渡辺さん家

スイーツ大好き渡辺さんの時々日記

キミは王子様

2022-10-03 17:14:16 | 日記・エッセイ・コラム

先日自分の過去の投稿の中で小学校の頃のエピソードを読んでいて思い出した事がある

思い出したというか、ずっと覚えていた事なのだが

小学校6年生の頃の話である

当時小学校では朝の体力づくりの時間が設けられていて

毎日毎日授業の前に運動場に全校生徒が整列し、体操やらかけっこやら行進などで体を動かし、団体行動を叩きこまれていた

「学校って軍隊みたいだな(-ω-)行くのイヤだな」

かなり早い段階からそんな事を思う子供だったが、小学校6年間で学校を休んだのは2日のみである

子供の頃の私は丈夫であった

そもそも朝から運動場に出るとか面倒だし冬は寒くて夏は暑いし、基本運動場に出る時は裸足という謎のルールがあったのでイヤでたまらなかったのだが

朝の体力づくりはみっちり6年間続いた

そんな6年目の思春期なお年頃

クラスごとに背の順で並んだ隣の生徒とペアになって体力づくりをするという

ちょっとハードな体操を指示される

男女ペアになるのだが、それをイヤだとか言う空気は皆無である

私のペアは学級委員長なども務めるしっかり者のグンジ君だった

片方が両手両足を地面に付けて身体で小さな山を作る

ペアになったもう一人がその山を跳び箱の要領で飛び越え(馬飛び)

飛び越えたあと山の下をくぐる

1人の人間がもう1人の人間の周りをぐるぐる回るのだ

1分間で何回 回れるか

回数を多く回るには なるべく素早く動きましょう

先生が煽る

子供は単純なのでつい頑張ってしまう('◇')ゞ

この運動を含め、ペアで行う運動は何日か続いた

昨日より多く回るぞぅ(*'ω'*)

イヤでたまらないハズの体力づくりの時間が向上心に満ちている

と、予期しない事故は突然起こった

グンジ君を飛び越えた瞬間「プッ」って小さな音のオナラが出てしまったのだ

それはきっとグンジ君にしか聞こえないぐらいの音量だったと認識している

音が鳴った直後 顔が真っ赤になるのが分かった

「おわたー(;´Д`)グンジはきっとクラス中に言いふらすんだ。『コイツおならしたんだぜー』って私の事からかうんだ。卒業式まで言われ続けるのかなー?めちゃくちゃイヤだー( ノД`)シクシク…」

と心の中で叫びながら1分間の体操を終え、今度は青ざめながらグンジ君の顔をそっと見る

彼は、何も言わなかった(゚Д゚;)

知らぬ顔で朝の体力づくりの時間を終え、教室に帰っても誰にも言わず

そして卒業式まで私がオナラをした事は誰にもからかわれなかったのだ

グンジ尊敬する

それから約30年後

ちょっとした同窓会が開かれた

グンジ君がちょっと遅れてやってきた

40代の彼は清潔感をも漂わせるステキな壮年男性になっていた

「さすがグンジ。中年になっても裏切らない('Д')」

あのオナラ事件の話、してみようかな

離れた席に座ったグンジ君を視界に入れながら

タイミングを見計らっていたが

「今日は早く帰らなきゃいけなくて。みんなゴメン」

と言って帰っていった

「さすがグンジ。ダラダラ最後まで騒いでる私とは違ってスマートに帰っていった('Д')」

彼は私にとって 初恋でも、恋愛の対象でもなかったが

それでもあえて言いたい

キミは私の王子様だ


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