第四章 丞相の最後 P3-4
「常勝将軍セラ・・なんと忌々しいことよ・・」
女王フィリアは砂塵の向こうを睨みながら言った。
クェリオスのゆりかごと呼ばれるこの都市は、クェリオス神を信仰する者達が集った宗教国家の中心であり、女王フィリアと7賢人によって統治されていた。
この国は新興国家であり、征服したとて財を得る旨みもない。
統治者達は、Osanpoが侵攻してくるなどとは露ほども思っていなかった。
防備もしていないところへ、カトー率いるOsanpo本体が電撃のように進軍してきたのである。
「丞相はどこか?呼んでまいれ」
怒りに震えるフィリアの声が響き、兵士の一人が慌てて城へ向かった。
**** **** **** **** **** ****
壁一面の本棚にはびっしりと本が並んでいた。
部屋の隅の机には背の低い猫背の男が座り、熱心に書き物をしている。
丞相ダーシャ、クェリオスのゆりかごの軍事、内政のすべてに精通し、女王フィリアを補佐して国を動かす最高位の官吏である。
「丞相!戦局は思わしいものではなく、本陣にて女王陛下がお呼びです」
勢いよく扉が開き、息を切らせた兵士が叫ぶ。
「すぐに行きましょう。先に本陣に戻り、これを女王陛下に渡してください」
ダーシャは立ち上がって振り向くと、兵士の目を見据えて静かな物腰で答え、先ほどまで書いていた書簡をその手に渡した。
「行かせてよかったのか?」
誰もいないはずの部屋で突然に声が響く。
いつからそこにいたのか、背の高いケラが部屋の隅の壁にすかって立っている。
「わたしの炎に巻き込みたくはないのです。あなたこそ、暗殺者が姿を見せてよいのですか?」
ダーシャは8mほど離れた場所にいるケラを見つめて答える。
「誘っているウィザードの背中に飛びかかるほどマヌケじゃないのでね」
このケラこそOsanpoのルピア、ノーラス最凶のアサシンと呼ばれる狂った暗殺者だ。
「常勝将軍セラ・・なんと忌々しいことよ・・」
女王フィリアは砂塵の向こうを睨みながら言った。
クェリオスのゆりかごと呼ばれるこの都市は、クェリオス神を信仰する者達が集った宗教国家の中心であり、女王フィリアと7賢人によって統治されていた。
この国は新興国家であり、征服したとて財を得る旨みもない。
統治者達は、Osanpoが侵攻してくるなどとは露ほども思っていなかった。
防備もしていないところへ、カトー率いるOsanpo本体が電撃のように進軍してきたのである。
「丞相はどこか?呼んでまいれ」
怒りに震えるフィリアの声が響き、兵士の一人が慌てて城へ向かった。
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壁一面の本棚にはびっしりと本が並んでいた。
部屋の隅の机には背の低い猫背の男が座り、熱心に書き物をしている。
丞相ダーシャ、クェリオスのゆりかごの軍事、内政のすべてに精通し、女王フィリアを補佐して国を動かす最高位の官吏である。
「丞相!戦局は思わしいものではなく、本陣にて女王陛下がお呼びです」
勢いよく扉が開き、息を切らせた兵士が叫ぶ。
「すぐに行きましょう。先に本陣に戻り、これを女王陛下に渡してください」
ダーシャは立ち上がって振り向くと、兵士の目を見据えて静かな物腰で答え、先ほどまで書いていた書簡をその手に渡した。
「行かせてよかったのか?」
誰もいないはずの部屋で突然に声が響く。
いつからそこにいたのか、背の高いケラが部屋の隅の壁にすかって立っている。
「わたしの炎に巻き込みたくはないのです。あなたこそ、暗殺者が姿を見せてよいのですか?」
ダーシャは8mほど離れた場所にいるケラを見つめて答える。
「誘っているウィザードの背中に飛びかかるほどマヌケじゃないのでね」
このケラこそOsanpoのルピア、ノーラス最凶のアサシンと呼ばれる狂った暗殺者だ。
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