」を愛する人が増え出した。
「都会的」とか「夜」とかいう単純なイメージでは決して捉え切れない。
実はもっと朗らかで、実はもっとシニカルで、
実はもっと陽気で、実はもっと獰猛で。
僕はありのままの椎名純平が、誰にも気兼ねなく唄に没頭する時が一番好きだ。

僕と共通するのは、考え過ぎるところ。

だが普段考え過ぎなやつが、音楽のフィーリングに身を任すとちょうどいい具合になる。


ダニハザウエイとかカーティスとか、そんなような所から初期衝動を得たのは事実だろうが、
本人は「彼等になれない自分」と「自分にしかなれない自分」のビジョンを掴もうとしている。
とりわけ「バンド」という意識により重きを置いた「バイブレーションズ」としての活動の今後に
僕はとても期待をしている。

ディアンジェロみたいな曲でデビューしたが、別にそれが彼でもなく、本当の彼は彼しか知らない。それを引き出すバイブレーションズのインスピレーションに期待したいと同時に、「在るべき自分」を取り戻し、それを具現化するフォームを見出したら、もの凄い音楽が出てくるだろう。

椎名純平という男は、あまりに賢いのでついつい、スタイリッシュに決めてしまうのでそれに騙されている女性もきっと数多いるであろうが、本当の彼はもっと荒々しいのである。
僕は、それを見たい。


それから、此の男。
相当賢いので、リリックの捻りを見落とさぬよう、御注意されたし。
眼鏡の奥から、戸惑う貴女をクスリと笑っている時が、一番楽しそうなのである。


突然詩。

水曜の未明の言葉の即興。純平氏に送る。


(場面)一番星狂う 闇と光の狭間で
「私」と「王」が向き合っている

王は言った
この狭い宇宙で 私はお前 お前は私
奴隷も城も持たぬ王になら 誰でもなれると

私は言った
この広い宇宙で 私はお前 お前は私
奴隷も城も持たぬ王の酒  飲めば天下の理が分る

神は誰かと問われたならば
創造主は父と母だと応える
父と母が神ならば
私は神の子 神である
それで私が神ならば
此の世の全てが神になる

だが其の前に神は居ないと応える

膨大で永遠なエネルギーのやり取りの中のほんの一瞬たる人間が創造し得る程度の神になど、此の宇宙は造れないであろうし、しかし輝く夜空を見上げて感じ入ると、言葉には出来ないような膨大なエネルギーの循環と究極の創造性が此の宇宙に蔓延している内の一部に己の存在が肯定されている事が実感できて、生きていることに珍しく満悦するのである。

王は言った
この狭い宇宙で 私はお前 お前は私
奴隷も城も持たぬ王になら 誰でもなれると

私は言った
この広い宇宙で 私はお前 お前は私
奴隷も城も持たぬ王になら 名前は無いが自由が在る

王は王たる威厳とともに
王は王たる自覚とともに
全ての王と王女に語り掛ける

nbsaの夜。


椎名純平はミステリアスな男である。
仲間である我々にさえ、その腹の本当の奥底を見せないのである。
音楽の中にだけ、ふんだんにちりばめられているのである。

写真:生後3ヶ月の我が家の娘を抱く椎名翁と、その長女長男。


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