第四章 丞相の最後 P5-6
「女王陛下がお待ちでしてね」
ダーシャの両手に炎の魔力が集中していく。
「亡国の際に落ち着いているな。心すでにここに非ずか?」
ルピアは何度も国替えしているダーシャを皮肉ると、鋭い眼光で腰のダガーの柄に手をかける。
「心配には及びません。カトーは間もなく兵を引くでしょう。今頃Osanpo本城をVeyron率いる連合軍が攻撃している報せが届いているはずです。
留守を守るアカシャは稀代の天才軍師ですが、自ら兵を率いる戦はけして強くは無い」
ダーシャの右手が灼熱の炎を蓄える。
「我が国が軍備を増強していると流言を放ち、カトーとOsanpo本体を遠いこの地に呼び寄せたのはこのわたしなのです」
ダーシャが右手を突き出すと、螺旋状の炎がルピアを襲った。
「知っている」
ダーシャの背中にルピアのダガーが深く突き刺さった。
「我々は戦に来たのでは無い。企みを知ったアカシャの命により貴様を殺しにきたのだ」
ルピアは突き立てたダガーを二度ひねって引き抜くと、もといた部屋の隅まで飛び下がった。
「な・・!?」
ダーシャが吐血し膝をついて倒れる。
「万策を弄してなお届かぬ、それが我らOsanpoと知れい」
ルピアはダガーの血を拭い鞘に収めると、音も無く暗がりに消えていった。
**** **** **** **** **** ****
「本城に戻る。陣を引き払えい!」
カトーは城から立ち上る紫の細い煙、ルピアからの合図を確認すると、巨躯を揺らして立ち上がり地響きのように叫んだ。
ほどなくしてOsanpo本体は跡形もなく退去し、大きな犠牲を払ったものの、女王フィリアと新興国家は延命することとなったのだった。
**** **** **** **** **** ****
つづく
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「女王陛下がお待ちでしてね」
ダーシャの両手に炎の魔力が集中していく。
「亡国の際に落ち着いているな。心すでにここに非ずか?」
ルピアは何度も国替えしているダーシャを皮肉ると、鋭い眼光で腰のダガーの柄に手をかける。
「心配には及びません。カトーは間もなく兵を引くでしょう。今頃Osanpo本城をVeyron率いる連合軍が攻撃している報せが届いているはずです。
留守を守るアカシャは稀代の天才軍師ですが、自ら兵を率いる戦はけして強くは無い」
ダーシャの右手が灼熱の炎を蓄える。
「我が国が軍備を増強していると流言を放ち、カトーとOsanpo本体を遠いこの地に呼び寄せたのはこのわたしなのです」
ダーシャが右手を突き出すと、螺旋状の炎がルピアを襲った。
「知っている」
ダーシャの背中にルピアのダガーが深く突き刺さった。
「我々は戦に来たのでは無い。企みを知ったアカシャの命により貴様を殺しにきたのだ」
ルピアは突き立てたダガーを二度ひねって引き抜くと、もといた部屋の隅まで飛び下がった。
「な・・!?」
ダーシャが吐血し膝をついて倒れる。
「万策を弄してなお届かぬ、それが我らOsanpoと知れい」
ルピアはダガーの血を拭い鞘に収めると、音も無く暗がりに消えていった。
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「本城に戻る。陣を引き払えい!」
カトーは城から立ち上る紫の細い煙、ルピアからの合図を確認すると、巨躯を揺らして立ち上がり地響きのように叫んだ。
ほどなくしてOsanpo本体は跡形もなく退去し、大きな犠牲を払ったものの、女王フィリアと新興国家は延命することとなったのだった。
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つづく
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