まだ名前をつけていない子猫たち、それぞれの個性が見えはじめているが、まだまだ特定できない。一匹のクロちゃんは毛並みが黒と白なので分かりやすい。ミーちゃんと似た毛並みは二匹、後の二匹は茶色の子猫たちだ。
動かなくなった子猫の顔を舌でなめるミーちゃん
ミーちゃんは ただ親子の 隠れ場を
すくすくと 母乳を飲んで よく寝ていた
君は今 永遠の夢 何を見たの
子猫はすでに歯が生え、爪も延びてきていた。素敵な子猫だったのだ。一昨日の夜、なぜ押入れの中を覗かなかったのか、悔やまれた。もし様子を見ていれば、こんな事にはならなかったかもしれない。その前に一匹の子猫が下に落ちる事件があった。その子猫を拾って隣のタンスの中にひとまず隔離すると、ミーちゃんはその首を口に咥えて上にジャンプして連れ戻した。子猫たちを守ろうとする姿勢は立派だった。また落ちたらたいへんだと思っていた矢先にミーちゃんは彼らを下に下ろしたのである。そしてそこに悲劇が起こっていた。なぜ?
子猫たちは新しい環境で身をすくめていたが、やがて少しなれるといつものようにミーちゃんの乳首めがけて競い合い、お腹がいっぱいになるとすぐころりと寝る。寝て母乳を飲むその中で大きくなっていく。両目が開き徐々に自らの環境への認識が始まりそうな気配。巨人の人間の存在は意識している様子。彼らの唯一の命の糧はお母さんのミーちゃん。ミーちゃんはこちらが服の部屋に入ると、気が立って中に入ってくる。
でも授乳中は目を閉じて子猫たちが自由にミルクが飲めるように身体を動かしたりしている。お腹が一杯になるとすぐころりと横になる姿は可愛い。重なるように寝たり、すこし離れて個別に寝たりする。時にミーちゃんも一緒に寝ている。
一匹の子猫を失ってもミーちゃんは5匹の子猫の面倒を見ないといけない。彼女のルーティーンは変わらない。子猫たちが独り立ちするまでミーちゃんの母猫の役割は終わらない。今日で生まれて16日目である。