さて、深夜の研究棟の中庭から聞こえてきたさえずりは天使の唱なんだね。ひときわ澄んだ高い音色でうたった。このビルは自然の崖っぷちのようにイソヒヨドリの巣になったいるのだろうか?
春。ここちよさそうな陽ざしの中、小鳥たちが「遠く」で「近く」でさえずっている。ピピピピピー、ピピーピピピ。春満開!若草色が辺りを包む春!キャンパスの静謐さ、五階から海がくっきりと見える!宜野湾の海浜公園があのあたりにあるのだろうか?久しく海で泳いだこともないなー。キャンプもほど遠い。
自然の中に佇む時をこのキャンパスの自然の静謐さの中の小鳥たちの鳴き声に包まれる日々で埋めている。大学は通り過ぎる物で4年あるいは6年と大学で学び、若者たちは飛び立っていく。新入生を迎えるためにキャンパスは綺麗になる。毎年繰り返される儀礼・儀式のように、1年の垢を落とし、エアコンなどを含め不良品の整備とクリーニングがなされ、芝も刈り取られる。古い建物もピカピカ磨いて新入生を迎えるのだ。年ごとの始まりと終わり、終わりと始まりを繰り返し、大学の四季も刻まれていく。このサイクルが続いて、人はまた時のリズムの中で漂い移動していく。点としてあった大学のキャンパスが研究棟に籠るようになって線になり、思いがけない場になっているのは、確かなようだ。一番感銘を受けているのはイソヒヨドリたちの命のサイクルかもしれない。彼らの鳴き声が学び舎でも木霊するこの時に浸れることに感謝。